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舛添東京都知事は、いい知事になれるのか?

新しい東京都知事が誕生した。選挙が終わった僕の感想は、やはり舛添要一さんだったか、という印象だった。世論調査でリードしていたからとか、自公の応援があったから、ということだけが理由ではない。実は「朝まで生テレビ!」で僕は主要候補と議論している。

細川護煕さんの票が伸びなかったことも、納得できる。当選したら困ったことになったと思うのではないかと、細川さんの話を聞いたときに、僕は感じたのだ。細川さんにとって都知事選は、都知事になるための戦いではなく、「脱原発運動」の場であった。応援していた小泉純一郎さんも同じだ。僕には、そのように思えて仕方がなかった。小泉さんとのツーショットの映像を、テレビであれだけ流してもらえたのだから、アピールとして十分だったのだろう。

そういう意味で、前日本弁護士連合会会長の宇都宮健児さんに対しても同じ印象だ。「朝まで生テレビ!」で僕は宇都宮さんに、「脱原発という点で一致しているのだから、立候補を辞退して細川さんと共闘してはどうか」と提案した。すると宇都宮さんは、それは断じてないと言い切ったのだ。

本気で「脱原発」を実現したいのなら、そして本気で「政治家」になるつもりなら、真剣に考えるべきではないだろうか。選挙を辞退できないのは、単に自分の考えをアピールしたいからだとしか、僕には思えなかったのだ。

僕は、舛添さんと古くからの知り合いだ。学者であった彼がマスコミに出るようになったきっかけは、「朝まで生テレビ!」への出演だった。当時「サンデープロジェクト」に出演していた政治学者の高坂正堯さんと同じような立場で「朝まで生テレビ!」に出演してくれる政治学者を僕は探していた。そんなときに、舛添さんを紹介されたのだ。

彼は、頭脳明晰で、バランス感覚があり、そしておもしろい人物だった。だから、その後もたびたび僕の番組に出演していただくことになった。その意味で、彼を政治家への道に引き入れてしまった責任の一端は、僕にあるともいえるだろう。

実は、舛添さんには政治家として「不安要素」があると、僕は思っている。政治でいうところの「寝技」ができないのではないか、ということだ。舛添さんは、東京大学法学部を卒業し、学者としてのエリートの道を歩んできた人だ。「寝技」とは無縁の世界だった。しかし政治家には、ときに「寝技」が必要なのだ。

寝技が得意な政治家といえば、なんといっても田中角栄さんだろう。前都知事の猪瀬直樹さんも、寝技ができる人だった。たとえば、猪瀬さんが当時の小泉首相のもとで、「道路公団民営化」を進める民営化委員会の委員だったときのことだ。彼は、公団の改革を内部から進めようとする勢力と対立していた。そのとき猪瀬さんは、なんと自民党の「族議員」だった古賀誠元幹事長と組んで、民営化を進めたのだ。まさに「寝技」だ。

ただし舛添さんは、都知事選で自民党と公明党から応援をもらっているが、そのために自らの論をまげるようなことはしない人でもある。だからこそ、そして都民のために、必要とあらば「寝技」も駆使して、政策実現のためにがんばってほしいのだ。

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