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タイムトラベラーはつぶやかない

 タイムトラベル……時間旅行をアイデアにした小説やアニメ・映画・ドラマは少なくない。

 SFのアイデアであると同時に、科学的な思考実験のテーマでもある。

 実現性はともかく、興味を抱かせるネタだ。

 もし、タイムトラベラーが来ていたら……

 と、それを真面目に検証したらしい記事が以下。

タイムトラベラーはインターネットを使わないことが判明 : ギズモード・ジャパン
「過去にきてるなう」なんてツイートしたくなるでしょうよ。インターネットがある時代間へのタイムトリップならば、行った先きでツイートするかもしれません。

そこに目を付けたのが、ミシガン工科大学の物理学者Robert Nemiroff(ロバート・ネミロフ)さんとTeresa Wilson(テレサ・ウィルソン)さん。インターネット上にタイムトリップの形跡がないかリサーチしてみることにしました。
 着眼点はなかなか面白い。

 タイムトラベルには「タイムパラドックス」がつきまとうのだが、過去にタイムトラベラーの痕跡が残っていたなら、パラドックスの問題も生じる。

 タイムトラベルが遠い未来において実現しているとしたら、過去の歴史を改変することも可能なわけで、なんらかの痕跡が残っていたら、あとから消せばいいわけで……と、すでにパラドックスが生じてしまう(笑)。

 時間テーマSFでは、時間の定義がいろいろとある。

 大きく分けて、2つ。

(1)時間は1本道説
(2)パラレルワールド説

 (1)の場合、時間軸は1つしか存在せず、過去を変えれば未来も変わる。したがって、タイムトラベラーが自分の先祖を殺してしまったら、未来に生まれるはずの自分まで存在しなくなる……という、典型的なパラドックスが生じる。

 (2)の場合は、時間軸は1つではなく幾重にも枝分かれして、パラレルワールドになっているという説。過去を改変しても、別の未来につながっていくだけで、パラドックスは生じない。そもそもタイムトラベラーが、過去に行くということ自体が、過去への介入なので、その時点から違った時間軸になってしまう。もとの時間軸には戻れない。

 日々の生活は、「選択」の連続だ。

 数秒おきになんらかの選択をしている。いま、これを書いている私も、次にどういう単語を入力するか、キーボードのどのキーを叩くかの選択をしている。

 1つ1つの選択は些細なことだが、1日の間に8万~10万ものチョイスをしている計算になる。それが積み重なっていくと、膨大な選択肢が存在していたことになり、その数の分だけ未来が分岐したことにもなる。

「あのとき、こうしていれば……」

 といった、大きな選択の決断をする場面もあるが、1秒ごとの選択の違いでも、未来は変わりえる。

 Twitterの炎上などは、送信ボタンをポチッと押すかどうかの選択の違いだ。押さなければ平穏な未来だったものが、押してしまったために苦難の未来を選択してしまう。

 もっとも、それ以前に、炎上するようなネタを書くのが間違いではあるのだが。

 後悔先に立たず

 ではあるのだが、タイムトラベルは後悔を修正できる……かもしれない。

 修正したつもりが、じつは時間には原因と結果を修復する性質があり、別の過程を経て、同じ結論に辿り着く……というSF作品もある。

 スティーヴン・ホーキング氏は、「時間順序保護仮説」というのを唱えていた。

時間順序保護仮説 [単行本]

 タイムトラベルをネタにした、安っぽいドラマがあったりするが、そこで見落とされているのが、距離の問題だ。

 時間だけ移動したのでは、過去のある時点のある場所には行けない。

 なぜなら、地球は自転している、地球は太陽の周りを公転している、太陽系は銀河の中を公転している、銀河系自体も移動している、宇宙は膨張している……と、私たちは膨大な空間を常に移動している。

 時間だけ遡ったのでは、宇宙空間に放り出されてしまう。

 タイムマシンは宇宙船としての機能も必要だ。過去に遡ったら、その間に移動した空間距離も移動しないといけない。

 タイムトラベルは、やっかいなことなのだ(笑)。

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