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厚労省生活保護担当課長と議論する、「神戸のようなケースで法改正で何が改善されるか。今後何をすべきか」

 神戸市では、約3万4000世帯が、生活保護を受けています。これを、ケースワ-カーがチェックしている(ことになっている)のですが、データは、電子化されていても、「着眼点」を入れないと、不正の発見は困難です。

 実際、自治体が、支給の時点だけでなく、根雪になっている継続受給者も含めて全世帯を実効性ある観点からチェックしているのか、は大いに疑問です。だから神戸のような事件が毎月のように報道される。

 ようやく生活保護法改正案が昨年末成立し、1月1日から、ジェネリック医薬品利用を促すこと、家計管理などの努力義務規定は、施行されていますが、その他の大部分は、今年の7月1日施行です。

 まず、一般論として不正受給の罰則が強化され、不正受給と判明した額に40%の「課徴金」を上乗せして返還しなければならなくなりますので、「抑止力」は、増します。いずれにしても、今回の神戸ポルシェ事件には遡及適用はありませんが。

 この事件の不正要因の1つが「交通事故保険金」の収入を隠していたことなので、「第三者行為求償権」の創設も、今後の類似事案には一定の効果はあるでしょう。

 どういうことかと言うと、労災や国保等にはあったのですが、生活保護の医療扶助にはなかった、「事故にあうなど、第三者の行為によって医療を受ける自由が生じた場合、受給者が当該第三者に対して有する損害賠償請求権を取得する』規定が、今回の生活保護法改正には含まれているのです。

 たとえば、今回のような保険金が500万円出たとすると、医療や介護に使われる部分は、福祉事務所が代位した請求権で加害者又は保険会社に請求し、医療扶助によって立替払いした分を取り戻すということはできます。

 医療介護以外の分は、「収入」と認定されますので、生活保護をその分減額するか停止できます。

 しかし、問題は、今回の法改正の目玉のひとつである、福祉事務所による照会に対する回答義務が、公的機関にしか適用されず、民間である保険会社には答える義務がないことです。

 マイナンバーも、金融機関が入ってくるか、全く未定なので、マイナンバーができたからといって、保険収入が名寄せされることにはなりません。
 
 可能なのは、運輸局における自動車登録の情報と、地方税当局による自動車関係諸税の支払い情報。

 現在、地方税当局との間で、個人法人住民税情報だけでなく、資産保有の証拠となる固定資産税や自動車関係諸税についても、回答義務に含めてもらえる方向で、調整中です。私も後押ししてます!

 レセプトも、事故等による医療支払いには「第三者」と記載しなければならないことを徹底し、とくに「頚椎挫傷」など交通事故でなることの多い疾病を医療扶助の中からチェックして、保険会社に照会をかけるとか、端緒をつかむためにいろいろ考えなければなりません。

 現在でも、生活保護を受給するときに、「銀行や信託会社、雇い主、その他の関係人に社会福祉事務所が報告を求めること」への、包括的同意はとっているはずなので、神戸の事件でも、損保会社にもっと幅広に、徹底して情報提供も止めることはできたはずなのですが。。

 おそらく、例示に「保険会社」と入っていないので、恐る恐る聞いただけだったのではないでしょうか。おかしいと思ったら、全保険会社に包括的に照会をかけてしまえば、車を持っていることも、20万円でなく、1000万円もらっていたことも、警察が犯罪で発見する前に判明したかもしれません。

 しかし、こういうことを、徹底していこうと思ったら、あらゆる意味で、社会保険事務所は、○○Gメン、のようにならなくてはなりません。人員を増やすだけでなく、そのための特別な研修や、それなりの処遇もしないと、難しいですね。世界一の電子政府を目指すのですから、データの突合せを何種類もやって、疑わしい事案には警報がなり、その中からチェックする、という風にでもしないと、自治体には無理でしょう。

 いまや自治体の仕事の中で、一番困難で、かつ増加が著しいのは、社会政策。

福祉事務所の問題だけでなく、区分は違いますが、民生委員にしても、保護司にしても、地域の名士の名誉職、で済ませられる時代ではありません。本気でやれば、とてもとても手がかかるし、身の危険も感じる仕事です。

  生活保護改革で喫緊なのは、働こうと思えば働ける世代の受給者及びその予備軍を、自立につなげる支援をいかに実効性あるものとするか、だと思います。、

 加えて、「正直に働いて衣食住医を自分で何とかまかなっておられる、普通の市民からみて、「まじめにやると馬鹿をみる」という不公平感を是正できる」ような、医療扶助改革と、住宅扶助改革が、今年の課題。

 担当課長は言います。

 それだけでも、マインドが変わったなあ、と嬉しくなります。

  一昨年までは、生活保護の抜本改革など夢のまた夢。そんなことを言い募るのは、財務省主計局の財政審議会だけでしたから。

 地道に、着実に、頑張りましょう!

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