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「"原発こそ最大の争点"、全てを賭けて戦うと決めた」細川護熙氏が出馬会見

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"殿、ご乱心"ですよ。そうでなきゃこんなとこ出てきませんよ

22日夕、東京都知事選(23日告示、2月9日投開票)に立候補を予定している細川護煕元首相が会見を行った。

細川氏が公の場で会見を行うのは、14日の小泉元総理との会談後に行なわれたぶら下がり会見以来。細川氏陣営は、当初15日に正式な会見を開いて政策を公表するとしていたが、17日、さらに"20日以降"と、度々の延期を経て、最終的に告示日前日夕方の会見となった。また、東京青年会議所主催の討論会なども出席を見合わせてきたため、「脱原発」以外に細川氏が掲げる政策の柱は何なのか、本人の口からの発表に注目が集まっていた。

高齢との指摘があることついて、「まずは4年間のことについての選挙」「不条理に対して戦う気力があれば老いることはない」とかわした細川氏。記者団から、会見が告示日前日にずれこんだことを問われた細川氏は、「少ない時間の中、慎重に調べて準備してギリギリで間に合った」と説明。公開の場での討論会については、「議論するというのはどうなのか。議論してもお話にならない方もいると思うので、横並びで政策を説明する場には出て行く可能性はある」とした。

また、第一の柱としている「脱原発」の具体策については、都知事就任の場合、間髪をいれずに「東京エネルギー戦略会議」を立ち上げるとしたほか、統一地方選の前の都民投票の実施の可能性も示唆した。一方、脱原発を掲げる他の候補との一本化の動きがあったことは認識しているが、「脱原発」を最優先の課題にしているかどうか、また他の政策が違うのではないか、とした。

さらに、今回の都知事選が猪瀬直樹氏の五千万円の現金受領問題に端を発したことから、細川氏の総理辞任のきっかけとなった1億円借入金問題との類似性ついても厳しい質問が飛んだ。細川氏は、すでに返済済みであることなどを強調。あらためて問題は無いとの認識を示した。

細川氏の冒頭の発言は以下のとおり。
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躊躇しながら、迷いながら、孤独に決断をしました

私は政治の世界を退いてから15年余り、焼き物をやったり絵を描いたりと制作をする一方、東日本大震災後、瓦礫を活かす命の森のプロジェクトをやっておりました。その一方で、脱原発の声を上げ続けてきました。

半分隠居暮らしをしていたものですから、都知事選に出るなどということは、ついこの数日前まで思ってもみませんでした。
ところが、各界の敬愛する方々から、是非、最後のご奉公をやるべきだと言われ、日増しに真剣に受けてみようと思えるようになって、同志である小泉元総理からも強いメッセージを受け、出馬の意向を固めた次第であります。21年前、一人で立ち上げた日本新党も、小舟の舳先に旗を立てて、"この指とまれ"の船出でしたが、今回も、躊躇しながら、迷いながら、孤独に決断をしました。

しかし、決めた以上、後戻りはできない。力を尽くして、東京をさらにいい方向に進めていかなければと、国のありようにも東京から注文をつける事があれば物申して行きたいと思っています。

なぜ出馬を決意したかということですが、私は今の国の方向、目指すものに危ういものを感じています。憲法、安全保障、近隣諸国との関係について懸念しています。デフレ脱却について、安倍さんも頑張っていますが、1億3000万人の人口が50年後には9000万になり、100年後には、江戸時代に近い、今の3分の1に減ると予想されています。

これからの時代に、今までのような大量生産・大量消費の経済ではやっていけない。腹一杯ではなく、腹七分目でよしとするアプローチ、心豊かな社会をめざして、成熟社会のパラダイムを図っていくことが求められています。これは世界で始めての歴史的実験になるかもしれませんが、世界が生き延びていくためには、豊かな国が多消費型から共存型へかえていくしかないと思っています。成長がすべて解決するという、傲慢な資本主義からは幸せは生まれないと思っています。

私がとくに心配しているのは、成長のためには原発が不可欠だと言って、政府が再稼働させようとしていることに強い危機感を覚えています。それが出馬するきっかけです。原発のリスクの深刻さは、福島・チェルノブイリを見るまでもなく、ひとたび事故を起こせば国の存亡に関わる事故になります。原発依存型・エネルギー消費型から180度変換しなければ、と思います。

再稼働は、後の世代に対する犯罪的な行為

なぜそのような危機感を持つか。それは3.11が決定的なきっかけとなりました。かつて私も信じていた、原発はクリーンで安全という神話は崩壊しました。福島第一原発4号機は大地震が来ても大丈夫なのか、汚染水は止まっているのか、核のゴミを捨てる場所がない、そのような中で再稼働させるということは、後の世代に対する犯罪的な行為だと思います。
原発が無ければ経済が成り立たない、という人もいますが、今まで原発は2年間停まったままではありませんか。

