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外務省担当課長からの第一報でわかった「今年のアングレーム国際漫画祭のテーマ「戦争による被害や抑圧」を戦略利用した韓国外交と「民間のこと」と放置した日本外交

 あまりにも構造的な問題なので、今の大使や公使、外務省担当者を責めるだけでは解決にならない、との思いを強くしつつ、第一報です。

フランスの報道ぶりに関し、地元紙Sud-Ouest紙の電子版が、チョ・ユンソン女性家族部長官のアングレーム来訪、一連のイベントについて報じています。基本的に「歓迎」です。
原文
http://www.sudouest.fr/2014/01/30/une-ministre-sud-coreenne-a-angouleme-premiere-dans-l-histoire-du-festival-1446384-813.php

・シュッド・ウエスト紙(地方紙)(30日付,電子版)
「韓国の閣僚がアングレーム入り,漫画フェスティバル史上初」(パトリック・ルイス記者,アングレーム発)

 従軍慰安婦に関する韓国の展示を認めているアングレーム漫画フェスティバルは,日韓関係の悪化の一因となっているこの問題で板挟みの状態にある。

 「枯れない花」は,第二次世界大戦中に日本軍の売春宿に強制連行(enrolees de force)された従軍慰安婦を題材にした,非常に良くできた展示である。

 30日,チョ女性家族部長官は,この展示のオープニングのためにアングレームまでやって来た。アングレーム市のフィリップ・ラヴォー市長によれば,「アングレームが光栄にも外国政府の閣僚による訪問を受けるのは,初めて」とのことである。

 そして何と言っても,アングレーム漫画フェスティバルが,図らずして日韓関係悪化の一因となっている問題の渦中に身を置かれるのも,今回が初めてである。このイベントの主催する民間企業ヌヴィエム・アール・プリュスは,この難しい状況に勇敢に立ち向かっている。漫画フェスティバルのフランク・ボンドゥー代表は,「我々は,漫画家に表現の機会を与えているのであり,それは作品を展示する漫画家に対してのみのことである。」と話し,フェスティバルと韓国,そしてフェスティバルと日本とを結ぶ絆について語ることも忘れなかった。

 30日朝には,多くのアジアのプレス関係者がアングレームに押し寄せ,その中では韓国のテレビ局だけでなく,日本のテレビ局も目立っていた。
 これだけでも、読者の皆さんの怒りが沸騰しそうですが、これでもかつての外務省よりは手厚い対応なのですが、韓国側の展示内容の中身を薄めるべく、抗議を日本大使館と外務本省がらフランス外務省に行ったそうです。

 そして、その結果?韓国側がパリで記者会見することは、中止にできたようです。しかし、日本の展示を行った方々からの報告にあるように、日本の展示は漫画祭事務局のアジア担当に持ち去られ、記者会見も遮られたのに、韓国側は、そもそも政府後援(はじめは主催だったそう)の大掛かりな展示で二箇所に展示があり、一箇所で記者会見も行えた。

 その判断の理由は、駐仏日本大使館の公使が「アジア担当」から最初に聞いた言葉を借りれば、「日本の展示にある「従軍慰安婦問題は無かった」という表現は、「ネガショニスト」(外務省に説明によると、ホロコーストやガス室の存在を否定する考え、例示として南京大虐殺は無かったというのも入るそう)、だったとのこと。

 つまり、日本の展示が日の丸2つの間にフランス語と英語で「いかにフィクションが事実にされてしまったか」と書いて、従軍慰安婦の存在を否定していることが、絶対に×なのだそうです。

 大使館も外務省も、日本の展示をされているた方々に公使が同行するなど、従来よりは踏み込んだ対応はしていますが、「そもそも日本の展示の漫画の考え方が、日本政府の公式見解と違う」という理由一辺倒で、展示が日本側は全くなくなってしまい、韓国側は、以下に示したような文章を入り口に掲示して、行われている、という状態を今現在まで容認してしまっているのです。

 一応、日本の公式スタンスを記した紙を、事務局やブースでは配布している(後刻、ブログにアップします)とのことですが、20万人の来場者のうち、画像もない紙を、どの位の割合の方が読んでくれるでしょうか???

 駐仏日本大使館の公使は、日本の展示者と色々相談しようとした、とのことですが、私には画像でみせてくれた「日本の持ち去られた展示」をこのブログで公開することも、「展示者に聞いてみないと」と、現時点ではできません。

 このブログをご覧になったら、展示しようとした内容を、ネット上に掲示してください。
 外務省は、展示しようとしたパネルの一つ(漫画の1コマ)にナチスのハーケンクロイツマークがついているからいけなかったのでは、と言っていましたが、「漫画のどういう流れでこのマークが出てきたのかわかって言っているのか」、との私の問いには答えられませんでした。
 
 文句だけ言っている時間はなく、少しでも日本の展示が復活できたほうが、来場者の誤解は減りますから、早速展示者と打ち合わせ、漫画祭事務局が認めるものだけでも展示するようぎりぎりの努力をするよう、要請しました。

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