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「影の銀行」大流行の理由は、サブプライム問題の時と同じインプリシット(ほのめかされた)ギャランティーにある

国際通貨基金(IMF)によると中国の銀行融資、信託商品、事業法人による貸付の残高は過去5年間でGDPの130%からGDPの195%へと急増しました。

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その主な原因になっているのは信託商品(赤)の増加です。

それらの信託商品はウエルス・マネージメント商品(WMP)とも呼ばれます。そのファンドに組み込まれている資産(underlying asset pools)はIMFによると「多くの場合、怪しい(opaque)、償還期限のミスマッチが放置された商品設計になっており、流動性リスクを発生する恐れがある。そればかりかWMPには、なにか起きた時には(四大銀行や政府が)面倒を見てくれるのではないか? という、ほのめかされたギャランティーがあり(中略)それは将来のシステミック・リスクの原因になりかねない」そうです。

ここで「ほのめかされたギャランティー」とはimplicit guaranteeを指し、「後ろに政府が付いているから、大丈夫に違いない」という、勝手な投資家の思い込み、ないしは、商品を売る側で、そういう印象をわざと与えるような売り方をする場合を指します。

「政府がついているから、大丈夫!」と思えば、その商品の信用力は高くなるわけだから、実際にはリスキーな商品が、あたかも無リスクのような感覚で買われる危険を孕むわけです。

これはアメリカでサブプライム問題が起きた時、その背景としてファニーメイ債などによる低廉な資金調達が可能な環境が長く続いた事が指摘されています。ファニーメイ債には、ほのめかされたギャランティーがあり、これが後で大問題になったわけです。

この点を踏まえて、最近、ジョージ・ソロスは「中国のシャドー・バンキング問題は、2008年の危機(=つまりリーマンショック)に似ている」とコメントしました。

いま中国の銀行の貸付のノン・パフォーミング・レシオ(NPL)を見ると、焦げ付きになっている融資は凄く少ないです。

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これは一見、立派に見えるわけだけど、あぶない貸付先から順番に、銀行本体の勘定からシャドー・バンキングという簿外融資に切り替わっているわけですから、実態としてどれだけの借り手が資金繰りに行き詰っているのかは、把握困難になっているのです。

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