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「世界で最も若者の声を聞かない国」の若者へ!世界では16歳が選挙する

 本田圭祐のACミラン移籍会見を見て、日本の若者の世界レベルの評価と活躍に心躍らせると同時に、なぜ政治の世界では、日本の若者はこうした活躍を見せる事ができないのだろうかと悔しい想いをする。日本の若者は、そんなに劣っているのだろうか・・・

 成人の日を迎えると「20歳になると選挙権を得る」と話される事が、多くの人にとって当たり前の様に感じると思うが、世界189ヵ国のうち、実に87.8%の国ではすでに選挙権が18歳から与えられており、G8では日本以外、OECD34ヵ国でも日本と韓国以外のすべての国が18歳に選挙権が与えられている。その韓国すら2005年に公職選挙法を改正し選挙権を19歳に引き下げた。若者の声を聞くという意味では、この国は、明らかに発展途上国と言えるのだ。

 欧米においては、1970年代に、若者の失業率の増加やストリートチルドレンの問題などが深刻化する中で、それまで「若者政策」と言えば、日本同様「青少年の健全育成」だったものが、「労働雇用政策」や「住宅政策」といった、より若者の実生活に関わる政策へと転換されていく。こうした動きは、さらに当事者の声を反映すべきと、「若者の政治参加」へのシフトされていった。この流れと同じくして、イギリス、ドイツ、スウェーデンと欧州では、相次いで選挙権を21歳や20歳から18歳へと引き下げていった。

 これが、最近になって、さらに16歳まで引き下げようという動きとなり、欧州で本格化していっている。

 成人の日直前の1月10日、代表理事を務めるNPO法人Rights(ライツ)で、国会内学習会「欧州における選挙権18歳から16歳への引き下げ-日本はさらに世界から遅れる—」を行った。ここでした話を是非紹介しておきたいと思う。

 2007年、オーストリアが国政および地方選挙での選挙権を16歳へと引き下げた。これが最も代表的な例だが、その他にもドイツ、ノルウェー、スイスでは特区の州や市町村で16歳への引き下げが行われており、スロバキアでは労働者に限定して16歳まで選挙権を保障、デンマーク、スウェーデンでも16歳への引き下げに向けた検討が行われている。

 日本においても同じ2007年、国民投票法の成立によって、「18歳選挙権」の実現が見えた。施行される3年後の2010年までに、公職選挙法を見直し、選挙権を18歳にする事が法律の中に明記されたからだ。それから4年が経とうとしているが、選挙権は引き下げられる事はなく、法律は「違法状態」になったままだ。それどころか、年末の国会会期末の2013年12月、自民・公明両党は、国民投票年齢を4年間は20歳、その後は18歳にするものの、選挙権・成年年齢は20歳に維持するという法案で合意してしまった。

 ようやく世界に追いつけると思った矢先、日本は20歳へと現実を戻されて、世界の針は逆に16歳へと進んでいった。世界の18歳選挙権から遅れていた日本は、さらに差を広げられ、既に周回遅れの、「世界で最も若者の声を聞かない国」の一つになってしまったと言えるのだ。

 さらに言えば、この国は、若手政治家も少なすぎる。

 国会議員に占める30歳未満の若手政治家の割合を見ると、ドイツが6.0%、ノルウェー5.6%、スウェーデン5.0%であるのに対し、日本はわずか0.6%しかいない。ドイツとの比較では、約10倍もの差があるのだ。

 国政選挙権を16歳に引き下げたオーストリアでは、被選挙権についても18歳まで引き下げた。すでにアメリカでは、2001年にペンシルバニア州マウントカーボン町に18歳の大学生町長が誕生し、2005年にはミシガン州ヒルズデール市に18歳の高校生市長が誕生している。

 2010年にNPO法人Rightsでスウェーデン視察に訪れた際、若者の利益団体であるLSUの代表である23歳の女性と出会って驚いた。スウェーデンでは、若者に関する政策の形成においては、国と若者団体が協議する事になっており、このLSU代表のカウターパートは若者政策担当の大臣が務めるとの事だった。この代表は、EUの国際会議に参加する他、国連の会合で各国の主席を前に演説をする事もあるとの事だった。

 ノルウェーやオーストラリアにおける16歳選挙権の実践では、その結果、政治的成熟度、政治への関心、ニュースを見る頻度などが高まっているという研究結果も出ている。

 成人の日という、若者の成長を祝うこの日に、この国の若者をどう育てるべきか、この国の将来を考えた際に、若者の声をどう聞くべきかと考えるキッカケにしてもらいたい。

 同時に、この国の若者には、恵まれないこの国の現状を憂うのではなく、自分たちでどう変えていこうかと考え、声を上げていく事を期待したい。

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