記事

【読書感想】女子と愛国

1/2
リンク先を見る 女子と愛国

Kindle版もあります。

リンク先を見る 女子と愛国
内容紹介

かつての保守とは一線を画す、「愛国女子」の真実

最近、一般の若い女子たちが「右傾化」する傾向がみられる。この傾向をとりあげるメディアも目につくようになった。

これまで愛国活動といえば黒塗りの街宣車に乗って日の丸を掲げた男たちのイメージが強かった。ところが彼女たちは普通におしゃれやショッピング、趣味を楽しんだりする、20~30代の女性。OL、学生、主婦たちだ。

彼女たちはネットで愛国的な発言をしたり、デモや集会に参加する。

いつから、どうして彼女たちはこのような活動をはじめたのだろうか。

本書は、保守化し愛国活動に走る若い女性が増え続けているその実態と心理に迫った、新進ジャーナリストによる入魂のルポである。

<目次> プロローグ
第1章 女子が声を上げはじめた
第2章 私が「愛国」に目覚めた日
第3章 ネットの普及が女子の保守化を後押しした
第4章 私たちの愛国活動はできる範囲でやる
第5章 愛国活動の落とし穴
第6章 私たちが導く正しい日本の国づくり
エピローグ

そうか、「愛国側」から見た世界は、こうなっているのか……

そんなことを考えながら、読みました。

僕自身は、1970年代前半生まれの「反戦教育、自虐史観(と呼ばれているもの)直撃世代」です。

「日本は欲望にまかせて、他国を侵略したから、世界を敵にまわし、戦争に負けたのだ」

「あの頃の日本人は間違っており、世界中に迷惑をかけた」

「原爆を落とされたおかげで、戦争を早く終わらせることができた」

 子どもの頃、広島に住んでいたこともあって、原爆のことは、他の地域よりも繰り返し教えられたと思います。

 毎年8月6日になると、被爆者の体験談なども聞いていましたし。

 どんな理由があっても「戦争」はよくないし、日本が核兵器を所有するなんて、考えるだけでもおぞましい、という気持ちで、子ども時代を過ごしてきました。

 「お国のため」という合い言葉で、多くの若者たちが、戦場に送られ、命を落としていったのだから、「愛国心」なんて言葉に脅されてはいけない、と。

 この本のなかでは、僕より10年、20年若い女性たちが「愛国心」を語っています。

 著者は冒頭で、こう述べています。

 本来、愛国の定義はとても単純なことだ。それは自分が生まれ育った場所を好きだと思うこと。両親に感謝して祖父母を大切にし、先祖を慕う。その気持ちを子供たちに受け継ぐことによって、自分自身も孫たちに大切にされ、子孫に慕われる。そうして連綿と日本人は長い歴史を紡いできた。

 日本だけではない。全ての国の人々がそうであるはずだ。若い人がその当たり前の気持ちに気付き始めたことが、いつしか日本では右傾化と呼ばれるようになったのではないだろうか。

 そして最近愛国活動に走る若い女性たちが増えてきた。もちろん国のため、地域のために力を尽くしてきた女性は古今多くいるが、現在の「愛国的な女子」は、それとは一線を画すような気がする。

 私も愛国活動を始めて12年経つが、女性が増えてきたと感じている。それも20代、30代の若い女性だ。活動を始めた頃女性は一割ほどしかいなかったように記憶している。それが今や半分近くを女性が占める活動の場も珍しくない。彼女たちはどんな人間なのだろう。なぜ、いつから愛国活動に勤しむようになったのか。本書はそんな彼女たちの声を拾い集めることで、現代に生きる愛国女子たちの姿を描き出すものである。

 僕の子どもの頃、30年くらい前のイメージでは「愛国」というと、街宣車でスピーカーから軍歌を大音量で流し続けている、怖い人たちがやっていること、という感じでした。

 ところが、この本を読んでいると、本当に「ごく普通の人たち」が、ネットなどをきっかけに「愛国活動」に身を投じているのです。

 2002年に『2ちゃんねる』の「おまえら、8月15日に靖国神社に参拝しませんか?」というスレッドがきっかけで、実際に参拝をした人への取材が、この本のなかで紹介されています。

 大村益次郎像の付近に行くが、人の多さは変わらない。だが、そこには普通の人たちの中でも、さらに「普通」の集団がいた。いや、普通過ぎるからこそ、ここでは違和感というのだろうか。濃い色の服や喪服を着た年配の参拝者が多い中で、まるで東京渋谷の雑踏をそのまま切り取ったような光景。そこには、通勤電車に乗り合わせた一車両の人たちをそのまま連れてきたような、年齢層も服装もバラバラの集団がいた。

「もしかして、これがボアマロの募った会?」信じられなかった。ざっと見て100人以上の大集団だったからだ。しかし「青楓会 2ちゃんねる有志 英霊に誠を捧げるために皆で参拝しましょう!」と書いたボードを持っている者もいる。間違いない。これがボアマロの集めた有志だ。

 『在特会』を取材した本のなかでも、彼らが少なくとも外見上は「ごく普通に街を歩いているような若者たち」であることが描かれていました。

 安倍総理の靖国神社参拝について、さまざまなアンケートで「賛成」の割合が高いことも伝えられています。

 この本で、実際に「愛国女子」となった人たちの話を聞いてみると、みんなそれぞれの「理由」があるんですよね。

 そして、いまの時代でさえも「愛国心」をあからさまにすることで、周囲から敬遠されている人も少なくない。

あわせて読みたい

「愛国心」の記事一覧へ

トピックス

  1. 一覧を見る

ランキング

  1. 1

    強行放送!緊急事態宣言下の24時間テレビは「ジャニーズ祭り」

    渡邉裕二

    08月04日 08:04

  2. 2

    中等症めぐり政府の揚げ足を取る毎日新聞 いい加減な記事を出すのは許されるのか

    中村ゆきつぐ

    08月04日 08:26

  3. 3

    コロナ禍で迷惑行為をするのは一部の人たち JR北海道も列車内での飲酒の自粛を呼び掛けよ

    猪野 亨

    08月04日 08:35

  4. 4

    患者対応をめぐる行政と開業医の役割分担 国会議員がルール化する必要性を橋下氏指摘

    橋下徹

    08月04日 12:14

  5. 5

    北海道の医療崩壊を見た医師「来週から東京で多くの重症者が出てくるが入院できない」

    田中龍作

    08月03日 19:41

  6. 6

    東京都心に住むコストをケチってはいけない

    内藤忍

    08月04日 11:37

  7. 7

    二階幹事長“首相の続投望む国民多い”発言に「どこの国?」「幻聴では」と失笑の嵐の異論」

    女性自身

    08月04日 09:50

  8. 8

    「日本の携帯大手と正反対」ネトフリが幽霊会員をわざわざ退会させてしまうワケ

    PRESIDENT Online

    08月03日 16:00

  9. 9

    「横浜独立」で神奈川県は困らないの?-県と市はよきライバルに

    松沢しげふみ | 参議院議員(神奈川県選挙区)MATSUZAWA Shigefumi

    08月04日 08:36

  10. 10

    オリ・パラ後の新国立は誰のためのスタジアム? - 上林功 (追手門学院大学准教授)

    WEDGE Infinity

    08月04日 09:49

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。