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無人ヘリ(Drone)の商業利用に一石投じた地ビール会社

昨年12月に無人超小型ヘリのDroneについて2回、取り上げました。最初の記事では、Amazonの、緊急時に薬などを必要な場所に素早く届けるDroneのビデオを紹介しましたが、これは、構想段階のものでした。

しかし、この冬、米国・ウィスコンシン州Stevens Pointにある地ビール会社Lakemaid社は、同社の冬バージョンのLakemaid Frosty Winter ラガービールを、氷結した湖の上で釣りをする人にDroneで届けるサービスを始めることにし、YouTubeにその模様を映したビデオをアップしました。

ビデオをご覧になれば分かりますが、電話で注文を受けた酒屋は、12本入りの缶ビールパックをDroneにぶら下げ、湖上のあちこちに建つ簡易小屋やトレーラーのそばまで”空輸”するというわけです。そのPRをYouTubeで始めたのが先月24日のこと。その数日後、FAA(Federal Aviation Administration:連邦航空局)からLakemaid社に電話がかかってきました。

各種の報道を総合すると、「Droneの商業利用については現在、検討を進めている段階で、現時点では認められない」というのがFAAの主旨だったようです。やむなく、同社はこのサービスを中止しますが、何時になるか分からない、FAAの「商業利用解禁」を待つだけでなく、別の行動に出ます。

FAAの禁止命令を受けて数日後の先月30日、すかさずオバマ大統領への請願(petition)に出たのです。これは、大統領に書面で出すものではなく、ホワイトハウスのサイト内にある<We the People>という請願専門のページに登録することで実現します。このページには「修正憲法1条により、請願することは、だれにも保証されている」とあります。

請願の題名は「Force the FAA to issue an Airworthiness Certificate for Beer Drones (BUAV’s)」というものです。「FAAがビール配達用のDroneに耐空性証明を出すように措置せよ」。BUAVとは<Beer Unmaned  Aerial Vehicle>の略。

請願書の中味は「苦労して作った革新的なビジネスを潰すな。FAAは、小企業による製品配達や経済成長を止めるような当事者資格などないはずだ」といった挑戦的なものです。

で、この請願をホワイトハウスがどう扱うかですが、国民全員に請願を認めているのですから、いちいち構っていたらいくらお役人がいても間に合わないでしょう。そこで、2段階のハードルを設けています

最初のハードルは、「30日以内に150人のオンライン賛成署名を獲得すること」です。これをクリアすると、ホワイトハウスのサイトwhitehouse.gov内で検索対象になります。

で、次のハードルはいきなり高くなって「30日以内に10万人のオンライン署名」これをクリアして初めて、ホワイトハウス(日本で言えば首相官邸)から、各省庁に「善処せよ」という指令が出るということのようです。ちなみにこの第二ハードルは、以前は2万5千人だったのが、1年前に10万人に引き上げられました。

さあ、そこでLakemaid社の請願への署名はどうなっているか。署名数は10日午後の段階で1579人。一つ目のハードルは楽に越えましたが、「FAAへの善処指示」が出されるまでには9万8421人、足りません。私も及ばずながら、昨日、whitehouse.govで登録し、署名しました。1571番目。フルネームでなくイニシャル「N.S」と出ています。1日で8人しか増えてない!

10万人は絶望的ですが、Lakemaid社のFacebookページでタイムラインを辿ると、今月初め以来、ほぼあらゆる大手テレビ局でニュースや特集として取り上げられたことが分かります。支持するファンも多いよう。その意味で、Lakemaid社の試みは、Droneへの国民的関心を高め、その商業利用前進に向けての一石になったように見えます。

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