現在、燃料費などで、海外に相当なコストを払っているわけですが、今まで原発事故の無責任体制のために、実は天文学的なコストがかかっているわけです。それが見えない形、税金の形で投入され、コストは安いという誤魔化しと嘘がまかり通ってきました。原発の安全性の問題や、核のゴミのことを考えたら、これがいかに割に合わないかは明確であります。
そういう原発に依存するくらいなら、自然エネルギーの方がよほど生産的で、新しい雇用や技術を生み出す可能性もあります。世界の成長分野であるエネルギー技術を日本の成長に取りこんでいく絶好の機会にもあります。

いま、ここで、原発ゼロの方向を明確に打ち出さなければ、50年経っても原発依存の体質から抜け出すことは不可能でしょう。再稼働にストップをかけ、世界に発信していく必要を確信しています。

この都知事選は、小泉さんが言ったように、「原発がなくても発展していける」という人達と、「原発がなければ発展できない」という人達との戦いであります。私は、「原発がなくても発展していける」と信じている人達の先頭に経って戦っていくつもりです。

都知事選の争点に、原発の問題はふさわしくない、という人がいますが、都知事の任務は都民の生命と財産を守ることです。浜岡、東海、柏崎刈羽原発で事故が起こったら、都民の生命財産は重大な影響を受ける事になりますから、オリンピックやTPPどころではありません。ですから原発こそ、最大の争点、最大のテーマであることは、疑う余地がありません。

実質は「東京・東北オリンピック」にしたい

さて東京は2020年のオリンピック、パラリンピックの開催地に決定しました。30万人がいまだ仮設住宅におられることを思いますと、復旧・復興が道半ばの中で、諸手を上げて五輪招致に賛成する気持ちにはなりませんでした。しかし、開催が決まったからには 2020年を新しい東京、新しい日本の建設とするために、オリンピック、パラリンピックを歓迎し、新しい日本を築くべきだという気持ちに変わりました。

20年前、私は所信表明演説で、「質実国家」を目指すことを、政権の旗印として掲げました。当時、大量生産・大量消費・大量廃棄を改める必要を感じていたからです。このような方向は、今こそ決定的になりました。オリンピック、パラリンピック開催を契機に日本の生活を変えていく。東京はそのお手本になりたいと思います。

脱原発は地産地消、自然エネルギーの普及とともに、日常の節電を要求しています。私は原発に頼らない東京にするために、自然エネルギーによる発電を促し、電力消費の節減に向けて都民に促し、技術開発を促進します。「災い転じて福となす」という言葉がありますが、東日本大震災を、日本を東京を変えるまたとない機会にしなければならないと思っています。

東京オリンピック、パラリンピックを三大ムーブメント、競技・文化・環境の分野におきまして、東北のみなさんに協力いただき実質は「東京・東北オリンピック」にしたいと思っています。

私たちの世代は、原発を容認してきました。その責任を感じています。それは小泉さんもあります。その不明の責任を感じ、我々世代の最後の仕事としてあたらしい経済の展望を開いていきたいと思っています。具体的には、「東京エネルギー戦略会議」を設置し、基本計画を作っていきたいと思います。

また、私は景観にも強い関心を抱いています。防災の観点からも、水と緑の回廊を作り、日本橋の上の首都高速を排除したり、路面電車の復活もいいのではないかと思っています。

今、世界は文明史の折り返し地点にいます。環境や資源の有限性から、転換期に直面しています。そういう意味で、福島第一原発事故は我々への緊急警報だと思います。

都知事には、誰がなっても取り組まなければならない共通の課題があります。大地震の際の帰宅対策、防災対策、高齢者福祉、少子化、教育、子育て支援。これらについては都の方々が知恵を絞って取り組んでこられました。継承すべきものは継承し、発展的に受け継ぎ、確かな成果を上げていきたいと思います。

さらに、今までできなかったこと、「岩盤規制」と言われる、医療、介護。子育て、教育の分野での規制改革を推し進めていきたい ます。既存の政党勢力と結びついた人には難しいと思います。私にはしがらみや、恐れるものはありません。既得権益との戦いこそ、私に求められることだと思います。

私は思案の上、私のすべてを東京の方向付けに捧げていきたい。それは新たな東京の方向になると思います。20年前、必ずしもみなさんの期待に沿う政治に出来なかった反省があります。借入金については10年をかけて返済したことを説明させていただきましたが、野党の方々にご理解いただけず、国会が空転し、国民生活に関わる予算成立にも影響を及ぼしかねない事態になったため、けじめをつけさせていただきました。
私の不徳により、多くの方々の失望を招いたことが脳裏から離れることは一日としてありませんでした。

このところ、晩節を汚すな、色々な方に言われております。確かに、逃げることは楽です。しかし、国の存亡に関わることであり、一身の毀誉褒貶を省みるときではないと、あえて、出馬の意志を固めて、東京が多くの首都に先駆けて新しい形態で、明るい展望を迎える機会だと確信しています。

立つ以上は最善を尽くします。誇りをもって、名誉を投げ打つことを潔しとする。全てを賭けて戦うと決めました。皆様のご理解を賜りますようお願い致します。

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