記事

【図解】地域主権型道州制がよくわかる本(2)

第1章 新しい日本の「国のかたち」
【2】「四国州」に企業や富裕層が殺到する
~法人事業税、固定資産税は半分に、相続税は廃止した~

 四国州は、12州のなかで沖縄州に次いで人口も域内総生産も少なく、道州として自立できるのかが懸念された州だった。

大胆な税制改革によって
企業や富裕層が集まってきた

 初代の四国州知事が、はじめに手をつけたのは税制改革だった。

 消費税は5%のまま、法人事業税、固定資産税を2分の1に、そして相続税は完全に廃止するという大改革である。

 まず、法人事業税の低さがインゼンティブとなって、関西地域の大企業が次々と四国州に本社を移転した。それにともなって、関連の中小企業も進出してきた。

 企業にとって、税金の減額はそのまま収益の増加になるため、移転費用の額は大きかったが、すぐに採算がとれる計算だった。

 しかし、進出企業の担当者に話を聞いてみると、税制上のメリットだけが進出の理由ではなかった。

 州知事は、税制改革を進めると同時に行財政改革を断行し、徹底的なIT化と効率化を行って行政手続きを簡素化した。これによって、意思決定と施策実行のスピードが何倍も速くなった。この効率性が四国州に進出する決め手になったという。

 四国州には、全国から富裕層の高齢者も集まってきた。固定資産税が半額になり、相続税が完全に廃止されたからだ。

 四国の温暖な気候や歴史に育まれた風土も魅力的だった。

 高齢者の多くは、東京や大阪、名古屋に家をもっていたが、本籍を四国州に移し、いままで住んでいた家を別荘にして、二つの家を行き来することを楽しみにした。この生活様式が交通関連産業も発展させた。

 高齢者が全国から流入することで、行政サービスが増えて歳出は拡大したが、消費も大きく、得られる税収のほうが多かった。

 州知事は四国州に「元気な長寿大国」というキャッチフレーズをつけ、日本だけでなく世界に向けて積極的にPRをしている。

人口は10%の増加
域内総生産も毎年4%の伸び

 工場進出と同時に、働く人たちとその家族もやってきた。これが州内に新たな需要を生み、サービス産業を活性化させている。

 雇用が増えれば、その人材を育成しなければならない。そこで四国州は、旧国立大学に特別なカリキュラムを導入した。

 そのカリキュラムは、毎年、企業と大学で協議し、もっとも効果的なものにアップデートされている。大学教師だけでなく、企業で働くビジネスパーソンたちも講義を担当し、有能な人材を社会に送り出している。

 こうした大学には、日本各地から若者が集まってきたため、四国州の各市は若者たちで活気にあふれている。

 人口は『地域主権型道州制』の導入以前より10%増え、域内総生産は毎年約4%の伸びを示している。税制改革、行財政改革、教育改革は、みごとに四国州の可能性に花を咲かせ、住民を豊かにし、元気にしたのだった。

リンク先を見る

【関連記事】
【図解】地域主権型道州制がよくわかる本(1)
【図解】地域主権型道州制がよくわかる本(3)
【図解】地域主権型道州制がよくわかる本(4)
【図解】地域主権型道州制がよくわかる本(5)
【図解】地域主権型道州制がよくわかる本(6)

あわせて読みたい

「四国」の記事一覧へ

トピックス

ランキング

  1. 1

    橋下氏 任命拒否の教授らに苦言

    橋下徹

  2. 2

    田原氏 野党は安易な反対やめよ

    たかまつなな

  3. 3

    iPhone12かProか...売り場で苦悩

    常見陽平

  4. 4

    コロナ禍も国内工場は異常な強さ

    PRESIDENT Online

  5. 5

    倉持由香 初の裸エプロンに感激

    倉持由香

  6. 6

    数字を捏造 都構想反対派の欺瞞

    音喜多 駿(参議院議員 / 東京都選挙区)

  7. 7

    政府のデジタル化策は正しいのか

    山田太郎

  8. 8

    コロナ巡るデマ報道を医師が指摘

    名月論

  9. 9

    ベテランは業界にしがみつくな

    PRESIDENT Online

  10. 10

    のん巡る判決 文春はこう考える

    文春オンライン

ランキング一覧

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。