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勇気をもって投資運用を継続せよ!

ここ数週間、株式も為替も軟調な展開が続いている。

わが国の年末年始の経済・金融業界の予想では、今年も概ね株式市場(日経平均株価18000円)も為替市場(1ドル=110円)も堅調、という強気のコメントばかりがめだっていたが、ここ最近は新興国経済の脆弱さが露呈し、幾分世界中の株式市場が乱高下している。

新興国経済(中国やインド、ブラジル、トルコ、インドネシアなど)が軟調というのはこういうことである。それぞれの国の事情は幾分異なるのだが、昨年より米国の景気が絶好調で雇用環境も非常に回復してきている。

そこで米国の中央銀行(FRB)は2008年リーマンショック時から継続してきた金融緩和(FRBが景気を良くするために、ドル札をドンドン世の中にばら撒いた)をそろそろやめようかと思案し始めたために今回の新興国の経済が混乱し始めているのである。

クライアントセミナーでも良くお話しするように、景気が悪くなると、特にリーマンショックのような暴力的な景気後退に見舞われるとどこの国でも中央銀行がお札を刷りまくって世の中にお金を大量に供給する。現在、日本でも昨年から日本銀行の黒田総裁が異次元の金融緩和を宣言したのもこれに当たる。

世の中に大量にお金が出回ると、そのお金はお金を求め動き回る(資本主義の社会においては常々お金はお金を追い求め、リターンを確保しようとする)。その膨大なお金が新興国に流れ込み、新興国の株式や不動産はもとより、新興国の経済全体を押し上げるのである。

しかし、それと同時に大量にお金が出回るために新興国のモノやサービスの価格までも同時に押し上げられると言うデメリットも発生する。

モノやサービスの価格が押し上げられると当然、金利も押し上げられることになり、新興国経済の舵取りが非常に難しくなるのである(金利が上がるとお金が借りにくいために、あるいはお金を借りるコストが上昇するために景気に冷や水を浴びせることになる。一方で金利を上げなければモノやサービスの価格が急激に上がり、国民生活を圧迫することにもつながるのである)。

今回、米国の景気が本格回復すると予想される中で、金融緩和を終了させ、お金の回収を始めようとしている(ばら撒いたお金はばら撒いたまま放置はできない。当然いつかは大量にばら撒いたお金を回収する時期が来るのである)。

本格的なお金の回収が始まれば、当然新興国に大量に流れ込んだお金も回収されることになり、経済規模が小さく(株式などの市場規模も小さい)、いまだ先進国などと比べ脆弱な新興国経済は大きな打撃を受けることになるのである。お金が回収されるため新興国においては株式は売られ(株価が下がる)、為替も売られ(新興国通貨が安くなる、すなわち先進国通貨のドルや円が高くなるということ)、不安定極まりない状況になる。

1990年代の後半に発生したアジア通貨危機やロシア危機は今以上に経済が脆弱であったために当時は大混乱を招いたのである(当時はタイの通貨バーツが大暴落し≪血塗られたバーツ≫などと市場では言われた)。

今は90年代後半ほど新興国経済は弱くないとは言うものの、米国の金融緩和縮小はさまざまな問題を抱え、これからそれらを乗り越えていかねばならないのである。これは米国のみに関わらず、リーマンショック時、すべての国が(ドイツもフランスも、そして中国も)大量にお札をばら撒いたので、本格的な景気の回復が見込まれる国から順番にこうしたことが発生してくることを十分に認識しておかねばならない。

日本でもいずれそうした時期が到来する。

2月1日から米国の中央銀行(FRB)総裁が任期満了で交代する。8年任期を全うしリーマンショックと言う歴史的大パニックを収束に導いたバーナンキ議長からイエレン議長に交代する。イエレンさんは米国初の女性の中央銀行総裁である。彼女の手腕に上記のことすべてがかかっていると言っても過言ではない。クライアントの皆さん、要注目である。

ここでクライアントの皆さんには強くメッセージを発しておきたい

今、株式が乱高下し、仮に一時的に大暴落しても(週刊誌などには2月危機説なんて見出しが飛び交っている)、決して慌ててはいけません。

今現在、投資信託や変額保険の運用成績が一昨年以降、好調で、すこぶる財産が殖えていると思います。

そうすると殖えた財産を減らしたくない! という気持ちと、ここ最近の世界中の株式市場(株価の下落)、為替市場(円高)の乱高下、で【不安病】が再発し、ここ何年も使う予定のない投資運用資金を引き上げたり(解約出金したり)、積立停止したりという愚かな行為を極力回避してほしい。

いいですか!

上記に解説したようにリーマンショック以降、この5年間は異常事態、イレギュラーな状況下が継続していたからこそ、各国の中央銀行がとんでもないほどのお金をばら撒いたわけです。その恩恵で少しばかり株価が上昇していたのです。

景気が今後本格的に回復する可能性が出てきたので、この異常事態から一日でも早く脱出するために、金融緩和が縮小し、終了するのです。世界経済、もっと言えば世の中の人の暮らしが良い状態、正常な状態に戻れば、中央銀行がお金を大量にばら撒くようなことはしません。 今後、ばら撒き放題ばら撒いたお金を回収するプロセスの中で、一時的に不安定になることはあるでしょう。しかし、これは正常な状態に戻るためのプロセスであって、それを恐れてはいけません。

今の市場の乱高下を悲観しないでください。これまでの偽りの世界(お金をばら撒き放題ばら撒き、経済がこれから少しばかり明るくなるだろうという期待だけが先行した世界)で上昇した株価ではなく、正常化する中で(実体経済が本格的に回復してくる世界への移行)、今後上昇してくるだろう資産の増大局面を絶対に、絶対に逃さないでください。

深呼吸して、冷静に対処してください。

いつも教えていることをここで是非実践していただきたいと思います(使う資金は元本保証の貯蓄、使わない資金はリスクを取って投資運用してください)。

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