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インターネット 米国一極支配に一石/欧州の独自網 独仏が動く

 欧州で、情報保護の強化を目的に、インターネットの米国の一極支配に一石を投じる動きが広がっています。背景には、米国家安全保障局(NSA)による一連の盗聴問題で高まった米国への不信感があります。(島崎桂)

 ドイツのメルケル首相は15日、米国を経由しない情報交換を可能にする「欧州通信網」の創設を提起。19日に予定しているフランスとの首脳・閣僚会議で協力を求める意向を示しました。

大西洋渡らず

 メルケル氏は「高水準の情報保護をいかに維持するかについて、フランスと話し合うつもりだ」と表明。「大西洋を渡って(米国経由で)メールや他の情報を送る必要がなくなるよう、市民に安全を提供する欧州のプロバイダー(インターネットのサービスを提供する事業者)について話し合うだろう」と述べました。

 ロイター通信によると、仏政府もメルケル氏の提案を歓迎しているといいます。

 NSAはメルケル氏個人の携帯電話やシュレーダー前首相への盗聴を行っていたことが明らかになりました。ドイツは、ナチス施政下や旧東ドイツでの市民監視への反省から個人情報保護の意識が強い国柄ということもあり、独政府は米国の盗聴行為を公然と非難してきました。

管理の透明性

 米国が事実上一元的に管理するネットのあり方にも疑問が生じています。欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会は、米国が単独で行うネット管理の透明性を高めようと動き始めました。

 インターネットに接続しているコンピューターを識別するIPアドレスやドメイン名(「.com」や「.org」など)は現在、米商務省傘下の非営利法人「ICANN」が管理しています。ネットの管理については長く、国連や中立の国際機関に委ねるべきだとの声が上がっていました。

 欧州委員会のクルス副委員長(デジタル戦略担当)は12日、「欧州はインターネットの世界的な管理に向けて、信頼できる方法に貢献しなければならない」と強調。米国とICANNの一元管理に代わり、各国や非政府組織(NGO)、研究機関、民間部門など「多数の利害関係者」による管理を支持する立場を示しました。

 インターネットの民主的な管理に向け、市民社会からも声が上がっています。国際NGOアバーズが先月末、「民主的で自由なインターネット」を求めて開始したネット署名には、16日までに108万人分を超える署名が寄せられています。

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