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子育て支援に4つの柱――国家の危機見すえた骨太の論議

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「迷った時こそ大きな絵を描け」「行き詰ったら原点に戻れ」という言葉がある。行き詰った時は時代の変化に対応できていない。目的も見失っている。だから従来の発想を打ち破り、新たな時代に対応した仕組みに思い切って変えよ、そのためには「何のために」という目的に再度立ち帰れということだろう。

今、日本はデフレ・不況の中にある。財政も厳しくギリギリの状況だ。そして「グローバリゼーション」「少子高齢化」「環境の制約」という激しい構造変化のなかにある。その現実と構造変化を直視して、しっかりした制度設計をしないと、制度の持続性どころか、国自体が沈んでいく。今、国会では23年度予算と関連法案の審議が行われているが、大事な事はそうした視点と国を担う責任感・危機感だ。

制度設計自体がいい加減

現在審議中の「子ども手当法案」とは一体、そうした厳しい経済・財政・少子高齢化の下で、しっかり考えられたものなのか。どうも、民主党の選挙用のマニフェストでしかなかったのではないか――そこに「子ども手当」の不人気の根っこがある。

この国会論戦でも「子ども手当」の制度設計があまりにもいい加減なものであったことが明らかになっている。子ども手当は、「子ども1人あたり月額2万6000円を出す。全額国庫負担で地方自治体には負担はかけない。ムダ削減で財源は捻出する」というものだ。しかし論戦によって「当初1万6000円といっていたのが、突然2万6000円となった根拠が全くない」「子ども手当と児童手当と思想が全く違うなどといって、民主党は児童手当改正に反対しておいて、この3年の間でも、考え方が同じだとか違うとか二転三転」「配偶者控除を削って財源にするといっていたのに"選挙目当て"でダンマリを決めこんでいる」等々が明らかになった。

そして現在の法案は、「支給は半分の1万3000円。地方にも負担させる。財源は約束していたムダ削減によってではない」というもの。また「恒久法にして出すといっていたが、またも1年限りの時限法」「"子育て支援全般の施策の拡充"を約束していたが全くダメ」。さらに「3歳未満を7000円増やして2万円にしたが、これは今年から年少扶養控除が廃止されることによって実質的に手元に残る金額が減る家庭への辻つま合わせで、子育てを充実させようとしたものではない」という代物だ。

こうした制度は一時のものではないだけに、しっかり制度設計されたものでなくてはならない。

バラマキ予算こそ問題

まず第一に、デフレ・不況下でしかも財政の厳しいなかでの政策選択ということだ。来年度予算は「景気・経済の回復をめざすと同時に、財政の襟度をもつ」ものでなくてはならない。それからいくと、「2年続けて国債発行額が税収を上回る」「通例より約10兆円近く増やした92.4兆円のバラマキ予算」の中核に、この「子ども手当」があっていいのか、という疑問だ。「バラマキだ」とか「景気回復に役立たない」とか「他にまわした方がよい」というように「子ども手当」が不評なのは、まさにここに根源がある。

第二は、「子ども手当」は、子育て支援が政策目標ではなかったのか、という本質的問題だ。児童手当のみならず、子育て支援全般に力を入れてきたのは公明党だ。

子育て支援には4つの柱がある――これが私の主張だ。

①若者雇用(若い人の雇用不安が結婚・子育てに最も影響している)

②ワーク・ライフ・バランス(社会そのものの変革と育児休業などの諸施策の実現)

③保育所等の拡充(待機児童ゼロを早急に進める。保育所がないと職場に戻れない)

④児童手当の拡充(子ども手当もそうだが、こうした経済支援)

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