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≪細川・小泉こぼれ話≫②「細川内閣には、なるべく長くやってほしい」

私が細川首相の特別補佐のとき、首相官邸の私の部屋に小泉純一郎さんは何度もふらりと訪れた。その後彼が首相になるとは誰一人思ってもみなかった頃である。小泉さんは普通の自民党政治家の忙しさとは無縁な人で、しかも野党になったのだから、彼は暇を持て余していたのだろう。

彼が来ると口癖のように言ったのが、「細川内閣を長くやってくれ」、「細川さんには長くやってほしい」ということだった。 最初私は自民党議員なのに何をいっているのかとふしぎであった。「どうして?」と私がきくと「自民党が新しく生まれかわるためにはそれが必要なんだ」と言う。「自民党の野党暮らしが長ければ、予算だけが目当ての団体が離れていく。利権漁りの政治家もいなくなっていく」そう言うのだ。

当時、そんなことを言う自民党議員は彼一人で、大半の人は一日も早く細川内閣を潰すことに躍起となっていた。いわゆる「佐川問題」もその一つで、最近当事者だった人たちが口を揃えて証言している。

小泉さんの政治的軌跡を辿ると、居場所がまったく変わっていない。自民党の清和会。福田赳夫元首相、安倍晋太郎元外相の流れから一度も逸れていない。見事なほどである。

彼はいつも自民党の敷地の中にどっかりと座ってきたが、自民党の家が古くなったり、悪くなったりしたら、それを「ぶっ壊して建て直せばいい」と思ってきたのである。評判が悪くなったら飛び出して他の家に移るとか、自民党とは別の新しい家をつくるとか、そんなことは一瞬たりとも考えたことがない。

「飛び出した人はみんなつぶれている」とも言ったが、自民党を離党して新党さきがけをつくった私には痛烈すぎる言葉だった。

だから今回の「原発ゼロ」の言動も細川支援も、これによって自民党を変えたいという気持ちが彼のどこかにあるはずだ。実際細川さんが当選すれば、自民党が否応なく大転換せざるを得なくなる。
【関連記事】
《細川・小泉こぼれ話》① 肉声の首相
《細川・小泉こぼれ話》③ 与野党を超えた2人の協力

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