- 2014年01月08日 16:58
iPhoneアプリで自分のブラのサイズを測ってみよう。
いくらインターネットが普及したとはいえ、「これはやっぱり自分の足で見に行って買わないと」と思うものがまだまだある。
その1つとして、女性のブラジャーが挙げられるだろう。試着を行わずに商品を購入すると、僅かなサイズの違いが、窮屈さや違和感、痛みなどを引き起こす可能性があるからだ。
そのため、これまで取り上げてきた「True&Co」と「Brayola」の両ECサイトも、いかにユーザーにフィットする商品を提供し、オンライン販売の問題を解消するか、という点に腐心していた。
今回ご紹介する「ThirdLove」もその例に漏れず、正確なサイズの商品を提供することをモットーとするパーソナライズ型eコマースだ。同サイトは、前者の2サイトと異なり、機械的な方法で正確な計測を行うことを特長としている。
iPhoneのアプリを使って自分の姿を撮影するだけで正確にサイズを測れる技術を持つ、同サイトの魅力に迫ってみよう。
5~10分で採寸&ショッピング
画像を見るThirdloveの利用者は現在のところiPhoneを所有するユーザーに限られている。ユーザーはiPhoneで専用アプリを立ち上げて鏡の前に立ち、自分の姿を撮影する。後はアプリが自動的にサイズを算出し、フィットするサイト内の商品を提示してくれる仕組みだ。
撮影の際は、身体にぴったりしたタンクトップやブラなどを着用。音声と動画に従い、鏡に向かった自分の姿を、正面と側面の2方向から撮影することになる。
画像を見る写真を撮影すると、画像のデータをアプリの画像認識機能が分析し、実物の測定値に変換してデータを算出する。写真とデータは自動的にサイトに送信され、撮影からおよそ5分後には、サイズに合った商品を提示してくれるのだ。
なお、サイトで示されるサイズはThirdLove独自の規格となっている。これは、今までの一般的なサイズは女性の体をうまく反映していないのでは、という思いがあるからだ。購入客の約60%が、同サイトが独自に作ったサイズを愛用しているという。
画像を見る欲しい商品を選んだら、後はガイドラインに沿って購入を行うのみ。なお商品選択の際には、ストラップを変えたりレースを付けたりとカスタマイズすることもできる。
正確なサイズの計測からスタッフの選んだ流行の商品を購入するところまで、ものの10分足らずで行えるのが当サイトの強味だ。なお、価格は45ドル(約4500円)~70ドル(約7000円)で、購入後に商品が合わないと感じた場合は、サイズ交換や返品を無料で行ってくれるという。
簡単に自分に合うブラを
画像を見るThirdLoveを立ち上げたのはHeidi Zak(写真左。以下ザック)氏。米国の大手ヤングカジュアルファッションチェーンAeropostaleで国際事業部を任され、その後はGoogleでの勤務経験を持つ。
共同創業者のDave Spector(写真右。以下スペクター)氏は、オンライン決済代行サービスを行うGoogle Checkoutといったeコマース関連に多く携わってきた人物だ。その後はシリコンバレーのSequoia Capitalで投資家として活躍していた。
両氏はMITビジネススクールで出会ったことを契機に、女性の買い物の仕方に革命を起こすような事業をしたいと考えていた。それがやがて、ブラジャーのオンライン販売につながっていく。
「ブラを買うのってドレスを買うようにはいかない話なのよ。友達に意見を聞きにくいし、サイズを測って試着しても合う商品を探すのが難しい。だから、もっと楽しい買い物にできないのかなっていつも思ってたの」(ザック氏)
ユーザーの意見を調べてみると、一番多かった不満は「自分の身体にフィットしなかった」ことだった。ならば正確にサイズを測ることができたなら、そして顧客一人一人にぴったり合うサイズを展開できたら、と考えた。
その後NASAの契約研究員をエンジニアチームの責任者に据えて、正確なサイズを測るためのテクノロジーを開発することに成功。iPhoneとアプリを用いて、気軽にサイズを計測できるサービスを開始するようになった。
画像を見る「Thirdloveの技術はまるで本物のメジャーのように反応する。正確なサイズがわかるから失敗もしなくなるのよ」(ザック氏)
ユーザーが実際に撮影したデータを使うからこそ、Thirdloveは他サイトよりも、遙かに精度の高い数値を計測し、ユーザーにジャストフィットするブラを提供することができている。
ここで少し気になるのが、ユーザーの撮影した写真やデータがどのように取り扱われているか、という点だ。
Thirdloveは、ユーザーから送られてきた画像は、顧客がサイズに不平を述べたときに測り方がどうだったかを確認したり、またはよりユーザーに合った商品を探すときに使用されるのみで、カスタマーサービス以外の目的で使用される心配はないと説明している。
とは言え、プライバシーの部分でユーザーを不安にさせるのでは、という点については、ザック氏とスペクター氏も相当気にかけているようだ。現在は128ビット暗号化方式を用いて高レベルでのセキュリティ保護を行っており、プライバシーを守るために細心の注意を払っているという。
次世代のeコマースプラットフォーム作り
モバイルでのショッピングは、今後より不可欠なものになっていくと語るスペクター氏。同氏はウェブブラウザをベースにECサイトを考えるのではなく、モバイルを中心にどう技術を生かすかを考えてきたのだという。
「デザインは現代技術、特に携帯電話なくしてより優れているものは提供できないだろうと僕は考えているんだ。ほとんどの会社は、まずウェブにとりかかり、その後携帯電話に合うように作るだろう? だけど僕たちはその逆。携帯電話をベースとする技術を多く利用しているのさ」
同サイトは現在はiPhoneのみの対応だが、今後はウェブバージョンとアンドロイド携帯用のアプリも立ち上げる予定だ。最終的なゴールは、次世代のeコマースプラットフォームを作ることにあるという。
今後は頭からつま先まで全身をスマートフォンで自分に合ったサイズのものを揃えることも、可能になるかもしれない。そうした発展形が考えられるのも、モバイルをベースとした技術を出発点としている同サイトならではの強味だろう。
スマートフォン・タブレットといったスマートデバイスは、eコマースを変える力を持っている。Thirdloveは、それを証明するECサイトの1つと数えて問題ないだろう。



