記事

DaiGoの“メンタリズム”はなぜ当たるのか?他 森達也『オカルト』感想

2/2

しつこくしつこくオカルト現象にせまってみたはずの森達也の取材も、結果としてはTVの特集と同じように、曖昧なままそれを終えてしまいました。オカルト現象をテーマにした撮影や編集では、機材トラブルやスタッフの災難などが相次ぐといいますが、それらもこの検証を妨げる一因となっているようです。「あきらめようと思えば視界の端にちらりと何かが動く。凝視しようとすると二度と見えなくなる」と、森達也はいいます。

しかし同時に、彼は疑問に思います。オカルト現象は、われわれの目を避けている。でも、だとすると拒絶するその主体はだれなのか。超能力者や臨死体験者その人なのか、あるいはわれわれの潜在意識なのか、あるいは目に見えない“何か”なのか。謎は深まるばかりです。


私の感想としては、オカルト現象はやはり玉石混淆で、その95%くらいは何らかの見間違いや誤作動、あるいはトリックなんじゃないかなぁと思います。しかし、残りの5%は、もしかしたら“真実”かもしれない。でもその真実も、いつか科学で解明される日が来る。今の科学では解明できなくても、未来の科学なら解明できるかもしれない。そんなふうに思います。

でも、その解明が、私たちに幸福をもたらすかどうかは、また別の話です。イタコは霊を降ろせるのかもしれないし、降ろせないのかもしれない。けれど、もし亡くなった故人にどうしても会いたいと思ったとき、たとえそれがトリックであっても、私たちは恐山のイタコの口寄せに救われるでしょう。それを解明することが、はたして善なのかどうか、私にはわかりません。単なる好奇心としては、やはりだれかに解明してほしいけど……。

オカルト否定派も、肯定派も、中庸派も、どんな人でも楽しめるオカルト本でした。「絶対にそんなわけない」と思う人も、「もしかしたら」と思う人も、興味のある方はぜひ手にとってみて下さい。本編とはなれたことをいうならば、森達也はやっぱり一流のノンフィクション作家だと私は思います。

リンク先を見る

「A」―マスコミが報道しなかったオウムの素顔 (角川文庫)

こっちも面白い!

*1:後日、このテレパシーはトリックだったことが判明

あわせて読みたい

「書評」の記事一覧へ

トピックス

ランキング

  1. 1

    菅首相発言が「絶対アカン」理由

    郷原信郎

  2. 2

    菅首相は玉木氏提案を受け入れよ

    早川忠孝

  3. 3

    家計が炎上した年収1000万円夫婦

    PRESIDENT Online

  4. 4

    今の改正案では医療崩壊を防げぬ

    玉木雄一郎

  5. 5

    広島県の大規模PCR検査は愚行

    青山まさゆき

  6. 6

    PCR検査で莫大な利益得る医院も

    中村ゆきつぐ

  7. 7

    橋下氏 いま日本は「欠陥の車」

    橋下徹

  8. 8

    慰安婦判決は異常 迷走する韓国

    コクバ幸之助

  9. 9

    KDDI「povo」への批判はお門違い

    自由人

  10. 10

    車移動に回帰? ペーパー講習混雑

    井元康一郎

ランキング一覧

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。