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新幹線内で泣く子、舌打ち、ホリエモン

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病児保育サービスを提供するフローレンスの駒崎弘樹氏が以下のようなツイートをした。

今、新幹線で後方の席の子どもが泣いてて、隣の席の女性がうるせーな、って言いながら舌打ちしたんだけど、そういう人は新幹線自由席じゃなく、車で移動すべきだ。公共交通というのは、老若男女、色んな人が乗るもの。公共圏は、我々が当事者意識と寛容によって生み出すものだと思う。

それに対し、ホリエモンこと堀江貴文氏が「舌打ちくらいいいんじゃないかと思ったりするwww」とツイート。
駒崎氏が「いや、うるせーな、とか言われると子持ちには地味に傷つくもんすよー。」と返すと堀江氏が「だから? 泣いちゃ駄目ってこと身に沁みてわかるんじゃないの?」と応じたため堀江氏への非難が殺到。しまいには子どもに睡眠薬を飲ませればいいというような話にもなり炎上。
経緯はこちら↓
http://matome.naver.jp/odai/2138893992135830701?pmg=52cb55a73fad7

昨年(?)には電車の中でのベビーカーのマナーについて賛否両論の熱い議論がなされたこともある。
「子どもは泣くものしょうがない」という立場の人と、「だからといって人に迷惑をかけるのはよくない」という立場の人がそれぞれの立場から一歩も譲らず、権利の主張がぶつかり合い、議論すればするほど対立構造が強化されてしまうのがこの手の議論のパターンだ。とても非生産的な類の議論である。
そもそもどちらが正しいなどと、二極論的に語れるものではない。どちらも正しいし、どちらも間違っている。それだけ。自分の立場に固執している限り、どちらも何も得られない。こういう状況でこそ、立場の違う人のことを尊重するダイバーシティのセンスが問われる。

私の立場としては、
●とかくこの世は子育て親子に対して冷たいことが多いし世知辛く、もっと寛容な世の中になってほしいと思っている。
「自分がやられて嫌なことは他人にしない」ということはよく言われるけれど、それだけでは一方的。「自分がやられて嫌だと思うことを減らす」努力も同時に必要。でないと、ささいなことでも「イヤだ」と感じる心の狭い人が自分の権利を主張するばかりの居心地悪い社会になってしまうと考えている。
・・・ということを宣言した上で、今回の件のポイントを整理したいと思う。

<前提>

●親がどんなに気をつかっても、子どもの機嫌が悪く、電車の中で泣く、騒ぐことはある。
●叱っても叩いても、泣き止んだり大人しくなったりするものではない。電車に乗った時点でできていないしつけができるわけはない。
●子どもは急には成長しない。そのような状態では、親だって、できれば電車や飛行機には乗りたくない。だからといって電車に乗らないわけにはいかないから乗っているのである。
●親の立場からすれば、「大目に見てほしい」「理解してほしい」が本音。
●そのようなことを理解できないひとはいる。また、ふだんはおおらかな人でも、疲れているときは耳障りに感じることもある。

<今回の議論のポイント>

●駒崎氏のもともとのコメントは、「うるせーなー、って言いながら舌打ちした」「新幹線自由席じゃなく、車で移動すべきだ」
●堀江氏の最初のコメントは「舌打ちくらいいいんじゃないか」だけ
●おおたとしては、
・子どもや子育て中の親に対して不寛容で世知辛い世の中であるとは思う。もっと理解が深まってほしい。
・しかし誰でも疲れていたり機嫌が悪かったりすることはある。特に子育ての経験がない人には理解できないことかもしれないということもわかる。もしかしたら、今回の舌打ちした女性は、不妊治療中なのかもしれないし、幼いお子さんを亡くした経験があるのかもしれないし・・・。子連れの大変さを理解できないことにもなんらかの理由があるはず。

・・・というスタンス。そのうえで、

●駒崎氏のコメントは、全くの正論だけれども、新幹線で移動しているところを「車で移動すべき」というのは非現実的で、表現が過激だった。
●そこに堀江氏は反応したのではないかと思う。こっちも泣き声を我慢するから、あんたも舌打ちくらいがまんしてもいいんじゃないという感じだったのではないかと推測する。個人的には全く共感できない理路だが、立場が違えばそういう考え方もあるだろうなと私は客観的には思う。
●ツイートを見る限り、そもそも舌打ちをした女性というのは駒崎氏の横に座っているようで、だとすれば、舌打ちは、泣いている子やその親には聞こえていないと考えられる。「うるせーな」という声もよほど意図的に聞こえるように言わなければ、子どもがギャン泣きしている中で、後方の親子には直接は聞こえていないのではないかと思う。そう考えると、たまたま疲れていたり、不機嫌だったりしたときについ悪態をついてしまうということは誰にでもあるだろう。

・・・と、ここまではどっちもどっち。
しかしその後、堀江氏の「泣いちゃ駄目ってこと身に沁みてわかるんじゃないの?」は見当違い。そんなことではトラウマになることはあってもしつけの効果はない。睡眠薬の話はいわずもがな。
では、現実的にはどうすればいいのか。

<親のすべきこと>

●「子どもは泣くもの」ではあるけれど、それを理解してもらえないことも多い現実は踏まえるべき。「そこのけそこのけ泣く子が通る」という開き直った態度では余計に敵を増やし、自らの居場所を狭めるだけ。心の中では「しょうがないじゃん!」と思いつつも、子どものためと思ってひと肌脱いで、舌打ちが聞こえてくる前に先手を打って、「すみません」とまわりに気をつかうそぶりだけでもするのが、できる親のしたたかさ。

(この点は堀江氏も、「なく子にイラつくんじゃなくて親の対応にイラつくんだよね」とツイートしている。その視点は私も正しいと思う)
●もし舌打ちされてしまっても、「あの人はたまたま今日嫌なことでもあったのだろう」と思い、気にしないようにする
●子どもが怖がったり、傷ついていたりするようなら、ちょっと場所を移動して、「大丈夫だよ。あの人、きっと今日嫌なことがあって、ご機嫌斜めなんだよ。気の毒だね」とかなんとか笑いとばしてあげればいい。そこで親も怒ってしまうと子どもはますます不安になる。

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