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偽りの景気回復にならないか心配

今年もマーケットは順調な滑り出し。
日経平均株価が300円、400円下がった、上がったで大騒ぎしないでくださいよ。

さて 、多くの金融機関が提供してくれるレポートを読んでも、今年は順風満帆な相場環境が続くという。

毎年1月3日に日経新聞に掲載される恒例の一年を通じた「株価」「為替」「経済成長率」の予想も概ね順調。日経平均は13000円~20000円、円ドル為替は95円~110円、経済成長率は0,2~1,8%の水準で推移すると予想する。

ほとんどが春の消費税増税よる一時的ダウンを予想するものの年末にはほとんど回復しているとコメントしている。日本を代表する巨大企業の代表者や大手金融機関の代表者の見解だから少し期待したいとは思うが、悲しいことに例年あまり当たらない。

とはいうものの、今後も確かにアベノミクスの金融緩和策の効果には大いに期待できるし、2020年のオリンピックに向けた投資もあるだろう。東京にカジノを!という構想もある。

不安な材料といえば昨年来、世界景気を引っ張ってきた米国の金融緩和の縮小による新興国経済への打撃と通貨暴落(米国もリーマンショック以降、FRB中央銀行がバンバンお金をばらまいていたが、そろそろばらまいたお金を回収し始めようとしている。ばらまかれたお金は新興国に流れ込み、新興国経済にそれなりの潤いを与えてきたが、そのお金が引き戻されると、経済規模の小さな、未だ脆弱な新興国の経済は大打撃を受けるというもの)、そして再び起こるであろう米国の財政問題(米国では、政府が借金できる上限が決まっていて、議会が承認しないと債務の上限を引き上げることができない。

仮に議会が承認しないとなれば米国は今以上に借金ができず債務不履行を起こしてしまう。

すなわち信用を喪失した米国の破滅=ドルと米国債の大暴落を債務上限の問題という)による米国債あるいはドルに対する不信。欧州の債務問題も未だくすぶってはいるものの(リーマンショック以降のギリシャ、スペイン、ポルトガル、イタリアなどの南欧諸国の借金問題は何ら解決していない)、マイナス面の多くは昨年から、そして現状も世界経済の不安材料として、すでに指摘されている。

以前にも話したが、「不安材料が事前に指摘、あるいは懸念されている」場合は相場にさほど大きなマイナス影響を与えないものである。

なぜなら近い将来の、かつ見えている不安については多くの対応策が打ち出されているし、株式市場をはじめマーケットというものは経済の先行指標といわれているように、先、先、先を読み込んで動いているから、「見えている」「予想されている」不安などは実際にそれが発生した時点で「悪材料出尽くし」となるケースがほとんどである。

本当に恐ろしいのは、ほとんど誰もが予想していない、見えていなかった悪い材料が突然飛び出すことである(予想はできていたにもかかわらず、その予想していたよりも、はるかにスケールが大きかった場合についても大暴落は起こる。サブプライムローンをきっかけにしたリーマンブラザース破綻などは典型的な例である)。

私が今、最も恐れているのは、日本の円安による景気回復である。上記にも書いたように日本経済は一昨年以降のアベノミクスにより異次元の金融緩和(日本銀行が大量に印刷機を回して世の中にお金をばら撒いている)と大胆な財政出動(日本は借金だらけで、お金がないにもかかわらず大盤振る舞いで政府は世の中をよくするために公共事業やなにやらで、景気を刺激している)で為替は円安、株価は世界中で一番、大きく値上りした。

多少、外交(中国や韓国との関係悪化)に懸念はあるものの安部総理が打ち出す経済対策アベノミクスは出来過ぎなくらい順調である。

今年の4月からは消費税も上がるが、一時的な景気ダウンはあるものの年半ばから年末にかけては景気は回復傾向を持続すると多くの識者は読んでいる(1月3日の日経新聞にも多くのコメントがある)。

なんだか過去20年間「一時的な円安による輸出企業の業績回復に先導された景気回復、株高」なんて、これまで幾度も経験してきたじゃないか!ということ。そして幾度も裏切られ続けてきたということ。

1990年のバブル崩壊以降、日経平均株価は幾度も10000円近く、あるいは時として10000円割れまで下落しても上記の「円安による輸出企業の業績回復」により、20000円あるいは20000円近くまでは幾度も、幾度も、幾度も繰り返し復活してきた。

ところが結局、毎回この後が続かない!最悪期から脱し、少しばかり景気が回復してくると、毎回、どん底の時には言われ続けてきた「構造改革」「規制緩和」が頓挫するのである。

今回も円安、株高により多少気持ちは楽になり、多少ボーナスが増え、多少雇用環境が回復してくると、最も早急に先送りせず日本が、日本人が絶対に避けては通ることができない「痛みを伴う構造改革、規制緩和」がいつも、本当にいつも、一時的な「多少の景気回復」に隠れて頓挫してしまうのである。 私も人間である。最悪の場面を想定し、それが回避されると「一安心、ホッとする」。そうするとすぐに慢心や怠け心が頭をもたげ、【一番つらくてしんどい今やらなければならないこと】を先送りしてしまう。

誰も責めることはできない。みんなそうだから・・・。

今年、来年、株式市場が好調で多少投資信託や変額保険で財産が増えても、そして少しばかりボーナスが増えても、私たちはしっかりと安倍さんの第三の矢【成長戦略】=【痛みの伴う構造改革、規制緩和】の行く末をしっかり見守っておかなければ、歴史は再び繰り返されるのである。 特にここ1~2年の安倍総理を始め、政治家の言動を良く見ておいて欲しい。

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