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国連を通じての、緊急かつ人道支援としての外国軍隊に対する銃弾譲渡は許される

これは駄目だ、とは言えない。

国連決議があり、これに基づいて国連事務総長から個別具体的な要請があり、かつ安保理事会の常任理事国がすべて承認しているのであれば、わが国として何もしない、という訳にはいかない。

わが国が遵守すべきなのは憲法前文と憲法9条に基づく国際平和主義であって、武器輸出三原則それ自体は法規範ではない。
外国の軍隊に銃弾を譲渡することが憲法9条で言う「国権の発動たる戦争」「武力による威嚇」「武力の行使」には当たらないことはその文言上明らかで、武器輸出三原則はあくまでわが国が国是としている国際平和主義から逸脱しないための国政運営上の一つのルールだと言っていいだろう。

武器輸出三原則の例外措置を講じる時は、閣議決定を経て内閣官房長官が個別にその理由を述べる、という現在の慣行はよく出来ている。
政権が変わり、内閣が変わってもこの慣行は維持すべきだろう。
武器輸出三原則の見直しが検討課題に浮上しているが、そのことと今回の措置とは切り離して考えるべきだと思う。

今回、日本の自衛隊が国連の要請に基づいて、その保有する銃弾1万発を韓国軍に譲渡するために国連に引き渡した、というのもいい。

わが国が国連中心主義を採っている以上、わが国は国際紛争の場に関わらざるを得ない時はあくまで国連総会決議と国連の保理事会決議を踏まえるべきで、わが国の時の政府の恣意的な判断や一時的な打算で国際紛争に介入するようなことはしない方がいい。

今回の措置は武器輸出三原則を踏みにじるものだという批判を展開しているマスコミ報道もあるが、今回の措置は妥当な範囲に留まっているというのが私の見方である。
さて、皆さんのお考えは如何だろうか。
参考:ロイター配信記事

「輸出三原則の例外措置と官房長官、陸自がPKOで韓国に銃弾提供
ロイター 12月24日(火)10時44分配信

[東京 24日 ロイター] -菅義偉官房長官は23日に発表した談話で、国連南スーダン派遣団(UNMISS)に参加する韓国軍に陸上自衛隊が小銃弾1万発を提供したことについて、武器輸出三原則の例外措置と説明した。

自衛隊の弾薬が、国連や他国に供給されるのは初めて。菅官房長官は談話で、1)韓国隊隊員や避難民らの生命・身体の保護のみに使用されること、2)UNMISS以外への移転が厳しく制限されること──を前提に、「武器輸出三原則等によらないこととする」とした。

銃弾の供給は22日に国連が要請した。韓国の小銃に合う5.56ミリ弾を保有しているのがUNMISSでは自衛隊のみで、現地の治安が悪化する中、「緊急の必要性・人道性が極めて高い」(官房長官談話)ことから、政府は23日に応じることを閣議決定。同日に国連を通じて韓国に譲渡した。」

【関連議論】
自衛隊PKO活動での弾薬提供に賛成?反対?

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