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原発説明番組での「九電やらせ」発覚で生じた2つの疑念

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1.九州電力の「やらせ」(あるいはそれに類似した行為)は今回が初めてなのか?

(1)経済産業省は、先月(2011年6月)26日(日)、佐賀県においてケーブルテレビ等を利用した「玄海原子力発電所 緊急安全対策 県民説明番組」を放送した。
(これ自体について、色々問題があるが、ここでは取り上げない。)

(2)この「説明番組」で、九州電力が関係会社の社員らに運転再開を支持する文言の電子メールを番組に投稿するよう指示していたことが今月初めに報じられた。
その際、九州電力はその事実を否定していた。
2011年7月2日(土)「しんぶん赤旗」
九電が“やらせ”メール
玄海原発再稼働求める投稿  関係会社に依頼  国主催の説明会

 九州電力玄海原子力発電所(佐賀県玄海町)2、3号機の運転再開に向け、経済産業省が主催した佐賀県民への「説明番組」で、九電が関係会社の社員らに運転再開を支持する文言の電子メールを番組に投稿するよう組織していたことが、1日までに関係者の証言や内部文書などでわかりました。県民の原発への疑問や不安に答える番組で、九電が“やらせ”メールを組織することは県民の世論をゆがめることになり、重大な問題です。
 地元ケーブルテレビやインターネットで視聴できる説明番組「しっかり聞きたい、玄海原発」は6月26日に生中継で行われました。番組は、同省原子力安全・保安院や資源エネルギー庁の職員4人と大学教授が、国側が選んだ県民代表7人に安全性の説明や疑問に回答するというもの。
 関係者の証言などによると、番組前の23、24日に九電の関係会社の社内ミーティングや社内文書で、「九州電力から、このようなお願いが来ている」として、「(原発の)運転再開に賛成する電子メールを放送時間中に番組に送れ」と指示が出されました。
 その際、関係会社の管理職は「自宅からインターネットに接続して、番組の流れにあわせて運転再開を容認するメールを送るように」と方法を説明。文言について「一国民の立場で意見や質問を書くように」と、求めたといいます。
 26日の放送では、放送中に届いた視聴者からの11通の電子メールやファクスが読み上げられました。その中では、「福島の事故の収束見通しがつかない中で、運転再開すべきでない」とする反対意見がある一方、「原発廃止で産業が海外流出し、子どもたちがどうなるのか、次の世代のことが心配」などといった容認論も目立ちました。

 資源エネルギー庁によると、同番組にはメールが473件、ファクスが116件よせられたといいます。九電の関係会社は福岡など九州各地にあります。ファクスでは、佐賀県外からの投稿が発覚してしまうため、電子メールでの投稿を呼びかけたものとみられます。
 本紙の取材にたいし九州電力は「そのようなことを関係会社に依頼するようなことは一切しておりません」としています。
 玄海原発2、3号機は定期検査のため現在、停止中です。

許せない誘導
 日本共産党の武藤明美県議の話 県民の率直な疑問に答えるべき番組が、運転再開の容認のために、九電関係者の声で誘導しようとするのはとんでもないことです。実際に番組を見た県民から不満もあがっています。この番組が県民への説明にならなかったことは明らかだと思います。

(3)ところが、九州電力は一転して「やらせ」事実を認め、一応謝罪した。
2011/07/06 21:29 【共同通信】
原発説明番組で九電やらせ 運転再開支持の意見要請

 玄海原発の再稼働「説明番組」でのやらせメール問題で、記者会見する九州電力の真部利応社長=6日夜、福岡市中央区の九州電力本店
 九州電力は6日、玄海原発(佐賀県玄海町)2、3号機の再稼働に理解を得るため経済産業省が主催、6月26日にインターネットなどで中継した県民向け「説明番組」で、関係会社が社員らに対し、一般市民を装って運転再開を支持する意見を寄せるよう指示していたことを明らかにした。公平性が担保されるべき説明会で、当事者である九州電力が偏った意見形成を意図していたことに批判が起こるのは必至だ。
 真部利応社長は6日、福岡市の本店で記者会見し「投稿をお願いしたのは間違いない。国の説明会の信頼を損ね申し訳ない」と謝罪した。
(4)九州電力の「やらせ」メールの噂は、番組前からあり、インターネット上などで書き込みがなされていたという。
スポーツニッポン[ 2011年7月6日 23:30
九州電力「やらせ」番組前からうわさ…ネットに書き込み

 玄海原発再稼働に向けた説明番組をめぐる九州電力の「やらせ」については、番組が中継された6月26日以前からインターネット上などで疑惑がうわさされていた。

 「明日の説明会で、九電がグループをあげて佐賀県民を装って発電再開容認のメールを送るよう業務命令が出されている」。6月25日、ネット上にこんな情報が書き込まれた。
 参加の仕方などが詳しく記されていたため、報道各社が九電側に事実関係を問い合わせたが、広報が否定。だが、うわさは消えず、共産党の日刊機関紙「しんぶん赤旗」は7月2日付で「九電が“やらせ”メール」などと報じていた。
 一方、九電の真部利応社長は6日の記者会見で「私が知ったのは今日だ」と述べ、問題を認識したのは6日の衆院予算委員会での質疑がきっかけだったと強調した。
(5)この問題について、海江田万里経済産業大臣は、国会で「言語道断の行為」などと答弁した。
毎日新聞 2011年7月6日 21時24分
九電やらせメール:海江田経産相「言語道断、極めて遺憾」

 九州電力が協力会社にインターネットで原発の運転再開を支持する意見を寄せるよう呼びかけていた問題で、海江田万里経済産業相は6日、「さまざまな立場の方々から寄せられる率直な意見、質問に答える番組の趣旨を根本から損なう言語道断の行為で、極めて遺憾」との談話を発表。眞部利應九電社長に対し、資源エネルギー庁長官から厳重注意するとともに、原因究明と再発防止策の報告を指示した。

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