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高齢者の犯罪急増は他人ごとじゃないよね

横浜地検川崎支部から逃走した杉本容疑者の大スペクタルの捕物劇は、まるで殺人事件の容疑者を追いかけるようでした。集団強姦や強盗などの疑いで逮捕された杉本容疑者もすっかり有名になったわけですが、全国に顔を売ってどうするんでしょうね。現場の警察の皆様におかれましては、寒中の捜査、お疲れ様でしたが、逃がした地検も逃げた杉本容疑者も間抜けそのものでした。

ところで、昨年は殺人事件が11年連続の減少となり、戦後初めて1,000件を下回ったそうです。犯罪を行うにもエネルギーが必要だと思うので、若い世代の人口が減少していることも影響しているのでしょうか。ただ、最近、犯罪の被害者も加害者も高齢者、また親族による殺人事件も目立つようになってきています。

殺人事件、戦後初めて1000件下回る 13年警察庁まとめ  :日本経済新聞 :  

高齢者が被害を受けるという点では、振り込め詐欺が典型ですが、マスコミであれだけ注意を喚起し、さまざまな予防策を取られてきているにもかかわらず、年々手口が巧妙化し後が絶えません。昨年も振り込め詐欺を含む詐欺事件は3万8326件と前年より10.5%増加しています。
高齢者による犯罪も増加してきています。法務省の「平成23年版犯罪白書のあらまし」で高齢者犯罪が取り上げられていますが、高齢者の検挙人員の増加傾向が著しく,平成23年は20~29歳の検挙人数を超えました。この20年で約6.3倍にも増えてきたのです。人口増のペースを上回る増加です。

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法務省:平成23年版犯罪白書のあらまし : 

被害者も加害者も高齢な殺人事件で衝撃的だったのは、鳥取県米子市で焼け跡から殺害された女性の遺体が発見された事件でした。被害者は72歳の女性でしたが、なんと結婚して欲しいと迫る同年代の男性からのストーカー被害を受け、警察に相談していたことでした。その年齢で激しい色恋の感情が残っているのかと。実際に捕まった容疑者は別の62歳の元介護施設パート職員でしたが、こちらも高齢といえば高齢です。

驚いたついでに、高齢者によるストーキングが増えているのかと調べてみました。警視庁の「ストーカー事案の概況」でデータを見ると、高齢者のストーキングもあるという程度です。30代にもっとも多いというのも頷けます。

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ストーカー事案の概況 :警視庁 : 

ストーカー事案については、平成24年に相談件数が前年の993件から1437件に急増していますが、おそらく規制法や対策を強化したことも原因だと考えられます。全年齢層で増加し、からなずしも特定世代で増えたということではありません。

閑話休題。高齢者の犯罪の増加が人口の増加ペースを上回っているということは、そこには社会の歪が広がってきているという背景を見なければなりません。

よく、高齢者はたっぷり金を貯めこみ、世代間格差が広がった、高齢者の勝ち逃げだという紋切り型で口角泡を飛ばして論じる人がいますが、世の中はまだら模様で、そんな高齢者もいれば、そうでない不幸な高齢者も増えてきているのが現実です。 世の中は、均一ではなく、まだら模様です。退職金をたっぷり手に入れた裕福な高齢者もいれば、生活保護を受けている高齢者もいます。親しかった友人のなかには、起業し、しばらくはうまくやっていたものの、不況の荒波を受けて事業に失敗し、家族とも別れて、最後は生活保護を受ける生活のなかで孤独死した方もおられます。

画像を見る高齢者の経済状況|平成24年版高齢社会白書(概要版) - 内閣府 : 

実際には高齢者のほうが格差があり、貧困率は高齢者のほうが高いのです。さらに核家族化と若い世代の都市部への流出によって孤立化して暮らしている高齢者も増えています。高齢者をめぐってはさまざまな歪がうまれ広がってきています。

高齢者の犯罪増加には、高齢者をめぐって、さまざまな歪が広がってきているという背景が透けて見えてきます。高齢者の犯罪でもっとも件数で多く、目立っているが万引きですが、認知症で判断できなくなったり、独居で寂しい暮らしを余儀なくされ寂しさを紛らわせるために行ったり、生活に困っての犯行など原因はさまざまなのでしょうが、高齢者が万引きする姿はなにかもの悲しさを感じます。

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高齢者の万引き最多2.8万人 認知症・孤立化も原因か:朝日新聞デジタル : 
【万引に走る高齢者たち】(4)人口は倍増だが「犯罪者率」7倍 万引100円の対策費、1000万円超える税金(2/3ページ) - MSN産経west : 

まあ還暦をすぎると生活費はガクンと下がり、またお金のかからない楽しみ方も増えてくるので、とりあえずは、老後には蓄えが必要だと信じ、せっせと溜め込んだ人に、節約モードでも十分に老後を楽しめようにしてあげて、資産を吐き出してもらう施策などで世代間、高齢者間の格差を埋めていくことでもやったらどうかと思いますね。

長期的に見れば、国が高齢者を制度で支えるというのはどう考えても非効率で無理があり、地域コミュニティで支えあう社会をつくっていくことになってきます。もうそろそろ東京一極集中という、まるで発展途上国型そのものの国のカタチから卒業し、地方、地域それぞれが豊かな産業と豊かなコミュニティを創造していく時代にむけて、地方分権を大胆に進めていくことが、世代間の矛盾を埋める現実的な解決の近道です。地方分権なり、地方主権を軸に政界再編が起こることを期待したいところです。

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