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なりすまし行為をリーガルアイ

なりすまし行為についてリーガルアイ(法的考察)します。

浜崎あゆみ、なりすましに注意喚起
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140105-00000001-modelpn-ent

有名人のSNSでのなりすまし被害が多発しています。 なりすまし行為は犯罪にはならないのでしょうか?

まず、なりすまし自体をストレートに罰する法律はありません。 「なりすまし罪」というのは存在しないのです。

しかし、なりすまし行為によって、なりすまされた人の信用が失われた場合には信用毀損罪、業務に悪影響が生じた場合には業務妨害罪が成立し得ます。

【参考】 刑法 (信用毀損及び業務妨害) 第二百三十三条  虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の信用を毀損し、又はその業務を妨害した者は、三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

【例1】 よこくめ(なりすまし)「世の中、お金がすべてだ」 →世間の人が「よこくめはそんな考えの人間なんだ」と誤解する。 →よこくめの信用が失われる。 →信用毀損罪が成立し得る。

【例2】 よこくめ(なりすまし)「弊所の弁護士相談料は1時間100万円です」 →世間の人が「よこくめの事務所は高すぎる」と誤解する。 →よこくめの業務に悪影響が生じる。 →業務妨害罪が成立し得る。

または、なりすまし者が他人を誹謗中傷した場合には、名誉毀損罪や侮辱罪が成立し得ます。 なお、名誉毀損罪と侮辱罪の違いは、具体的な事実を挙げるか否かです。

【参考】 刑法 (名誉毀損) 第二百三十条  公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金に処する。 2  死者の名誉を毀損した者は、虚偽の事実を摘示することによってした場合でなければ、罰しない。 (侮辱) 第二百三十一条  事実を摘示しなくても、公然と人を侮辱した者は、拘留又は科料に処する。

【例3】 よこくめ(なりすまし)「AさんはBさんから1億円の裏金を受け取った極悪人だ!」 →具体的事実を挙げ、Aさんの名誉を傷付けた。 →名誉毀損罪が成立し得る。

【例4】 よこくめ(なりすまし)「Aさんは極悪人だ!」 →具体的事実を挙げずに、Aさんを侮辱した。 →侮辱罪が成立し得る。

さらには、なりすまし者が他人から金銭を騙し取ろうとする場合には、詐欺罪が成立し得ます。

【参考】 刑法 (詐欺) 第二百四十六条  人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。 2  前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。

【例5】 よこくめ(なりすまし)「被災地に寄付するので、私にお金をお寄せください」 →世間の人が「よこくめが責任を持って被災地に寄付するのだろう」と誤解し、お金を払う。 →詐欺罪が成立し得る。

なお、利用規約において正確な個人情報の提供を明確に求めているFacebook等でのなりすましの場合には、虚偽の情報を提供してアカウントを作成する行為が、私電磁的記録不正作出罪に該当する可能性があります。

【参考】 刑法 (電磁的記録不正作出及び供用) 第百六十一条の二  人の事務処理を誤らせる目的で、その事務処理の用に供する権利、義務又は事実証明に関する電磁的記録を不正に作った者は、五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。 2  前項の罪が公務所又は公務員により作られるべき電磁的記録に係るときは、十年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。 3  不正に作られた権利、義務又は事実証明に関する電磁的記録を、第一項の目的で、人の事務処理の用に供した者は、その電磁的記録を不正に作った者と同一の刑に処する。 4  前項の罪の未遂は、罰する。

以上の刑事責任に加えて、民事責任も負う可能性があります。

【参考】 刑事責任とは、刑法に規定されている犯罪(前述した各犯罪や殺人罪・窃盗罪等)のように、警察・検察の手により刑事手続・裁判を経て刑罰を受けることです。 刑事裁判では、罪を犯した者は「被告人」と呼ばれます。 一方、民事責任とは、私人間にて民事手続・裁判を経て損害を賠償すること等です。 民事裁判では、訴えた者は「原告」、訴えられた者は「被告」と呼ばれます。

なりすまし行為によって、なりすまされた人の名誉や肖像権が侵害されたり、なりすまされた人や閲覧者が金銭的被害を被った場合には、損害賠償責任が発生し得ます。

なお、ある行為により、刑事責任と民事責任の両方が発生する場合もあれば、刑事責任までは発生しないが民事責任は発生する場合もあります。

【例1】や【例2】のケースでは、例に挙げたセリフ単体では刑事責任までは負わせられず、民事責任を追及する他ないのが実情だと思います。

しかし、内容がさらに過激なものだったり、執拗に繰り返す等、悪質性が高い場合には、刑事責任まで負うことになります。

刑事上および民事上の責任が生じ得る、なりすまし行為。 軽い気持ちでして許されるものではありませんので、絶対にやめましょう!

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