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- 2011年04月18日 13:44
「風評被害と自粛モード〜「説明下手」な政府がもたらした二次災害」
1/2放射線の危険性について、過剰反応しないこと
福島第1原子力発電所事故で、気象庁は5日、国際原子力機関(IAEA)の要請に基づいて同庁が作成した放射性物質の拡散予測をホームページ上に公表しました。
気象庁の拡散予測は、「1ベクレルの放射性ヨウ素131が標高20-500メートルの高度で72時間放出された」という条件に基づき、気象情報などを加味して割り出されたものとのことです。
放射性物質の拡散状況を見ると、浪江町や飯舘村は非常に危険なレベルにあると言わざるを得ないと思います。
今回の拡散状況で特徴的なのは、放射性物質が一様に円形に広がっておらず、まるでブーメランのような形で広がっている点にあります。
これは放射線の大きな特徴で、風の影響を強く受けた結果です。放射性物質が放出された際、強い風がどちらから吹いていたのか、それが拡散する範囲を決定します。
福島第1原発から直近の地域では、約1000ミリシーベルトの放射線量が蓄積していくという、非常に危険なレベルです。
その1つ外側の地域では約500ミリシーベルトの放射線量と測定されています。
このレベルでも、大騒ぎするほどではありませんが、念のために避難勧告を出すべきだと思います。
先日私は福島第1原発から半径30km圏内の住人に対しては、一週間くらい帰宅しても平気なので、そのように伝えてあげるべきだと述べましたが、放射線量が減る見通しも立たない今の状況を見ていると、少々厳しくなってきたと感じます。
ただし大げさに捉えるのではなく、放射線量の危険性について客観的な事実を把握しておくことも大切だと思います。
先に避難勧告を出すべきだと言った500ミリシーベルトの放射線量とは、1年間外で放射線を浴び続けたとして、それを原因として発がんする確率がたとえて言えば、「1万人に1人」から「1万人に2人」になるというレベルです。
おそらく毎日2箱〜3箱喫煙する場合の方が、よほど肺がんになる確率は高いでしょう。
このような事実を私たちが認識しているという前提で「どうしても帰宅したい人は、自分でリスクを知った上で自主的に行動してください」という米国型の方法もありかもしれません。
日本政府の情報の伝え方が、外国人の誤解を招いている
枝野官房長官は4日、県単位で実施してきた農産物の出荷制限を改める方針を明らかにしました。市町村や各県の地域ごとに設定、解除できるようにするとのことです。
また、政府は8日、水田の土壌で、放射性セシウムの検出値が1キロ・グラム当たり5000ベクレルを超えると、コメの作付けを制限する方針を明らかにしました。
県単位から市町村単位への変更に基本的に賛成ですが、農産物の出荷制限は「県単位ではなくできればロット単位で」というのが私の以前からの提言です。もう一歩踏み込んで欲しいところです。
その上で「水洗い」する効果をもっときちんと伝えるべきです。「このくらいの数値なら、水洗いでここまで落ちる」という基準を示してくれれば、国民としても「安心して食べられる」心境になるでしょう。
この後の展開として予想されるのは、放射線が地中の農作物に影響を与え始めるということです。
まずほうれん草などの葉っぱに付着したものが問題となったわけですが、今後は「たまねぎ・じゃがいも・ごぼう」などへ連鎖していきます。
この流れは自明です。ゆえに仮に「じゃがいもから放射性物質を検出」というニュースが流れても、一喜一憂せずに冷静に対処することが大切です。
実際問題としては、地中にある茎が放射線に汚染された場合、葉っぱ類とは違い、水洗いしても効果はありません。その時の対処は改めて考える必要がありますが、過剰に反応するのは避けたいところです。
また稲の作付けを制限する方針とのことですが、この適用範囲を福島県全体とするなら、これは過剰反応だと私は思います。
国内が混乱しているだけでなく、海外でも放射性物質の流出について誤解され、日本製品に対する警戒が広がっています。



