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【読書感想】ゴミ情報の海から宝石を見つけ出す

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 この新書では、Q&A方式で、ソーシャルメディアとの関わり方についての津田さんの現時点での考えが語られています。

 津田さんは、ソーシャルメディアに期待し、重視しているけれども、その一方で、それが「万人にとってのバラ色の未来」につながるものではないことにも言及されているのです。

 ソーシャルメディアは結局、機会の不平等を平等に近づけるツールなのです。だから優れた能力をもっていて、もともと仕事がうまくまわっているような人には、べつに必要ないともいえる。

 ただし、ソーシャルメディアが発達すればするほど、機会の不平等が是正されればされるほど、より言い訳ができない世の中になっていくことは確かでしょう。いままでは他人や社会、環境のせいにできたことでも、「なんでソーシャルメディアを使ってそれをやらないの?」と言われてしまうようになるのですから。

 ソーシャルメディアによって機会が平等になる世界は、すべてがまわりのせいにできなくなるぶん、よりシビアな世界になっていくのかもしれません。

 政治家の政策云々にかかわらず、ネットワークの発達によって、よりいっそう「新自由主義的な競争社会」が加速していくのは間違いなさそうです。

 世界的に、カスタマーセンター業務などは、どんどん賃金の安い国で行われるようになっているようですし。

 処理しきれないほどの知識を得られる喜び、はあるかもしれないけれども、必ずしもこれまでの日本人にとって「生きやすい時代」になっていくとは限らないのです(むしろ、その逆になりそう)。

 また、「叩かれそうな意見でも言うべきか?」という質問に対して、津田さんはこう答えておられます。

 批判や炎上を引き受ける覚悟はジャーナリストだからできることでもあって、そうでない人はどうすればいいか。

 いろんな考え方があると思うのですが、ぼくは何かを発言するときに「叩かれない」ことを目的にすべきではないと思っています。まずは自分に、叩かれてでも言いたいことなのかどうかを問うてみる。そのうえで、どうしても言いたいなら言う。ソーシャルメディアでは、発信すればするほどリターンが多くなるので、ぼくは基本的にどんどん発言すべきだと思っています。

 自分の意見を表明しても命まで取られることは現在の日本であればめったにないし、ツイッターはタイムラインが流れていくので、長期にわたって粘着されることも少ないと思います。どうしても伝えたいことがあるなら、少数派であることは気にしないほうがいいんじゃないでしょうか。すべての人とはわかりあえないことを知るのも重要なのです。

 命まで取られることは「めったにない」という言葉の裏には「ただし、そういうリスクもゼロとは言い切れない」という覚悟もあるのだと思います。

 それでも言いたいことなら、言うべきなのだ、と。

 そして、発信しなければ、反応も得られない。

 ソーシャルメディアで発信を続けていくためには「覚悟」と「割りきり」が必要なのでしょう。

 津田さんくらいフォロワーが大勢いる人にとっては、それは、並大抵の「覚悟」ではないのだろうけど。

 ツイッターでのフォロワーの増やしかた、や「ツイッターでしつこく絡んでくる人への対処法」など、けっこう実践的な話も書かれていて、参考になりました。

 いやまあ、書かれているのは「裏技」的なものではなくて、「王道」なんですけどね、基本的には。

 ツイッターやフェイスブック、mixiなどを日常的に利用している人は、一度は目を通しておいたほうが良い本ではないかと思います。

 大部分の人が、無事にネット生活をおくっていられるのは「リテラシーがあるから」じゃなくて、「運が悪くなかっただけ」なんですよね、実際は。

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