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ANA-CMの中止

外国人の容姿を差別的に描いたとして、抗議が寄せられ、中止に追い込まれたということである。
全日空:差別批判でCM取りやめ 金髪に高い鼻

現物はこれらしい。



コメント欄にも差別だと書き込む者がいる。
上記の映像はなくなってしまうであろうから、問題とされたであろうシーンを写真にしておこう。

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さて、色々考えさせられる出来事だ。

まずこれが外国人の容姿を差別的に描いたとして攻撃されている点。戯画的とかカリカチュアとかいう表現は、多くの場合、差別的表現と紙一重である。ステレオタイプな特徴をことさらに取り上げるのであるから。そうした表現形態と許されざる差別との境界線は、一義的には言えない。槍玉に挙げられた対象の立場の強弱ということもあるだろうし、表現自体が行き過ぎかどうか、表現意図が揶揄しているのか、貶めているのか、攻撃しているのかなどの諸要素に照らして考えるしかない。

そのように考えると、上記CMが差別的で許されないという見解には賛同できない。

次に、CMもひとつの表現行為であり、視聴者の心に刺激を与えることで意味がある。物議を醸すというのもその刺激の一つであり、極端な場合は炎上商法ということになるが、違和感を覚えさせたり、奇妙さを感じさせたり、場合によっては不快感を呼び起こしたりというのも、表現行為の効果の一つである。
人々の好感を呼び起こすべきCMとしては、不快感を呼び起こしてしまったのは失敗作と言わざるをえないが、話題となってナンボという世界だけに、あまり非難には値しないだろう。

外国のテレビで見かける外人カリカチュアCMは、もっとひどいが、それをみて笑い飛ばせる社会の方が、私は好きだ。

第三に、ネットを中心に異論が巻き起こり、抗議行動に発展し、CM中止という成果を勝ち取るという成功体験をネット民に与えてしまったことが、ネット炎上騒ぎを煽りたい人々に一種の燃料を与えてしまったのではないかというのが残念だ。

ということで、この騒動は日本社会の狭量さと余裕の無さ、さらには同調圧力の強さみたいなものを表出したという点で、残念なエピソードという他はない。

【関連記事】
金髪と高い鼻が人種差別?(松田公太)

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