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経済再建への「実感」の年に! / 「未来」見据えた国土・まちづくり

2014年の新しい年を迎えた。今年のキーワードは「実感」と「未来」――私はそう決意している。

まず「実感」。

安倍内閣は、「被災地の復興加速」「景気・経済の再生」「防災・減災をはじめとする危機管理」を三本柱にしているが、2年目の今年は成果が現場で見えるように、前進を実感できる年にしたい。

「被災地の復興」は、基幹インフラの整備は順調に進んでいるが、住宅や高台移転などのまちづくりも加速しなければならない。被災地の方々に早く復興を実感していただけるようにしたい。

「景気・経済の再生」は、円高・デフレの克服が課題だったが、株価は1年で約6割上昇し、円高も是正された。着実に成果が出てきている。これまで長い間陥っていた「あれもダメ、これもムリ」という"心のデフレ"は打ち破った。昨年末の12月20日には、外国人旅行者1000万人を史上初めて達成。この一つの要因は、アベノミクスにより円高是正が進み、日本経済が活力を取り戻したこと。「元気な所に人は集まる」ということだ。このような景気・経済回復の歩みを、さらに地方や中小企業、庶民の生活も含めた全体で実感できるようにしたい。

「防災・減災、危機管理」について、昨年私は「防災・減災、老朽化対策、メンテナンス、耐震化」を公共事業のメインストリームに置くことを初めて明らかにして取り組んできた。集中豪雨や台風などの災害は集中的・局地的、そして激甚化し、首都直下地震や南海トラフ巨大地震が切迫している。首都高速が開通後50年以上経つなど、高度成長期以降に整備されたインフラの老朽化も進んでいる。「命を守る公共事業」――国民の命を守るため、安全・安心を実感できるようさらに取組を進めたい。

<2050年へのグランドデザイン>

そしてもう一つのキーワードは「未来」。社会の変化は激しく、対応型の政策を繰り返していては、真の日本再建はできない。

今年の3月には、新しい「国土のグランドデザイン」をまとめる。これは、2050年という長期の視野に立って、日本の国土をどう強くするか、都市や地域のあり方をどうするか、経済や暮らしをどう成長させていくかということを示すものだ。

我が国はこれから本格的に人口減少、高齢化が進んでいく。例えば国土を1㎞メッシュに分割してみると、2050年にはなんと約66%の地域で人口が半分以下になると予想されている。一方で巨大災害が切迫し、2050年までには首都直下地震と南海トラフ巨大地震のいずれかは起きている可能性もあるだろう。また、アジア新興国の急速な経済成長や都市間競争の激化は必至だ。物流面でも、シェールガス革命や北極海航路の利用、パナマ運河の拡張など、来年にかけて動きが大きく始まっている。国内でも、物流構造の変化によって日本海側の港も重要になり、太平洋側と日本海側を結ぶインフラが重要になっていくだろう。

こうした激変に対して、目の前の状況への対応型の思考であってはならない。ローカルからグローバルまで、長期的視点から「未来」の国土の姿を構想して、今から様々な取組を進めていかなければならない。

例えば地域においては、人口減少社会でも活力を維持できるよう、様々な機能が集約したコンパクトな拠点とこれを結ぶネットワークを形成する。「コンパクトシティ」への再編が必要となる。地方分権や道州制といっても、ゾーンで地域経済活性化への自立エンジンを持つことが大切だ。

東京をはじめとする大都市では、激しい国際的な都市間競争を勝ち抜いていくため、ゲートウェイ機能の強化が不可欠だ。さらに、ICTを活用したスマートシティ、高齢社会にも対応したスマートウェルネスシティを目指さなければならない。

<3次元空間のまちづくり>

このようなグランドデザインを考えていく上で、私が重視しているのは、3次元で国土構造を考えるということだ。これまでの国土計画は2次元の平面の地図で考えていたが、これからは高度に発達した情報通信を組み合わせた3次元空間のまちづくり、国土づくりを進めていかなければならないと思う。これからの訪日外国人旅行者2000万人以上、高齢者や障がい者などに対応するためのまちづくりだ。特に、準天頂衛星と高精度な電子地図を組み合わせて精密なナビゲーションシステムを構築する。全国どこでも外国人や高齢者の方にもスマートホンなどでスムーズな経路案内や情報サービスの入手が可能になる。観光でのルート案内や災害時の避難誘導も多言語対応で可能だ。センチメートル単位の情報化により、「センチメートル測位社会」を世界に先駆けて実現すれば、まちづくりやインフラのあり方は劇的に変わるだろう。

私は6年後、2020年の東京オリンピック・パラリンピックでは、2050年を見据えた3次元空間まちづくりの先行事例を世界に示していきたいと考えている。2020年はゴールではなく、2050年という未来の国土を見据えた助走期間と捉えるべきなのだ。訪問する外国人もスムーズに移動できる多機能都市、高齢社会に対応したバリアフリー、災害が発生した場合にも万全の対応ができる防災まちづくりを長期的視野に立って、意欲的に進めていきたい。

「実感」と「未来」。今年はこの2つをキーワードにして、着実に取組を進めたい。

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