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“待ったなし” 子どもの貧困

公明新聞:2014年2月12日(水)付

新しい安全網の構築を
就学援助など 負の連鎖を断つ支援強化

生活保護世帯の中学3年生向けの学習支援事業を視察する公明議員=2010年10月 横浜市
生活保護世帯の中学3年生向けの学習支援事業を視察する公明議員=2010年10月 横浜市

相対的貧困率の推移経済的に困窮している人を支援するための法律が昨年、公明党の推進で相次いで成立し、期待が高まっている。貧困対策を進めるための新たなセーフティーネット(安全網)の構築は“待ったなし”の問題となっているからだ。親から子への「貧困の連鎖」を防ぐための「子どもの貧困対策推進法」が昨年6月に成立。同年12月には「生活困窮者自立支援法」も成立した。

このうち子どもの貧困対策に取り組む同推進法が先月施行された。同法は、子どもの将来が、生まれ育った環境に左右されないよう、教育や生活、親の就労などを総合的に支援する法律。

貧困家庭の子どもは十分な教育を受けられず、大人になっても低所得になる確率が高い。貧困の連鎖や固定化を防ぐための就学援助など支援の充実が急務である。このため、同法では国の責務を明確にし、関係機関が密接に連携して対策を講じるよう定めている。今後、政府が大綱をつくり、都道府県が大綱を基に対策計画の策定に努めることになる。

日本では、非正規雇用で働く親や経済的に困窮する家庭が増え、生活保護を受ける人は216万人(160万世帯)に及ぶ。

家庭の所得が、標準的所得の半分に満たない人の割合(相対的貧困率)は、17歳以下の子どもの場合、15.7%(2009年、厚生労働省調べ)と、1986年の調査開始以来、過去最大となり【グラフ参照】、ひとり親世帯に限ると50.8%にも上る。日本の子どもの貧困率は、先進諸国35カ国中、9番目の高さ(09年)となっている。

そこで重要なことは、生活保護に至る前の生活困窮者を支援することである。自立した生活を営むためのさまざまな支援や新たな体制強化が何としても必要だ。

貧困の連鎖を断ち切り、子どもの貧困対策を進めるには、制度を有効に機能させ、官民一体で真剣に取り組まなければならない。

長期的で粘り強い対策に期待

社会活動家 湯浅 誠氏

子どもの貧困対策推進法の成立などによって、これまで制度の狭間で苦しんできた人に手を差し伸べる第一歩が、やっと踏み出せたと歓迎しています。

先月施行された同法は今後の貧困対策にとって重要な鍵となります。政府が策定する大綱の中に、貧困率や高校進学率、就労率などの具体的な数値目標を盛り込めるかがポイントです。

その上で、生活困窮者を支援するため、各機関や団体の連携が重要です。

まずは役所内の縦割りを廃した「官官連携」、地域の自治会や支援団体などが協力する「民民連携」を進め、さらに行政と地域による「官民連携」も推進してもらいたい。これは一種の地域づくりで、生活困窮者や家族を見守り、支援することが、地域の力を最大限発揮することにもつながります。

また、各対策の効果を継続的に調査することが大切です。人に対する支援のため、効果を見るのは難しいのですが、長い目で根気強く取り組んでいくことです。

公明党には、今後とも粘り強い姿勢で困窮者対策を進めてほしいと願っています。

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