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ポストアベノミクス相場が始まったのか

 17日の朝に発表された2013年10~12月期の国内総生産速報値は、物価変動の影響を除いた実質で前期比0.3%増、年率換算では1.0%増となった。事前の予想は年率でプラス2~3%近辺となっていたことで予想を大きく下回った。これを受けて17日の東京株式市場は戻り売りに押され、外為市場では円高が進んだ。

 債券市場は膠着感を強めながらも、ここにきてしっかりとなり14日に長期国債先物は145円台を回復し、10年債利回りは0.6%割れとなった。この水準では高値警戒もあり、上値も抑えられた格好にある。しかし、下値も限られている。これには日銀の国債買入による需給への影響も大きいが、超長期債に売りを仕掛けても円高株安を見て買い戻されていることも影響していると思われる。

 東京株式市場は今年に入り下げ基調となるが、2月上旬にいったん底打ちし、戻りを試した。これは米国株式市場がやはり年初から下落したものの、2月上旬から切り返したことによる。米国株式市場はそのまま回復基調になりつつあるが、日本の株式市場は戻りが鈍くなっている。米国株式市場と比べ、明らかに地合が異なりつつある。このため、14日に米国株式市場でダウ平均は126ドルもの上昇となっても、日本のGDPを受けて下落するなど、どちらかといえば売り材料に敏感になりつつある。

 相場というのは気まぐれであり、方程式のようなものはない、このため地合の読みというのは大事になる。14日の米国株式市場を見ると、1月の米鉱工業生産指数が市場予想を下回り売られる場面もあったが、2月の米消費者態度指数が市場予想を上回ったことのほうが好感された。これは買い材料に影響されやすい地合が形成されていたといえよう。その米国株の大幅上昇にも関わらず、GDPの数字で下落するというのは、東京市場は売り材料に反応しやすい地合になっているといえる。GDPが悪いのだから当然だろうとの意見もあるかもしれないが、過去の相場をみるとGDPはあくまで過去の数字(今回は昨年10-12月)なのだから、参考にはなっても重要なのは足下景気の動向なので無視、というケースも多かったはずである。

 この株式市場の地合の悪さの要因は何なのか。株が売られると円が買われる。円が買われたから株が売られる。どちらでも良いが、この動きの背景には日本株売りと円買いを同時に仕掛けている向きが存在しているように思われる。実際に海外投資家は今年に入り日本株を売り越している。債券市場では超長期債が動きが荒くなっていることからも、日本株の地合悪化の背景にいるのは海外勢ということが予想される。

 先日、このコラムで2月10日の日経新聞電子版の記事に、『「ソロス氏日本売り」の噂、アベノミクスに飽きた投機筋』との記事が出ていたことを紹介した。安倍首相は今年のダボス会議に出席したが、その際に個別の会議にも顔を出し、ダボス会議の常連とも言えるヘッジファンドのジョージ・ソロス氏と会って話をしたようである。日経新聞の記事によると、安倍首相がジョージ・ソロス氏にかなり突っ込まれていたとの観測もあったとか。また、経済について聞いても首相からは気の利いた返答がなかったとの見方も流れていた。アベノミクスの効果、つまりは異次元緩和でどのようにデフレ脱却が可能なのかを適切に説明が出来たとは思えない。期待に働きかけるといっても、働きかけられる側の投資家が疑心暗鬼では効果が出るはずもない。

 今年に入ってからの東京株式市場の下落は昨年までの上昇の反動とともに、米株の下落による影響を受けていた。ところがここにきて米株との動きに連動性がなくなりつつある。

 今回の10-12月期GDPの数字は、予想を下回るがそれほど悪い数字ではない。プラスは4四半期連続であり、個人消費が堅調で住宅投資も伸びた。ただし、外需が押し下げ要因となった。輸入が伸びた理由は、原発事故の影響で燃料輸入が膨らんだ面もあろうが国内需要が回復しつつあることも示している。それでも市場は予想を下回ったことに反応していた。

 債券市場は現状、膠着相場を抜け出しそうにない。しかし、現在の株式市場や為替市場の動きというか地合を見ると、何かのきっかけで株売り円買いを仕掛けてくることも予想される。その際には債券はどのような動きを見せるのか。どうやらヘッジファンドの仕掛がきっかけとなったアベノミクス相場は昨年末でいったん終了し、ポストアベノミクス相場が始まりつつあるように思う。ここにはこれからの日銀の動向もキーとなってくるかもしれない。それは一概に株式市場にプラス要因とは限らない。18日の黒田日銀総裁の会見内容も要注目となろう。

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