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ICTが拓く未来 モバイルワーク

 今月は、6月と7月のこのコーナーで紹介した「佐賀県ICT利活用推進計画」のその後の展開に触れることにする。あらためてこの計画を紹介すると、さまざまな政策課題の解決に、県庁の各担当課がICTをどのように利活用していくかを策定した。期間は平成26年までの2年間で、「ICTで暮らしを守り、未来を拓く。」を基本理念としている。

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 計画では、28項目のすべてに1年ごとに達成すべき数値目標を挙げ、年に2回の評価を行うことにしている。7月の1回目に続き、10月は2回目の評価を行った。すでに年間の目標値を達成する項目も出ており、約8割の項目が順調に推移。年度末までに目標を達成できる見込みとなっている。残る項目についても、評価の際に各担当課と目標を達成するための対策を講じた。

 7月の当欄では「消費者に支持される商業者の支援」によって県内の店舗・業者がショッピングサイトを活用して全国に販路を拡大している事例を紹介したが、今月は組織風土・人材育成グループが情報課や職員課などと取り組んでいる「ICT活用によるワークスタイル変革の推進」について紹介する。

 モバイル端末のiPad(アイパッド)を県内のすべての救急車に配備することで、救急搬送時間を短縮するなど大きな効果を上げ、全国的にも高い評価を得て、既に8県が同じモデルを採用していることはこれまでにも何回か紹介した。県庁内の業務でもこのiPadを使った変革を起こすことに取り組む。

 配布する部門については、庁内への公募に寄せられた提案から100台分の配布先を選定した。保健福祉事務所、農業改良普及センター、茶業試験場、家畜保健衛生所といったデスクワークよりも外に出る業務が多い部門に重点的に配布。これらの部門では、事務所で必要な資料や用紙を印刷して持ち出し、現場で紙などに記録してデスクまで持ち帰り、あらためてパソコンにデータを打ち込む作業が発生していた。

 iPadを導入することで、資料の印刷の時間が削減され(紙の節約にも)、現場でも写真や動画を使ってより分かりやすい説明ができるようになり、その場や移動中などの隙間時間にまとめや報告が行えるようになった。事後処理などのためだけに事務所に立ち寄る回数の削減につながっている。さらに、訪問先についても、iPadのマップの機能で目的地と現在位置がその場で確認できるという効果も大きく、こうした業務の効率化で時間が生まれ、訪問できる件数が増えたり、順番待ちをしていただく日数を減らすことにもつながっている。

 このほか、プレゼンテーションや説明を伴う営業活動を行うことが多い部門でも効果を上げている。配布から3カ月たたない時点であり、今後も各職員が慣れてくるにつれてさらに大きな効果が生み出されるものと楽しみにしている。
もりもと・としお
県最高情報統括監(CIO)。岡山県出身。京都大学工学部卒。宇部興産、ジャストシステムを経て1995年にマイクロソフト入社。米国マイクロソフトにも2年在籍した。2008年から総務省地域情報化アドバイザー。11年4月から現職。50歳。

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