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中国 南シナ海の3分の2にわたる海域の支配強化へ

昨年、東シナ海に防空識別圏(ADIZ)を設定した中国は、南シナ海でも同様の措置をとるのではないかと目されていました。しかし、東シナ海で思いの外大きな反発を国際的に受けたことを考慮しているのか、現時点で南シナ海にADIZを設定したとの発表はありません。

そんな中、中国政府は、南シナ海において外国の漁船や調査船が活動するには事前に中国の地方当局に承認を得るよう新しい規則を施行しました。南シナ海で中国と海洋主権を争う周辺国との軋轢が深まることが予想されます。
China Orders Foreign Fishing Vessels Out of Most of the South China Sea(Washington Free Beacon)
新規則は、昨年11月に海南省人民政府によって発表されたもので、今月1日に施行されたようです。海南省の行政区域を通過するすべての外国漁船は中国当局の承認が必要となりました。違反した場合は、中国の国内法で定められているとおり、強制退去、船舶の差押え、そして最大82,600米ドルの罰金が科せられます。また、漁船員が中国の法律によって起訴される場合もあります。問題となるのは、その海南省行政区の範囲で、これがなんと南シナ海の3分の2にわたる広大なもの。

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(Washington Free Beaconより画像転載)

なお、この範囲は、中国が従来より南シナ海で主張する範囲(9点破線で囲われることで知られています)と重なっています。南シナ海の主権を中国と争っているのは、ベトナム、フィリピン、マレーシア、ブルネイの4カ国。それぞれの主張ラインは下図の通りです。

リンク先を見る

自国の漁業権益を守ることはさておき、この海域から他国の漁船を締め出すつもりであれば、係争国の反発は避けられません。さらに、調査船や軍艦の無害通航をも規制して航行の自由を妨げるとなると、国際法の無視ということで東南アジア諸国だけでなくアメリカも引っ張り出すことになるため、中国にとってあまり筋の良い手ではないんじゃないかなあ、と。一応、中央政府ではなく、海南省という一地方行政府の通達であることを盾に国際社会からの非難をかわすつもりではあるようですが…。東シナ海のADIZ設定といい、最近の中国は何か焦っているように見えますね。

それにしても、中国の海洋権益の主張の仕方が、シーパワーのそれではなく、ランドパワー的発想なのが興味深いです。

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