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自己満足でカタカナ語を振りかざす人々が多いIT業界

先日、gooランキングで「日本語で言ってくれればわかるのに・・・と思うカタカナ語ランキング」というものが公開されました。1位から45位までのランクインした用語を見ると、その殆どがIT業界で日常的に使われていることに気付くことでしょう。

※以下リンクに全ランキングの抜粋と参照元を示しています。
http://it-ura.seesaa.net/article/385058437.html

たとえば、1位から10位までは次の通りです。
1位 アジェンダ :実施すべき計画、協議事項、議事日程
2位 オーソライズ :公認
3位 オルタナティブ :代替、二者択一
4位 エビデンス :証拠
5位 バジェット :予算
6位 パラダイム :考え方、規範
7位 マイルストーン :各作業工程の節目、里程標、画期的な出来事
8位 スキーム :枠組みを伴った計画
9位 バッファ :余裕、緩衝材
10位 コンテクスト :文脈

このうち、私がこの1年間でITベンダーやユーザー企業のIT部門の人とやりとりで見聞きした用語は、なんと10/10の100%!でも、これは一般的なビジネスパーソンにとっては、「日本語で言ってくれた方が分かりやすい」というレベルだと考えられます。

横文字が気になる人にとっては、「本日のアジェンダは・・・」ではなく「本日の議題は・・・」と口にした方が当り障りのない言い方でしょう。「予算が認められた」ではなく「バジェットがオーソライズされた」と言われたら、何を気取った言い方をしているんだ、と顔をしかめられてしまいます。

エビデンスという言葉は法律用語でも使われますが、ITの世界では検証結果という意味で使われることが多いですね「テストのエビデンスを出してください」と初めて言われてときには、私も「日本語で言えよ!」と心の中で思わずつぶやきました。

パラダイムという言葉は、一般社会ではパラダイムシフト(価値観の変化)という表現以外で見たことがありませんが、IT業界では、外資系ベンダーの英語資料直訳資料でときどき目にします。文字数がもったいないので日本語で書いてほしいです。

マイルストーン、スキーム、バッファのあたりは、システム開発におけるプロジェクト管理でよく使われていますね。「現在の進捗はマイルストーンに対してオンスケですが、今からスキームを変えるとバッファが足りません」みたいな言いっぷりをPMOの人たちがしゃべったりします。

コンテクストという表現もIT業界の人は大好きですが、スーツ系(営業・管理側)が「文脈」という意味で使うのに対して、ギーク系(エンジニア側)はITシステムの設定値という意味で使う機会が多いですね。


このように、IT業界は横文字が多い世界です。

最新技術の多くは英語圏からもたらされるため、接する情報は他業界の人よりも英語表現のものが多くなります。外資系ベンダーならば、日本支社のメンバーはグローバルオフィスのメンバーとの情報連携で、英語のカタカナ直訳表現の方が資料作成の手間が軽減されるという事情もあります。

こうしたことが技術情報の範疇を超えて、一般的なビジネス用語にも影響を及ぼしているのでしょう。前述の全45位ランキングの中で、じつに40以上のカタカナ語が私の周囲でも日常的に飛び交っています。

とはいえ、こうしたカタカナ語漬けの環境に麻痺した結果、わけのわからない文章を作ってしまうのもIT業界の特徴のように思えます。たとえば、次の文章を読んでみてください。

『データ統合のニーズが単発のプロジェクトから組織の成功を左右するビジネスイニシアチブに成長するときには、信頼できるエンタープライズクラスのプラットフォームが必要になります。業界をリードする世界中の企業は、PowerCenter Enterpriseを活用して生データを実用的な情報に変換し、ミッションクリティカルなデータ処理を日常のビジネス活動に統合しています。』

(Informatica エンタープライズデータ統合製品の説明より抜粋)
http://www.informatica.com/jp/products/enterprise-data-integration/powercenter/

いかがでしょう。意味、分かりますか?
100人が読んだら99人は「???」と首を傾げるのではないでしょうか。

この文章の中で登場するカタカナ語の多くはカタカナ表記にする意味がありませんし、むしろ理解を難しくしています。むしろ、次のように表現を置き換えた方が自然に理解できます。

・ニーズ
→必要性
・ビジネスイニシアチブ
→全社的な取り組み
・エンタープライズクラス
→企業向け
・プラットフォーム
→業務基盤
・ミッションクリティカルな
→基幹業務相当の
・ビジネス活動
→業務

※元の文章が不自然なので、
残念ながらこれでもかなり分かりにくいままですね。


ということで話を最初に戻しますと、ITベンダーやIT部門の人たちは、自分たち以外の人と話をするときに、カタカナ語にしなくても意味が通じる言葉は日本語に置き換えましょう、という結論になります。

相手が嫌がる言葉づかいを避けるのは人として当たり前。単なる自己満足でカタカナ語を振りかざさないようにしましょう。

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