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ジョブズ氏死去〜一人の天才の死とアップルの今後

スティーブ・ジョブズ氏
米アップル・ジョブズ氏が死去
5日・56歳

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▼スティーブ・ジョブズ氏のような天才を育てることは可能か?
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米アップルを創業し、同社を時価総額世界一の企業に育てたスティーブ・ジョブズ前最高経営責任者(CEO)が5日、死去しました。56歳でした。

ジョブズ氏は1976年、友人とアップルコンピュータ(現アップル)を創業。コンピューター産業で米IBMが支配的な存在だったころ、家庭でもコンピューターを気軽に操れるようにと、パソコン「アップル」を発売するなどパソコンが世界の家庭に普及する礎を築きました。

今回の訃報に関しては、米オバマ大統領、マイクロソフト会長のビル・ゲイツ氏、日本でもソフトバンクの孫正義社長などからコメントが寄せられています。

ジョブズ氏の最期の数カ月、アップルはエクソン・モービルを超え、時価総額世界一を達成し、結果としてジョブズ氏はそれを見届ける形になりました。

ジョブズ氏のような天才的な経営者、リーダーを輩出するにはどうすればいいのか?果たして教育によって彼のような人間を育てることができるのか?このようなテーマは世界の人々が関心を持っているテーマの1つだと思います。

私はあるきっかけで1989年ウォール・ストリート・ジャーナルの100周年記念番組でスティーブ・ジョブズ氏とともにテレビ出演をしたことがあります。その番組内でジョブズ氏が語っていた内容は、彼の価値観・考え方を如実に表したものだったと思います。

「ものすごく優秀な人が素晴らしい発明をしたが、社長は言うことを聞いてくれない。ゆえに、それなら自分は会社を辞める、という人がいたとしたらあなたはどう考えるのか?」

この質問に対して当時NeXTのCEOだったジョブズ氏は、こう語っていました。

例えば石油会社を見ると、従来のロジックでは「前線で穴を掘る技術を持った人が非常に重要な人材だった」と言える。しかし時代は変わってきている。

今は大学を出たばかりの実務経験がない新人であっても、Ph.D.を持っていて地質学とコンピューターサイエンスに精通していれば会社にとって非常に重要な存在になり得る。例えば、衛星から見るとあの場所に石油があるはずだと導き出せるのなら、会社の命運を左右する可能性もある。

会社としてはこのようなことを認めるべきだし、もし会社に認められないのであれば辞めて別の場所を探せば良い、とジョブズ氏は語っていました。

従来の会社のロジックとは完全に反対ですが、IBMに立ち向かったジョブズ氏の考え方そのものだと感じます。またゼロから自分で創り込んでいくという「非常に尖ったスタイル」も当時から変わりませんでした。

スティーブ・ジョブズ氏のような天才を教育によって生み出すことができるのか?と問われれば、それだけでは難しいと思います。

しかし彼のような天才の発想に触れることで、「凡才製造機」である会社の弊害を逃れることはできるとも思います。その意味で、伝記などは大いに役立つでしょう。

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▼ジョブズ氏を失ったアップルの今後は?
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またスティーブ・ジョブズ氏の「天才ぶり」と言えば、あの見る人を魅了してやまない見事なプレゼンテーションを頭に思い浮かべる人も多いと思います。

確かにあのプレゼンテーションは独特なもので、素晴らしいプレゼンテーションです。しかし、私が聞くところによると決して「天賦の才能」だけに頼ったプレゼンテーションではなく、練習を重ねた結果であるということです。

ジョブズ氏はプレゼンテーションの前に何度も練習を繰り返すそうです。しかも、例えば「iPhoneを手に持つなら、どの角度が最も効果的か?」という様な細かい点まで映像を見てチェックして、繰り返し修正していたと言います。

もちろん、プレゼンテーションについて天才的な才能もあったと思いますが、その上でさらに練習を重ねていたという事実にも目を向けるべきでしょう。

「今後のアップルは?」と考えた時、ジョブズ氏を失ったからといって急激に衰えることはないと私は見ています。

本当の意味でのブレークスルーを生み出すことは難しいかも知れませんが、彼の残してくれたものはユニーク・独特であり、まだまだ発展性があります。

これまでのアップルは基本的にメーカーとして自らが作ったもので食べていくというスタイルでしたが、今はOSを抑えることで完全にスマートフォンの世界で機先を制することに成功していますから、メーカーという立場に拘る必要もないでしょう。

ゆくゆくはテレビという主戦場にも進出できるはずだと私は感じています。さらにその次の展開・・・と考えるとジョブズ氏がいなければ難しいかも知れないと思いますが、少なくともそこまでの展開はすでに地盤が出来上がっていると言えるでしょう。

心よりお悔やみ申し上げます。

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