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『明日の神話』が生まれるとき

岡本太郎氏の「明日の神話」について以前こういうエントリをアップしたことがあります。
この「明日の神話」にいたずらされたというニュースは多くの方がご存知かと思いますが、どんないたずらがされたのか、落書きでもされたのか?とか詳細のところは知らずにいたのですが、今日何やら芸術家集団がこれをやったという話しで改めてニュースを見てみると「明日の神話」のテーマに即した表現活動だったようですね。



ある意味デジタルで手を加えるならなんでもありな世界…ちなみにこのORIGINAL LOVEのPVでもガンガンにコラージュされてますし、単純にデジタルで加工してネットで公開してもここまでの話題にはならなかったでしょう。



そして、こちらの写真は今日渋谷駅で撮影したものですが、

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やはりこのニュース効果だと思われる多くの人がこの「明日の神話」の前で会話している風景が見受けられました。

自分個人としては今回の行為について現物に対してダメージを与えるいたずらだったら理解や共感を得るのは難しかったでしょうが、この作品テーマを考えると当然この要素は追加されてもおかしくない要素だと思える部分もあるのです。

その理由とは、岡本太郎 - 明日の神話オフィシャルページのほうでテキストと音声で岡本敏子氏がこの「明日の神話」について解説を加えてくれているのですが、やっぱり今回のいたずらの絵が入るべき場所は、あの右下だろうな…と思えてきたりします(そういう意味で絵を追加できるスペースは左側にも同様にあるのですが、この左側はこの悲劇を乗り越えた人々が描かれているスペースでありこの文脈からすると、何も知らずに、死の灰を浴びながら鮪を引っ張っている第五福竜丸が描かれているこのスペースの近所にあの絵柄が追加されるのは非常に順当なアプローチとさえ言えるわけで、、この点についてやはりというか、何と言うか

岡本太郎記念館の館長、平野暁臣氏は新聞取材にこう答えています。
「みなさんはいたずらとおっしゃるけれど、スプレーを作品に吹き付けたり傷つけたりしたわけではない。『明日の神話』は後世に残すべき作品だと敬意を払ったやり方をしている。ゲリラ的な瞬間芸として、明らかにアートの文脈で行われた行為です。ただ、作品としては斬新さも感じないし、ほめるつもりもありませんが」
さらに、音声で提供されている岡本敏子氏の解説ではこうも語っています。
この絵は(原爆という)残酷な力が炸裂しているが、それと同じだけの力で誇らしい人間というものが燃え上がっているんだよという絵

社会的な不安定さ、危険な状態、そんなのにも負けないよという…残酷・悲劇そういうのをすっとばして哄笑している絵であり、

だからこそ人類はここまで生きて来た、だから今こそこの絵を見てもらいたい。
これを読んでいただくと、先ほどの平野館長のコメントすごく理解できますよね。そして最後にこちらはテキストで掲載されている岡本敏子氏の作品解説の一部をご紹介しておきたいと思います。
その瞬間は、死と、破壊と、不毛だけをまき散らしたのではない。
残酷な悲劇を内包しながら、その瞬間、
誇らかに『明日の神話』が生まれるのだ。

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