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新年会に見る今年の日本経済

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●セレモニー関連~高齢化時代の有望産業

 そこで最後にご紹介するのは、もっともユニークなセレモニーホール業界(互助会関連)の事例である。こちらも筆者にとっては、「毎年、お馴染み」の新年会である。

 全体として葬儀は小規模化しつつあるが、件数が増えているので、掛け算した結果の売り上げは着実に伸びている。最近ではJAが葬儀事業に本腰を入れ始めており、会員数が多いだけに強敵になるかもしれない。いずれにせよ、少子・高齢化時代が追い風になるというめずらしい業界である。

 最近は身内だけで執り行う「家族葬」が増えている。ただし、単に簡素にすればいいというものでもないらしく、もう少し付加価値をつけて価格を上げる方が喜ばれる、との話を聞いた。サービスはモノとは違い、単純に「安い方が良い」「早いから良い」とは限らない。「少し待たせた方が良い」ことだってめずらしくはないのである。

 葬儀のトレンドとしては、昔に比べると「悲しくないお葬式」が増えているのだそうだ。確かに大瀧詠一氏のようなケースはさておき、「大往生」のお葬式はもっと明るくていいかもしれない。今後は結婚式と同じように、葬儀にも個性化の波が訪れそうである。

 筆者からは「生前葬」のようなイベントを流行らせたらどうですか、と提案してみた。これは三菱商事OBの作家である河村幹夫氏が実践し、近著『人生は65歳からがおもしろい』(海竜社)の中で紹介している事例である。

 「私の生前葬に来てください」と言っても、普通の人は躊躇するだろう。そこで河村氏は古希を迎えた際に、長年お世話になった人に感謝をする会を企画した。「高い席からの挨拶は一切なし」「日曜日の午後4時から7時まで。好きな時に来て帰ってよい」「お祝いは固くご辞退」「一人一人と話して感謝を述べることが目的」という会である。当日は300人もの友人知人が来てくれて、非常に充実した時間を過ごせたとのことである。

 ちなみにこの案内状の文面が達意の名文で、これを読んだらとても不義理はできなくなるような代物である。こんな風に粋な心遣いができるのならば、社交こそは高齢化時代の有望産業と言ってもいいのではないだろうか。


1 この話を1月21日の文化放送「くにまるジャパン」で紹介したところ、番組パーソナリティの野村邦丸氏がすかさず、「それは奥さんが高いものを勧めるようになったからでしょう。男は変わってないけど、女が変わっているんですよ」と指摘してくれた。説得力のある見方だと思う。

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