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「アジアは内需」との気概と制度設計 「景気・経済の回復」「生活不安の解消」の年に

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2011年の日本は、とにかく前に進んでいく年にしなければならない。「内向き、下向き、後ろ向き」を脱していく。グチや評論を振り捨てて、前に進まないと、日本は衰えてしまう。国民の求めていることは明らかだ。不安を解消してほしい、明日が見えるように確たる方向へ歩み出したという断固たる姿勢がほしい。なかでも「景気・経済の回復」「年金・医療・介護等の不安解消」――この2点はその軸だ。

リーマン・ショックから2年3か月。2010年の世界経済はG20を中心とした金融政策・財政政策の全面協調に乱れが生じた。ドバイ・ショックに驚き、ギリシャ・ショックにおびえ、通貨切り下げ競争に走った。そのなかで日本は無策、そして標的にされた。政府のツーリトル、ツーレイトの金融・財政政策、しかも民主党政権の「リーマン・ショックの余震やまず」という世界経済認識を全く欠いた世界でも稀な逆噴射政策、予算削減(景気に役立たないところにはバラまく)、さらに内向きのゴタゴタが追い討ちをかけた。今大事なのは、世界経済がどう進むのかを見ていることではない。日本経済が回復に向けて力強く歩み出せるかどうかだ。

沸騰し変貌するアジア



内需主導と言う人がいるが、当然、内需は大事であり、介護など社会保障の分野での需要に対応することも大切だ。しかし、少子高齢化、人口減少社会のなかで、それにも限りがある。私は「アジアは内需」と大きな肺活量で取り込む気概と制度の設計・支援が不可欠だと言い続けてきた。

2011年は「アジアの時代」だ。アジアは沸騰し、世界経済の縦の軸は太平洋から日本中心のアジア東部へと移り、そして今は中国、韓国は当然ながらASEANからインド、パキスタン、バングラデシュと西の方向に移ってきている。しかも生産のみならず消費の大拠点アジアであり、さらには消費の中身も富裕層、中流層に加えてアジアで20億人といわれる年収3000億ドル未満のBOP(ボトム・オブ・ピラミッド)が加わり始めた(「アジア力」後藤康浩著)。そうした生産・消費の両面にわたる急速度の変化を如実知見する動体視力が必要だ。

中国・韓国の攻勢



たしかに、アジアの熱気はすさまじい。先日も「韓国のIFEZに4億円投資した。すさまじい勢いが韓国にある」という生の声を企業人から聞いた。IFEZとは、仁川自由経済区域。ここを国家戦略として、世界の資本を取り込み、新産業の都市自体を誕生させる。ICTビジネス、環境、医療、教育、R&Dつまり先端技術開発拠点を築き上げる。そのプロモーション・ビデオを見たが、未来に向けて、世界の拠点を作り上げよう、世界の企業にどうぞ投資をしてください、都市そのものを創造するという意欲的挑戦だ。

この半年、サムソン、LG、現代の特集が月刊誌などで繰り返し成されている。リーマン・ショックから2年、韓国ウォンは最大45%安、日本円は最大40%以上の円高、これを利用しての戦略に、日本企業は大苦戦。グローバル経済の構造変化に韓国勢が明らかに踏み込んでいる状況だ。

人気沸騰の「少女時代」は、従来の「冬ソナ」とか「韓流ブーム」などではなく、明らかにグローバル市場への展開を戦略的に緻密に鍛え上げており、韓国は経済だけでなく、文化・芸術をも加えて攻勢をかけている。

もちろん中国もパワー全開だ。都市創造でいえば中国政府肝いりの省エネのスマート・シティ「天津生態城」など、アジアを巻き込んでの動きは急だ。明らかに都市自体を創り変えようとしている。

別の企業では、「韓国のIFEZは地理的に北すぎる。もっと中国南部、東南アジアの拠点づくりに自分の社は備えようとしている」という声も聞いた。アジアのパワー、中国のパワー、日本のエネルギーの無さ、政治の遅さと内向きに対して、日本の企業の苛立ちはギリギリの所まで来ている。

「内向き、下向き、後ろ向き」を変えよ

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