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海上自衛隊護衛艦「いずも」などを「日本の右傾化の象徴」と批判するなら、中国はとっくに「軍国主義国」だ

◆朝日新聞が1月7日付け朝刊「37面=社会面」の企画記事「ニュース3Q」で「護衛艦『いずも』、どう見ても空母じゃないの?」という見出しをつけて、日本が「ヘリコプター搭載護衛艦」を保有していることに批判の矢を浴びせている。この護衛艦は、「航空母艦ではないのか」というのだ。この記事を読んでいると、何か中国国営の宣伝機関の記事であるかのような錯覚に陥ってしまう。とくに、次の記述には、単なる違和感というよりは、むしろムカつく。

 「自民党政権下で2010年度予算の概算要求に建造費が盛り込まれ、民主党政権を経て、安倍政権のもとで迎えた進水式に、中国や韓国のメディアは敏感に反応した。『準空母の登場』と報じ、『日本の右傾化の象徴』などと批判した」

 この書き方は、とくに中国のメディアが、「『準空母の登場』と報じ、『日本の右傾化の象徴』などと批判した」のが、いかにも正当であるかのような表現をしている。それだけに、違和感を禁じ得ず、ムカつくのである。

 なぜか? それは中国共産党一党独裁の北京政府がウクライナから購入し、中国遼寧省大連で改修した中国初の空母「ワリャク」が2012年9月23日午後、中国人民解放軍海軍に引き渡され「遼寧」という艦名をつけられて就役し、日本の固有の領土である尖閣諸島周辺に派遣されて、すでに日本を恫喝しているからである。

 読売新聞YOMIURI ONLINEが1月3日午前0時4分、「空母『遼寧』訓練は『第2段階初期』・・・中国紙」という見出しをつけて、次のように配信している。
「【北京=五十嵐文】2日付の中国紙・京華時報などによると、中国初の空母『遼寧』は1日、南シナ海での訓練を終えて山東省・青島の空母基地に帰還した。遼寧号は昨年11月26日に青島を出港し、台湾海峡を通過して南シナ海まで初めて遠洋航行した。南シナ海では、海南省三亜に新たに整備された空母基地に寄港。遼寧に同行したミサイル駆逐艦やフリゲート艦、潜水艦、航空機と連携し、『空母戦闘群』として試験航行するなどの訓練をこなしたという。中国紙・環球時報は2日、空母の訓練には、〈1〉艦載機との連携〈2〉護衛艦など空母戦闘群内での連携〈3〉空母戦闘群と全軍との連携――の3段階があり、遼寧は『第2段階の初期』にある、との軍事専門家の分析を紹介した」
 護衛艦「いずも」が、どう見ても空母であり、「準空母の登場」と報じ、「日本の右傾化の象徴」などと批判するのが正当であるならば、中国共産党1党独裁北京政府がレッキとした空母「遼寧」を保有しているのは、日本以上に「中国の右傾化の象徴」ということになる。それどころか「軍国主義の象徴」だ。にもかかわらず、中国共産党1党独裁北京政府が「太平洋へ進出する海洋戦略展開の目的」で、共産党人民解放軍の海軍力増強、その象徴である空母「遼寧」を保有していることを「中国の右傾化=軍国主義化の象徴」であると、なぜ批判しないのであろうか。一つ考えられることは、朝日新聞が、中国共産党1党独裁北京政府の機関紙、あるいは宣伝媒体に堕しているからではないのか。

◆日本国憲法第9条は、「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない」と規定している。

 国際紛争を解決する手段としての「戦争」は、永久にこれを放棄しているけれど、「自衛権」は、放棄しておらず、「自衛戦争」も否定していない。

 「攻撃は最大の防御」という軍事用語があるように、「自衛戦争」には、当然、「敵への攻撃」も含まれる。「座して死を待つわけにはいかない」からである。現代戦では「発見」されたら最期なのだ。

 このため、日本はいままさに、中国初の空母「ワリャク」就航を機に、日本は原子力潜水隊艦隊創設・原子力空母建造をし、中国人民解放軍海軍を「第1列島線」に封じ込めておく時代に突入していることを忘れてはならない。

 ちなみに、筆者の義理の「伯父」は、大東亜戦争(日中戦争、太平洋戦争など複合的戦争)の最中、大日本帝国海軍の戦艦「伊勢」(伊勢型戦艦の1番艦。艦名の由来は三重県の旧国名から命名)に海軍砲兵大尉として乗り組み、主砲の砲術士を務めていた。この戦艦は当初、扶桑型戦艦の3番艦として建造が予定されていた。だが、扶桑型に砲力や防御力、運用面等で問題点が生じたため再設計が行われ、準同型艦の伊勢型の一番艦として建造。太平洋戦争後半には戦術変更に伴って、姉妹艦「日向」とともに後部主砲塔2基を撤去し、航空機用作業甲板、格納庫、射出機を設け、搭載機数22機という軽空母なみの航空打撃力を持つ航空戦艦へと改装されたという。海上自衛隊の「ヘリコプター搭載護衛艦」である「いせ」は、その後継艦である。

【参考引用】朝日新聞DIGITALが1月7日午前10時24分、「海自最大の護衛艦『いずも』、どう見ても空母なのでは・・・」という見出しをつけて、以下のように配信した。
「海上自衛隊最大の護衛艦『いずも』が昨夏、進水した。どう見ても空母だが、防衛省は『空母ではない』という。どういうこと? ■能力や構造は空母そのもの 船体の長さ約250メートル。排水量1万9500トン。真珠湾攻撃に参加した旧日本海軍の空母『翔鶴(しょうかく)』『瑞鶴(ずいかく)』に近い大きさだ。自民党政権下で2010年度予算の概算要求に建造費が盛り込まれ、民主党政権を経て、安倍政権のもとで迎えた進水式に、中国や韓国のメディアは敏感に反応した。『準空母の登場』と報じ、『日本の右傾化の象徴』などと批判した。いずもは、京都・舞鶴基地所属の『いせ』『しらね』(5200トン)の後継で、防衛省の説明では『ヘリコプター搭載護衛艦』だ。海自は既に1万トン超のヘリ搭載護衛艦『ひゅうが』と『いせ』を保有。いずもは来春に就役予定で、建造中の同型艦と合わせて4隻を配備する計画だ。先月、閣議決定された中期防衛力整備計画でも、海自の基幹部隊とされる護衛隊群の中核を担う。ヘリコプター9機を同時に運用できる能力や、艦首から艦尾まで甲板が平らな構造は空母そのものだ」(谷邦一)

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