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今一度、都知事選を振り返る

 今さらながらに東京都知事選を振り返るのも時期を外していると思われるかも知れませんが、とりあえず大差で勝ったのは舛添でした。自民党の閣僚時代に何度となく取り上げてきた人物でもあり、今後は再び批判することも多くなりそうですけれど、他の候補の顔ぶれを見れば妥当な結果でしょうか。

 次点は共産党他が推した宇都宮健児、東京で脱被曝を訴え、あたかも岩手や宮城の震災ガレキまでもが危険であるかのような偏見を広めるべくヘイトスピーチに努めていた印象も拭えないところです。まぁ、実態とは異なりますが仮に被災地のガレキ処理が危険であるとするならば、宇都宮健児は「危険な」廃棄物を被災地に押し止めようとしている、東京だけは危険から逃れようと訴えていることにもなるわけで、その辺は人格を疑いますけれど地方自治体選挙での首長候補として、当該の自治体の利益を唱えるのはこれ以上ないまでにふさわしいとも言えます。ある意味で2位もまた妥当かな、と。

 一方で3位以下は輪をかけて酷い、それでいてキワモノ候補が95万票だの61万票だのを得たのも頭が痛いところです。中高年層に支持が強かった3位の細川に対して、4位の田母神は若年層に大きく票が偏っています。若者の投票率が低い云々との嘆きは、とりわけ高齢者向けの福祉を敵視する人から強く聞かれるところですが、どうなんでしょうね。ネトウヨの良いところは政治に関心があるところだと呟いた人がいましたけれど、世代と得票率ばかりではなく、支持政党(候補)と得票率の関係なども調べられれば面白いように思います。
参考、嫌でも避けては通れまい

「親の介護は自分がする」と回答した人は37%
「親の介護問題について考えたことはない」(21%)
「親の介護は自分ではしたくない」(12%)
「親が自分で老後を考えているので関係ない」(9%)
「親の介護は他の兄弟がする」など、自分以外の兄弟に任せるという意見も12%
 ある世論調査では、こんな結果になったことが伝えられています。そこで親世代/高齢者の福祉を巡っては、とにかく「全体」から多数決で民意を問うべきなのでしょうか、それとも耳を傾ける人を選ぶべきでしょうか。「親が自分で老後を考えているので関係ない」とか「親の介護は他の兄弟がする」と考えている人々の意見を反映させて高齢者向けの福祉政策を決定すべきなのか、それとも「親の介護は自分がする」つもりでいる人の意見を優先的に取り入れて福祉政策の指針とした方が良いのか、単なる多数決ばかりが民主主義ではあるまいと私は思うのです。

 ……で、選挙に関しても然り、投票の対象となっている政党あるいは候補者について何も知らないどころか知ろうともしない人の票をも民意として望むべきなのか、単に投票率が高ければ良いものではない、闇雲に投票に行きさえすれば良いというものでもないのではないかと、そう疑問に感じることもあります。どれほどの誤謬や偏見、悪意に基づいた投票であろうとも歓迎するというのなら、まぁ若くても投票率の高そうな所謂ネトウヨ層は投票に行かない人よりも好ましい、田母神の奇妙に偏った年代別の得票割合を作りだした人々は将来への希望ということになりそうですが。

 実際に投票した人はさておき、ネット上で支持を呼びかけていた人の振る舞いは目に付きやすいものです。その辺、専ら野党候補である宇都宮陣営の切り崩しに注力していた細川(というより民主党)支持層より、与党が支持する本命候補である舛添へのバッシングに熱心であった田母神支持層の方が、それなりに筋が通っているかと思えないでもありません。少なくとも選挙期間以外は専ら与党として行動するばかりでありながら、選挙になると都合良く野党のフリをして与党サイドへの批判票を盗みに行く、そんな卑劣な民主党を支持できてしまう人に比べればマシでしょう。

 「ネット上の」民主党支持層と田母神支持層には似通う部分も多いと思います。最大の共通点は「消極的選択を装いたがる」ことでしょうか。本人の頭の中では投票先は最初から確定しているくせに、不思議と「他の候補がダメだなら、○○しかないのだ」という方向に持っていくことを好むわけです。私は、とっくに自分では結論が出ているのにカマトトぶって疑問を投げかけるフリをする人間が大嫌いですが、「ネット上の」民主党支持層と田母神支持層には同質の嫌らしさを常に感じますね。

 世界から軽蔑されようとも自国の歴史を書き換えて自己満足したいから田母神を支持するとか、デフレ不況で格差拡大、もっと日本を清く貧しい国にしたいから民主党/小泉陣営を支持するとか、そうハッキリと明言するのなら賛成はできませんが異論として尊重できないこともありません。しかし実際のところ、彼らが述べるのは田母神支持層であれば舛添に投票「すべきでない」理由であり、民主党主義者であれば共産党ではとにかくダメなのだと繰り返すばかり、その「熱意」とは裏腹に本当に支持している候補については意外なほど多くを語らないわけです。しかし、何がどうなろうと彼らの支持する先は不動なのですから付いていけません。そんなに信仰心が厚いのに……

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