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オバマ大統領の「一般教書演説」で米衰退の兆しが見えてくる

今回の演説の特徴は、内政を優先していること。外交について費やされた時間が少なく、「世界の警察官」を放棄することが顕著になってきていること。アメリカが「内向き」になるということで、世界の秩序がさらに不安定化する恐れが出てきた。そして、中国や北朝鮮の脅威に言及しなかった。中国はアメリカの弱腰を嗅ぎ取って、アジアでの主導権を握ろうとするだろう。日本にとって危険な兆候である。

支持率の低下、今秋にある中間選挙への思惑から、「大統領令」を活用することを宣言。実績を上げることに焦りが感じられる。政府機関の契約職員の最低賃金を引き上げることを表明し、社会主義的傾向が強くなってきた。別の表現をするならば、バラマキをして「中間選挙」に向けて票を獲得しようとするポピュリズム的になってきたということ。

外交面でアジアについて言及はしているものの、関心はアジアではなく中東にある。しかし、イランの核問題、シリア内戦に対するオバマ政権の取組みは、中東諸国や同盟国に不安を感じさせている。さらに、オバマ的発想では、イラン、シリアからは足元を見られ、両問題を解決させることは難しいのではないか。成果を強調するかもしれないが、現実は妥協と譲歩を繰り返し、問題解決が進展しないことも予想される。結果、アメリカの威信の低下を招きかねない。

TPP交渉妥結への意欲を示したことは歓迎するが、取りまとめるだけのリーダーシップを発揮できるかは未知数。

全般的に、アメリカの強さの根源であった、自由、自己責任、アメリカンドリーム、機会の平等などの自由主義的価値観が希薄になり、格差是正、最低賃金の引き上げ、オバマケアの推進など、社会主義的政策が色濃くなってきている。

本来は、強いアメリカを標榜し、成功者、富裕層を大事にすることで、全国民にやる気と強さと豊かさを浸透させていくことがアメリカらしさだったはず。

共和党がヤキモキする気持ちが理解できる。アメリカがアメリカでなくなりつつあるのだから。

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