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- 2010年06月24日 18:03
「中国人民元改革」にちょっと待った!〜切り上げは世界経済にとって良いことなし
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G20サミット
サミット参加者に書簡で
人民元改革促し
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▼中国人民元を切り上げても、世界にとって良いことはない
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米政府は18日、26日からカナダで開く20カ国・地域(G20)首脳会議
(サミット)の参加者に対し、オバマ米大統領が書簡を送ったと発表しました。
大統領はその中で、「市場原理に基づく為替相場が不可欠だ」と指摘し、人民元改革が必要だとの認識をにじませています。かつて米国はプラザ合意で日本に対して、今の中国に対するのと同じように、半ば強引に「日本円を強く」させました。
それに対して日本は正しい対応が取れず、プラザ合意の85年以降、日本経済は混迷の時期へと突入し、結果的にはバブル経済に陥ってしまいました。
では、その結果として米国経済は回復したのかといえば、そんなことはありませんでした。だから私に言わせれば、単なる「余計なお世話」だったのです。これは今の中国人民元についても同じことが言えるでしょう。
そして現状を見ると、人民元がこれ以上高騰する余地はないと私は見ています。現在、中国では人件費が上昇しています。
この状況でさらに人民元まで切り上げられてしまうと、世界の生産基地として機能している中国の力が急激に衰えてしまうでしょう。これは世界中のいずれの国にとっても得策ではありません。
中国人民元を切り上げることで中国の競争力が失われたら、米国から流出した産業が米国に帰ってくるとオバマ米大統領は思っているのでしょう。
それゆえ、中国への圧力を強めているのだと思います。しかし残念ながら、一度流出した産業が米国に戻ることはありません。実際、かつて日本円が高騰した後、米国に戻った産業はなく、日本からさらに中国やベトナムなどに移動しただけでした。
人民元を正常化したら米国の経済・産業が競争力を持つ、というのは錯覚です。この点についてもっと世界は米国に対して主張すべきだと私は思います。
主要通貨に対する人民元の騰落率を見ると、「対ドル」の人民元は06年から08年にかけて上昇していたものの、この数年は横ばい状態になっています。
おそらく今のタイミングで中国側が人民元の切り上げについてコメントをしているのは、「横ばい」状態について米国からの圧力をかわしたいというだけだと思います。
※「主要通貨に対する人民元の騰落率」チャートを見る
今、中国人民元を完全フロート制度に移行したら、どのような事態を招くでしょうか?
おそらく世間は「人民元が安すぎる」という認識を持っていますから、一気に「元高」に振れると思います。「1ドル4元、5元」というレベルまで行くかも知れません。
そうなると中国の実体経済はそこまで強くないと判明し、そこから今度は逆に「空売り」する人が続出します。
これは90年代にペソが暴落した「メキシコ」と同じ状況です。そして結果として、中国人民元は乱高下するようになってしまいます。
この影響は中国だけに留まりません。現在、貿易相手国として「中国が第1位」という国はたくさんあります。中国経済が不安定になると、そうした国にも影響が出てくるでしょう。
世界経済にとっても何ら得なことはないと私は思っています。人民元は、中国国内の人件費やコストとの兼ね合いを見ながら、徐々に適正な価格へと導くようにコントロールするべきです。
サミット参加者に書簡で
人民元改革促し
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▼中国人民元を切り上げても、世界にとって良いことはない
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米政府は18日、26日からカナダで開く20カ国・地域(G20)首脳会議
(サミット)の参加者に対し、オバマ米大統領が書簡を送ったと発表しました。
大統領はその中で、「市場原理に基づく為替相場が不可欠だ」と指摘し、人民元改革が必要だとの認識をにじませています。かつて米国はプラザ合意で日本に対して、今の中国に対するのと同じように、半ば強引に「日本円を強く」させました。
それに対して日本は正しい対応が取れず、プラザ合意の85年以降、日本経済は混迷の時期へと突入し、結果的にはバブル経済に陥ってしまいました。
では、その結果として米国経済は回復したのかといえば、そんなことはありませんでした。だから私に言わせれば、単なる「余計なお世話」だったのです。これは今の中国人民元についても同じことが言えるでしょう。
そして現状を見ると、人民元がこれ以上高騰する余地はないと私は見ています。現在、中国では人件費が上昇しています。
この状況でさらに人民元まで切り上げられてしまうと、世界の生産基地として機能している中国の力が急激に衰えてしまうでしょう。これは世界中のいずれの国にとっても得策ではありません。
中国人民元を切り上げることで中国の競争力が失われたら、米国から流出した産業が米国に帰ってくるとオバマ米大統領は思っているのでしょう。
それゆえ、中国への圧力を強めているのだと思います。しかし残念ながら、一度流出した産業が米国に戻ることはありません。実際、かつて日本円が高騰した後、米国に戻った産業はなく、日本からさらに中国やベトナムなどに移動しただけでした。
人民元を正常化したら米国の経済・産業が競争力を持つ、というのは錯覚です。この点についてもっと世界は米国に対して主張すべきだと私は思います。
主要通貨に対する人民元の騰落率を見ると、「対ドル」の人民元は06年から08年にかけて上昇していたものの、この数年は横ばい状態になっています。
おそらく今のタイミングで中国側が人民元の切り上げについてコメントをしているのは、「横ばい」状態について米国からの圧力をかわしたいというだけだと思います。
※「主要通貨に対する人民元の騰落率」チャートを見る
今、中国人民元を完全フロート制度に移行したら、どのような事態を招くでしょうか?
おそらく世間は「人民元が安すぎる」という認識を持っていますから、一気に「元高」に振れると思います。「1ドル4元、5元」というレベルまで行くかも知れません。
そうなると中国の実体経済はそこまで強くないと判明し、そこから今度は逆に「空売り」する人が続出します。
これは90年代にペソが暴落した「メキシコ」と同じ状況です。そして結果として、中国人民元は乱高下するようになってしまいます。
この影響は中国だけに留まりません。現在、貿易相手国として「中国が第1位」という国はたくさんあります。中国経済が不安定になると、そうした国にも影響が出てくるでしょう。
世界経済にとっても何ら得なことはないと私は思っています。人民元は、中国国内の人件費やコストとの兼ね合いを見ながら、徐々に適正な価格へと導くようにコントロールするべきです。



