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- 2011年01月17日 00:00
多極化する世界経済の動向〜台頭する新興国と多額の債務を背負う先進国の構造
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世界経済
終わりに近づく西側の覇権
インド市場
インド、ロシア首脳次世代戦闘機の共同開発で合意
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▼中国経済を軟着陸させることは不可能に近い
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先月17日付の英フィナンシャル・タイムズ紙は、「新たな均衡に向かう世界終わりに近づく西側の覇権」と題する記事を掲載しました。これは台頭する新興国と多額の債務を背負う先進国の構造を指摘したものです。
そのような中、中国の国営紙チャイナデイリーは中国の著名な経済学者で中国人民銀行(中央銀行)の元通貨政策委員である余永定氏の寄稿を掲載しました。
同氏は現在の中国経済について、「中国の成長モデルは持続不可能であり、緊急の経済・政治改革を断行しない限り、中国は突然の減速に見舞われる」として警鐘を鳴らしています。
従来あまり見ることができなかった論調で、年頭にふさわしい内容だと私は感じました。
余永定氏という中国の元高官が、現在の中国経済のモデルを否定しています。
「中国の成長モデルは持続不可能」という指摘は、論理的に考えれば当たり前であり誰でもそう思っていることですが、未だに中国の中では広く支持されている意見ではありません。
一部の識者の人が将来を憂い、警鐘を鳴らしているというのが実態でしょう。
対する中国共産党の幹部は、これ以上経済運営が難しくなっては困るということで、何とかして「軟着陸(ソフトランディング)」させたいと必死になっています。
このような動きはバブル経済時の日本の大蔵省の反応と全く同じです。私が日本経済の危険性について指摘していると、当時の大蔵省の役人が私のところに来て「大蔵省が軟着陸させてみせるから、発言は控えてくれ」と依頼されたことがあります。結果は誰もが知っているとおり、見事にバブル崩壊が起こりました。
今の中国もかつての日本と同様で、権力者・為政者が考えることは同じなのでしょう。しかしどんなに取り繕ってみても真実は1つしかありません。
大蔵省の役人が日本経済を軟着陸させることなどできなかったように、中国共産党の役人にしてもそれは不可能でしょう。そんな「魔法」のような方法があると言うなら、ぜひ教えてもらいたいところです。
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▼世界全体は多極化する方向性へ
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また「終わりに近づく西側の覇権」とありますが、正確に言えば米国の覇権が終焉し、一部欧州に移りつつあるというところだと私は感じています。
ただし欧州も完全に米国に代わって覇権を確立できているわけではなく、その間に新興国が台頭してきています。今後、世界全体が5〜20の覇権群に別れていく可能性もあるでしょう。
2015年までの主要国・地域の名目GDPの推移予想によると、約20兆ドルで(中国を除く)新興国全体とEUが並び、それに米国が続く形になる見通しです。中国は約10兆ドルで日本のおよそ2倍になるとの予測です。
細かい数値予測よりも、全体的に世界が多極化していくという方向性を認識することが重要でしょう。「多極化した世界観」を持つことは今後の世界経済を見ていく上で必須だと私は思っています。
このような中で世界経済に占める重要性を増してきているのが「インド」です。
ロシアのメドベージェフ大統領は先月21日、インドのシン首相と会談し、次世代戦闘機の共同開発で基本合意しています。
終わりに近づく西側の覇権
インド市場
インド、ロシア首脳次世代戦闘機の共同開発で合意
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▼中国経済を軟着陸させることは不可能に近い
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先月17日付の英フィナンシャル・タイムズ紙は、「新たな均衡に向かう世界終わりに近づく西側の覇権」と題する記事を掲載しました。これは台頭する新興国と多額の債務を背負う先進国の構造を指摘したものです。
そのような中、中国の国営紙チャイナデイリーは中国の著名な経済学者で中国人民銀行(中央銀行)の元通貨政策委員である余永定氏の寄稿を掲載しました。
同氏は現在の中国経済について、「中国の成長モデルは持続不可能であり、緊急の経済・政治改革を断行しない限り、中国は突然の減速に見舞われる」として警鐘を鳴らしています。
従来あまり見ることができなかった論調で、年頭にふさわしい内容だと私は感じました。
余永定氏という中国の元高官が、現在の中国経済のモデルを否定しています。
「中国の成長モデルは持続不可能」という指摘は、論理的に考えれば当たり前であり誰でもそう思っていることですが、未だに中国の中では広く支持されている意見ではありません。
一部の識者の人が将来を憂い、警鐘を鳴らしているというのが実態でしょう。
対する中国共産党の幹部は、これ以上経済運営が難しくなっては困るということで、何とかして「軟着陸(ソフトランディング)」させたいと必死になっています。
このような動きはバブル経済時の日本の大蔵省の反応と全く同じです。私が日本経済の危険性について指摘していると、当時の大蔵省の役人が私のところに来て「大蔵省が軟着陸させてみせるから、発言は控えてくれ」と依頼されたことがあります。結果は誰もが知っているとおり、見事にバブル崩壊が起こりました。
今の中国もかつての日本と同様で、権力者・為政者が考えることは同じなのでしょう。しかしどんなに取り繕ってみても真実は1つしかありません。
大蔵省の役人が日本経済を軟着陸させることなどできなかったように、中国共産党の役人にしてもそれは不可能でしょう。そんな「魔法」のような方法があると言うなら、ぜひ教えてもらいたいところです。
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▼世界全体は多極化する方向性へ
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また「終わりに近づく西側の覇権」とありますが、正確に言えば米国の覇権が終焉し、一部欧州に移りつつあるというところだと私は感じています。
ただし欧州も完全に米国に代わって覇権を確立できているわけではなく、その間に新興国が台頭してきています。今後、世界全体が5〜20の覇権群に別れていく可能性もあるでしょう。
2015年までの主要国・地域の名目GDPの推移予想によると、約20兆ドルで(中国を除く)新興国全体とEUが並び、それに米国が続く形になる見通しです。中国は約10兆ドルで日本のおよそ2倍になるとの予測です。
細かい数値予測よりも、全体的に世界が多極化していくという方向性を認識することが重要でしょう。「多極化した世界観」を持つことは今後の世界経済を見ていく上で必須だと私は思っています。
このような中で世界経済に占める重要性を増してきているのが「インド」です。
ロシアのメドベージェフ大統領は先月21日、インドのシン首相と会談し、次世代戦闘機の共同開発で基本合意しています。



