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日米関係と日中関係を考え直すのに欧州を参考にする

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普天間基地問題のときに、米軍基地を縮小するのはアメリカにとっても魅力的な提案でした。アメリカは超大国とはいえ、今世紀には相対的な衰退は避けられません。力の充実している今のうちに余計な負荷を減らして、将来に備えたいのです。アメリカの抱える主な余計な負荷は、イラク、アフガニスタンの米軍です。これを再編するのが死活的に重要なのです。それに比べれば在日米軍の問題は些細な問題です。

オバマ大統領とすれば、イラクとアフガニスタンから撤退した上に、さらに日本からも撤退すれば、弱腰として非難を受けることになるため、それは避けたいはずです。日本としても在日米軍の縮小という日本の政治的成功が、オバマ大統領を苦しめる結果になってしまっては本末転倒です。そんな理由で普天間基地問題は手付かずのまま放置されたのかもしれません。

(この教授もアメリカ国内では、弱腰、理想主義者と批判されているんでしょう。「せっかく従順な子分の基地を縮小するなんて」と。世界に軍隊を送って力を誇示することがアメリカの繁栄につながるという従来路線派が、結局は米国の体力を余計に消耗させ、パクス・アメリカーナの寿命を縮めることになるのでしょうか。)

日中関係の進展が重要



普天間基地問題において、対米従属を改める可能性と絡めて、日中関係を議論することはしませんでした。対米従属を改める議論をした後、日中関係を議論すると、従来路線派の妄想の中の媚中の姿と重なりすぎるため、自重しました。

以下の引用では、中国対策へも言及されています。
質問)それでは日本の安全保障を強化するにはどうすればよいのか。

日米協力の他、アジア地域の国際機関などを通して新しい協力体制づくりを働きかけることだ。たとえばASEAN地域フォーラム(ARF)などをうまく利用していけば、すぐにNATOのような安全保障体制にはならなくても、長期的にはアジアの協力体制につながるのではないか。中国の台頭が目に見えており、10年〜20年後には中国の時代になるのは明らかだ。そうなるのを待たずに早く中国を多国間のフレームワークに巻き込むことが大切だ。そうすれば中国が強くなっても、日本は困らないで済む。

このあたりはバカ、ルーピーと一顧だにせず打棄てられた鳩山氏の「東アジア共同体」構想に似ています。

まとめ



対米従属を抜けて、地域の安定と調和に尽力する方向性を、正解と断定するわけではありませんが、一刀のもとに葬り去るほど程馬鹿げ考えでもありません。

アジア地域と安定と調和がどれぐらい、日本の幸福と繁栄をもたらすものなのかは、アメリカを参考にすることはできないでしょう。むしろ欧州地域における安定と調和が、EUの構成国にどれぐらいの利益をもたらしているか見るのがいいのではないでしょうか。欧州に一度でも来たことがある人は、良い事も悪い事も含め、自分の目でみえた欧州の風景を理解して日本に伝えるようになればいいなと思います。

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