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弁護士の就職率と修習辞退率の相関関係について

やや旧聞に属するが、昨年末の一括登録日時点での弁護士未登録者数は推計570人だった。知らない人のため解説すると、司法試験に合格した後、一年間の修習を終え、卒業試験に合格するのが12月半ばであり、合格と同時に、就職が決まっている人は、判事・検事・弁護士のいずれかに登録する。平成25年12月半ば現在、判事にも、検事にも、弁護士のいずれにも登録しなかった人の数は、卒業試験合格者2034人中、570人だったということだ。判事・検事は確定しているので、この570人は弁護士未就職と言うことになる。割合にして28.02%だ。

日弁連は、「前年同時期と同水準」と、暢気なことを言っているが、事態はそう楽観的ではない。この未就職率は、例えば本年度の大学生の未就職率である23.4%より悪いのだ。大学卒業後、4年以上の年数と、数百万円の学費と貸与金を負担し、司法試験不合格のリスクを冒して、なおかつ大学卒業生並みの就職率を確保できない職業を目指す物好きは、そう多くない。現に、法科大学院志望者はもちろん、大学法学部志望者は激減しており、その偏差値も当然下がっている。

つまり、法曹を目指す人材の質は劣化し、司法の権威は急激に色あせている。いいかえれば、知的職業人としての法曹に対する尊敬は、失われつつある。しかし、日弁連は、これを危機と認識することさえ、やめてしまったように見える。

『日弁連新聞』2014年1月号は、「日弁連は、引き続き、」若手法曹センターを中心に、未登録者への採用情報提供、即時独立支援、さらには登録後のフォローアップを続けるとともに、今後の法曹養成・法曹人口の議論において、かかる就職難の状況も踏まえた検討がなされるよう働きかけていく」と述べているが、この文言は、『日弁連新聞』2013年1月号の「日弁連は、今後、法曹養成制度検討会議等において、このような就職難の状況も踏まえた検討がなされるよう働きかけていく」や、2012年1月号の「日弁連は、今後、若手法曹サポートセンターを中心に、未登録者への採用情報提供、即時独立支援等のフォローアップを続けるとともに、今後の法曹養成・法曹人口の議論において、かかる就職難の状況も踏まえた検討がなされるよう働きかけていく」と、ほとんど変わらない。これはつまり、滝川クリステル風に言うと、「う・つ・て・な・し」ということだ。

統計的に不気味なのは、司法試験に合格しながら、司法研修所に行かない人の割合である「修習辞退率」と、就職未定率との相関関係だ。

すなわち、修習辞退率は年々増加しているが、増加率にはばらつきがあり、

平成21年合格者の修習辞退率は1.08%だが、
平成22年合格者の修習辞退率は2.51%と2倍以上になり、
平成23年合格者の修習辞退率は3.01%と2割増、
平成24年合格者の修習辞退率は3.19%と6分増と落ち着き、
平成25年合格者の修習辞退率は3.90%と3割増になっている。

これに対して、就職未定率は、
平成22年合格者の就職未定率は20.09%と、前年度の2倍になり、
平成23年合格者の就職未定率は26.25%と3割増、
平成24年合格者の就職未定率は28.02%と前年比6.7分増と落ち着いている。

この相関関係は、考えてみれば当たり前のことで、修習が1年しかないのだから、司法試験合格者は冷静に自分の将来を見極め、修習しても意味がないと判断すれば修習を辞退するわけだし、その判断の正しさは、就職未定率によって証明されるわけである。

この相関関係が平成25年度合格者にも当てはまるとするならば、平成25年合格者の就職未定率は、前年度比2割ないし3割増、すなわち680人ないし740人となり、就職未定率は3分の1を超えることになる。

日弁連幹部には、12月には就職できなくても、1月、2月とだんだん就職できているから心配ないと豪語する者もいるが、3分の1が12月に就職できないということは、就職した中でも半分は、満足な待遇で就職していないことを意味する。

そして彼らの苦労と愚痴は、彼らの後輩が冷静に観察し、自分の進路を決める材料にしているのだ。

普通に考えて、それでも法曹を目指す若者は、よほどの物好きか、就職が保証されている二世か、どちらかである。

そのような若者が多数を占める組織に、未来がないことは、歴史が証明している事実である。

市場原理により法科大学院が淘汰されるとかされないとか、喧しいが、市場原理により司法試験が受験価値を失う日も、近いかもしれない。

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