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類稀なる品揃えを誇る古書専門のマーケットプレイス「Abebooks.com」

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当ブログでは、Amazonとの競争に挑むECサイトをたびたび取り上げてきた。そのひとつ、「Singularity & Co.」では、絶版となったSF小説をコミュニティの力を利用して再販するというビジネスモデルに注目し、Amazon攻略について考察した。

今回ご紹介する「Abebooks.com」は、同じ書籍販売でありながら古書というニッチな商品に特化したことで、Amazonとの棲み分けに成功したECサイトだ。

同サイトは、1996年カナダ・ブリティッシュコロンビア州(以下BC州)ビクトリアにて創設。書籍専門のマーケットプレイスとして、主に希少本や絶版本などの古書を取り扱っている。

米国、英国、カナダ、ドイツ、フランス、イタリア、オーストラリアといった国々の古書店が提供する書籍データは1億1000万冊分に渡り、2007年の売上は約3000万ドル(約31億円)。古本販売や書籍データベースとして、最大規模を誇る巨大サイトなのである。

中古書籍、希少本、絶版本のスペシャリスト

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Abebooksで取り扱っているアイテムは、中古書籍、希少本、絶版本、教科書などだ。

特に希少本や絶版本の品揃えは他の追随を許さないものがあり、世界中の1万3500もの古書店を通じて、各国の名作の初版本から、ブラームスやシューマンの直筆手紙といった珍品まで出品しているという。

また、一般に流通している古書でも、Amazonより安価で購入できることも多く、コレクターからライトユーザーまで、幅広い層が利用できるのが魅力だ。

教科書を安く買いたい学生にとっても、同サイトは利便性が高い。

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米国では教科書の定価が高めに設定されていることが多く、大学生は1年あたり1000ドル(約10万円)以上本代にかける必要があり、なるべく出費を抑えたいのが実情だ。

そこでお得なのがインターナショナル版。これは物価の安い海外向けに販売されている教科書のことで、中身は基本的に同じながら、安価な紙質で、表紙もソフトカバーが使われているため、米国版よりもかなり安い価格帯となっている。

同サイトは世界各国の書籍データを持っているため、インターナショナル版も豊富に取り扱っている。第何版であるかによって内容が異なるなど、いくつか注意すべき点はあるものの、同サイトでインターナショナル版を購入することで、教科書にかかる費用を大幅に節約することができるという。

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19世紀のようなやり方で古書店経営をしている妻を見て

Abebooksの創業者となったのは、カナダ在住の2組の夫妻だ。1人は古書店経営者であり、残りの3人は州政府のIT技術者だった。

サイトが生まれたきっかけは、古書店を経営していた女性が、書籍売買の取引についての情報を整理するのにさんざん苦労していたことにあったという。

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1995年のこと、カナダBC州ビクトリアで古書店「Timeless Books」を経営していたCathy Waters(上写真。以下キャシー氏)は、ある顧客から在庫のない書籍の注文を受けた。

彼女はその書籍を他の書店から購入するため、古書取引の業界誌に広告を出す。

しばらくすると、広告を見た全米各地の古書ディーラーから売買希望の手紙が山のように届いた。しかし、それを見たキャシー氏は途方に暮れてしまう。

「手紙はポストカードだったり、一枚の紙切れだったりバラバラだった。その上書式もぜんぜん統一されていなかったから、取引以前に内容を整理するだけで一苦労だったの」

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そんな妻の様子を見た夫のKeith(写真左。以下キース氏)は、「きみはなんでこんな面倒なことをしてるの?」と、思わず問いかけた。

というのも、州政府でデータベース設計者として働いていた彼は、その頃ちょうどロンチしたばかりだったAmazonについて、毎日のように友人と話していたからだ。

世間ではインターネットで書籍の販売が始まったというのに、自分の妻は19世紀のようなやり方で古書店経営をしている。

「もしオンラインで古書の取引ができるようになれば、妻の悩みが解決できるのではないか?」

そうひらめいたキース氏は、長年の友人で同じ州政府のIT技術者として働いていたRick Pura(写真左、以下リック)氏とその妻Vivian(写真右、ビビアン)氏に話を持ちかけ、仕事の後や週末になるとお互いの家に集まって古書店のリストアップや本の在庫リストのデータベース化を進めるようになった。

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やがてデータベースが完成し、誰もが簡単にオンラインで検索できるシステムを構築した4人は、1996年6月にAbebooksをスタートさせたのである。

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