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みずほ銀行の闇を知る元行員とは――暴力団への融資は氷山の一角 - 高田欽一

「事件の奥にある真実を探ろうとすれば死人が出ますよ」

 関係者からそう警告された。

 みずほ銀行が暴力団組員に融資し、金融庁の検査に虚偽報告をしていた件は、九月二七日に金融庁が行政処分を発表して発覚。国会でも問題にされ、一一月一三日に衆院財務金融委員会で、二一日には参院財政金融委でも佐藤康博頭取が参考人招致され、「関係各位に迷惑をかけ、社会を騒がせたことを深くお詫びしたい」と陳謝した。

 反社会勢力への融資の担当者は、及川幹雄氏という元行員。及川氏は、みずほ銀行の裏の仕事を担当し、闇社会から“ワシらのATM”と認識され、常時二億円の金を動かしていたという。国会で問題にされた二億円は、氷山の一角にすぎないということだ。

 また及川氏は、銀行の顧客には有利な投資商品を勧誘して集めた金を不正流用していた。暴力団には返済される見込みのない融資を行なう一方、顧客の金を騙し取っていたわけだ。 

 一二月三日に東京地裁で、銀行の顧客がみずほ銀行を訴えた裁判が二件行なわれた。出資者が及川氏とみずほ銀行に損害賠償を求めた裁判ではすでに、九月二四日に東京地裁が及川氏に全額支払いを命じる判決を下している。及川氏に対してのみ責任が認定されたのだ。同裁判では月利三%の金融商品だったが、別の被害者には月利八%という常識外れの高金利で勧誘していたという。銀行としては、及川氏の単独による犯行にしたいようだ。

 一方で及川氏は、銀行を辞める時に「銀行は絶対に俺を切り捨てることはできない」と彼と親しかった関係者に言っていたという。及川氏が握っているみずほ銀行の闇は深く、それを知ろうとすれば、冒頭のように「死人が出ることになる」と言われたのだ。

 この事件についての報道は少ないが、『週刊新潮』一一月二一日号が「みずほ行員が闇社会に流した詐欺の50億円」と掲載している。取材を受けた関係者によれば「『新潮』の記事は連載予定だと聞いていたのだが、なぜか一回で打ち切られてしまった」という不可解さも残っている。

 次回の東京地裁の期日は、来年一月二一日と二八日。みずほ銀行の闇が暴かれるのか注目したい。

(高田欽一・ジャーナリスト、12月13日号)

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