記事
- 2014年01月03日 12:30
アイドルとは何か~ビジネス視点から定義する~
3/3◎2つの成長ストーリーとファン層の嗜好性の違い
次に、2つの成長ストーリーがファン層の形成にどのように関係するかを述べます。アイドルの人気がどのフェーズに存在するかによって、こちらの関係性は異なってきますが、ブレイクしたアイドルは数少ないため、デビュー後数年経ってブレイク以前にいるアイドルについて説明します。下図のように基本的には、アイドルの人間的成長ストーリーの度合いが強ければ、青色のファン層の割合が増え、アイドルとファンとの関係性の成長ストーリーの度合いが強ければ、緑色のファン層の割合が増えるといった関係です。
| リンク先を見る |
| 成長ストーリーの度合いとファン層の関係 |
1.アイドルの人間的成長ストーリーを好むのは20才後半~30代以降の社会人のファン層と遠距離でアイドルを応援するファン層が好みます。後者は物理的距離の制限によって自明ですが、前者はアイドルが頑張ってその努力が報われている姿や、運営側に与えられた試練を楽しそうに乗り越えていく明るい姿などを好みます。
また、人間的成長ストーリーを創作する層としては、文字や映像による表現に長けている高学歴や高い教養を持った人間で、これらの層を獲得すればコミュニティー・マーケティングのコアとなる成長ストーリーの創作することができ、また、お金の自由度が高い層であることが多いことから、一定の利益率を確保するメリットが生まれますが、逆に多すぎるとファンの流動性が少ない固定化されたファン・コミュニティになってしまいます。
2.アイドルとファンとの関係性の成長ストーリーを好むのは高校生~大学生の層が主であり、彼らは同世代のアイドルから応援対象との関係性を深めることを好みます。こちらの層はお金の自由度は低く、フリーライブ等に参加しがちですが、コミュニティーの構築や情報の拡散能力が高いため、彼らの属するコミュニティーに対して効果的にリーチする可能性が高くなりますが、逆に多すぎると青の層が近寄らず利益率の低下をもたらします。
この成長ストーリーの度合いを調整することによって
アイドル・グループのファン層をある程度コントロールし、バランスを取ることが可能となります。
(ある程度と書いたのはその他の要因によってこのファン構成が変化するためです。)
◎アイドルの定義を再定義する必要性の高まり
現在アイドルは1,000グループ以上存在すると言われ、各アイドルは先ほどの商品構成の形態の差異化にフォーカスしているように思います。ビール業界において、アサヒスーパードライが生まれる以前、競合するビールは商品構成のパッケージや付随機能のおまけを拡充することに労力が費やされました。
その中でアサヒ飲料はビールという商品のコアを再定義し、キレと鮮度を重視したスーパードライが生まれ、そのコアを消費者に提供するためにサプライチェーンを大幅に刷新するなど、コアを再定義することによって大ヒットとなりました。
若干、最近のアイドルの成長ストーリーも似通って、商品構成における形態や付随機能の差別化だけではなく、再度アイドルのコアは何かと各運営側が再定義することによって、新しい次のアイドル像を創造して頂けたら嬉しいです。
◎成長ストーリーにはどのようなパターンが存在するか
最後ですが、成長ストーリーにはどのようなパターンがあるか、現在私が気づいたストーリー構築を殴り書き程度ですがリストアップさせて終わりにします。長い文章でしたが読まれた方々ありがとうございます!◎人間的成長ストーリー
-グループ知名度の拡大・イベント会場の規模拡大
・イベント開催の地域数拡大
・大規模人口の都市での開催(ロコドルの場合)
・小規模人口の都市での開催(中央型アイドルの場合)
・マスメディアへの出演
など
-内面的成長
・メンバーの卒業・脱退
・メンバーやアイドル同士の喧嘩や和解
・メンバー間の友情の構築
・リーダーとしての意識の変化
・ファンとの一体感の創出
・グループ内での役割の変化
・運営が提供するハードルへの対応
・バラエティーやインタビューへの対応
・夢の具体化
・過去に起きたことへの振り返り
・接触イベントに対する対応の改善
・自我の芽生え(苦手なことができなくても、これが私なんだという考え もしくはその逆)
・降格と昇進
など
-身体的成長
・物理的身体の成長
・パフォーマンス(歌、ダンス)の成長
-その他
・既存アイドル・イメージの破壊
◎関係性の成長ストーリー
・接触応対態度の変化・認知(アイドルが自分の名前や個人情報を覚えること)
・興味を持たれる
・レス
・他のファンが経験したことのない唯一の経験
など
- Cute Strategy
- 外資系戦略コンサルタントがアイドルをビジネス視点で分析



