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- 2014年02月12日 04:28
日本は右傾化したのか
〔下記の論攷は、昨年末に「日本は右傾化したのか」というテーマで行われた共同通信記者によるインタビューです。今年に入ってから、地方紙に配信されました。分かっているところでは、岩手日報、秋田魁、山形、茨城、千葉日報、山梨日日、新潟、福井、岐阜、中国、南日本、山陰中央、高知、熊本日日で掲載されたそうです。〕
―右傾化しているのか。
「安倍晋三首相が高い支持率を得ていることが社会全体の右傾化を示している。経済政策であるアベノミクスへの期待が大きいが、右翼的な言説に対する支持も少なくない。民族を理由に差別の言葉を投げつけるヘイトスピーチ(憎悪表現)やネット右翼の活動など拝外主義的なナショナリズムの高まりもある」
―社会全体の動きか。
「国民は2009年に民主党政権を選んだが、裏切られてがっかりした人が多くいる。その反動もあって安倍首相に対する支持率は高い。右よりの世論は一部とはいえ、ネットなどで発信力を持っている。中国や韓国との緊張に危機感を強めている人もいるだろう」
―右翼的な人とは。
「自分の状況が厳しく将来に対する展望や希望を持てない人が、憎しみを他の人に向けており、現実逃避の面がある。政治に異議申し立てや抵抗するのではなく、権力に擦り寄ったり、弱者を攻撃したり、憎んだりすることで自らに対する癒し、慰めを得ようとしているのではないか」
―安倍首相の評価は。
「内閣としては、歴史認識や従軍慰安婦の問題について、歴代政権の謝罪の談話を踏襲しているものの、本人は植民地支配への反省も謝罪の意思もないように見える。先の戦争を侵略戦争と認めていない。海外から『右翼の軍国主義者』と見られてもしかたないだろう」
―中韓との関係改善を図っている。
「『対話のドアは常にオープンにしている』と首相は言っている。しかし、(中に)入ると何をされるのか分からないという警戒感を持たせるようなこともやっている。歴史認識や靖国神社への対応がそうだ。確かに終戦記念日には靖国神社に参拝していないが、私費で玉串料を奉納し一部の閣僚の参拝を黙認した。年末には自ら靖国参拝している。A級戦犯が合祀(ごうし)されており、中韓が反発することは分かりきっている。批判されると分かっているようなことはせず、首脳会談ができるような環境を自ら整えるべきだ」
―領土問題がネックになっているのでは。
「かつての“仮想敵国”で北方領土の問題があるロシアとの関係は良好だ。首脳会談も頻繁で経済協力もなされている。領土問題があれば必ず緊張が高まるというわけではない。中韓とも国内での求心力を高めるために対立を利用している面もある。利用されるような緊張関係を生み出さないように日本は、外交努力すべきだ」
―政策については。
「軍事力重視の軍国主義的な色彩の強い政策の展開が目立つ。外交・安全保障政策の司令塔となる国家安全保障会議(日本版NSC)の創設、特定秘密保護法の制定、軍事費の増額、集団的自衛権の行使容認の準備、積極的平和主義などがそうだ。憲法改正や国防軍の創設も打ち出している。『安倍首相は戦争をする気ではないか』と受け取られるようなことを次々としている」
―改憲は自民党党是だ。
「安倍首相までの自民党総裁は改憲を口にしても、実際にそのための法的な整備に着手しなかった。安倍首相は1次内閣の07年に憲法改正の是非を問う手続きを定める国民投票法を制定した。自民党の憲法改正草案、特定秘密保護法や教育改革も、国家の力、国権を強化する方向を明確に示している。平和・民主国家としての在り方が、大きく変わらないか心配だ」
―右傾化しているのか。
「安倍晋三首相が高い支持率を得ていることが社会全体の右傾化を示している。経済政策であるアベノミクスへの期待が大きいが、右翼的な言説に対する支持も少なくない。民族を理由に差別の言葉を投げつけるヘイトスピーチ(憎悪表現)やネット右翼の活動など拝外主義的なナショナリズムの高まりもある」
―社会全体の動きか。
「国民は2009年に民主党政権を選んだが、裏切られてがっかりした人が多くいる。その反動もあって安倍首相に対する支持率は高い。右よりの世論は一部とはいえ、ネットなどで発信力を持っている。中国や韓国との緊張に危機感を強めている人もいるだろう」
―右翼的な人とは。
「自分の状況が厳しく将来に対する展望や希望を持てない人が、憎しみを他の人に向けており、現実逃避の面がある。政治に異議申し立てや抵抗するのではなく、権力に擦り寄ったり、弱者を攻撃したり、憎んだりすることで自らに対する癒し、慰めを得ようとしているのではないか」
―安倍首相の評価は。
「内閣としては、歴史認識や従軍慰安婦の問題について、歴代政権の謝罪の談話を踏襲しているものの、本人は植民地支配への反省も謝罪の意思もないように見える。先の戦争を侵略戦争と認めていない。海外から『右翼の軍国主義者』と見られてもしかたないだろう」
―中韓との関係改善を図っている。
「『対話のドアは常にオープンにしている』と首相は言っている。しかし、(中に)入ると何をされるのか分からないという警戒感を持たせるようなこともやっている。歴史認識や靖国神社への対応がそうだ。確かに終戦記念日には靖国神社に参拝していないが、私費で玉串料を奉納し一部の閣僚の参拝を黙認した。年末には自ら靖国参拝している。A級戦犯が合祀(ごうし)されており、中韓が反発することは分かりきっている。批判されると分かっているようなことはせず、首脳会談ができるような環境を自ら整えるべきだ」
―領土問題がネックになっているのでは。
「かつての“仮想敵国”で北方領土の問題があるロシアとの関係は良好だ。首脳会談も頻繁で経済協力もなされている。領土問題があれば必ず緊張が高まるというわけではない。中韓とも国内での求心力を高めるために対立を利用している面もある。利用されるような緊張関係を生み出さないように日本は、外交努力すべきだ」
―政策については。
「軍事力重視の軍国主義的な色彩の強い政策の展開が目立つ。外交・安全保障政策の司令塔となる国家安全保障会議(日本版NSC)の創設、特定秘密保護法の制定、軍事費の増額、集団的自衛権の行使容認の準備、積極的平和主義などがそうだ。憲法改正や国防軍の創設も打ち出している。『安倍首相は戦争をする気ではないか』と受け取られるようなことを次々としている」
―改憲は自民党党是だ。
「安倍首相までの自民党総裁は改憲を口にしても、実際にそのための法的な整備に着手しなかった。安倍首相は1次内閣の07年に憲法改正の是非を問う手続きを定める国民投票法を制定した。自民党の憲法改正草案、特定秘密保護法や教育改革も、国家の力、国権を強化する方向を明確に示している。平和・民主国家としての在り方が、大きく変わらないか心配だ」



