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人口減少・高齢化は危機なのか

逆に人口増加が続いていたら…

 12月10日に一般質問を行ないました。質疑の詳細については次回ご説明致しますが、今回の大テーマも、平成24年の一般質問に引き続き「人口減少社会を前提とした取り組みについて」でした。

 私が人口減少社会や人口問題にこだわるのは、「人口減少・高齢化=危機」という思考が、現在抱えている問題を更に悪化させていると考えるからです。

 「人口減少・高齢化=危機」と考えてしまうと、その打開策として、とにかく子供を沢山産んでもらうための政策に重点を置くようになります。子供を産みやすく育てやすい環境の整備自体は私も必要だと思います。しかし、そうした政策の結果として出生率が上昇したとしても、少なくとも今後数十年間は人口減少を止めることは事実上できません。それは、国立社会保障・人口問題研究所や、この度、静岡県が公表した独自の将来人口推計を見ても明らかです。少子化(出生数の減少と出生率が人口置換水準(2.07)を下回ること)は、1974年頃から始まっている社会現象であり、その結果として出来上がっている今の人口構造を直ちに変えることは不可能なのです。

 ですから、人口減少・高齢化社会への備えとして必要なのは、人口減少や高齢化を食い止めることではなく、人口減少・高齢化社会でも持続可能な社会システムを今から構築することなのです。

 しかしながら、「人口減少・高齢化=危機」という思考が根強くあるせいか、人口減少・高齢化社会を前提とした取り組みを進めている自治体はごくわずかであると言わざるを得ません。かつて総務大臣も務めた増田寛也・元岩手県知事は、中央公論12月号の特集「壊死する地方都市」の記事の中で、「右肩上がり経済、人口増を前提にした構造が一度出来上がると、絶対にそれを変えようとしないのが日本だ」というように述べていますが、残念ながら、現時点では、国も地方も正にその通りだと思っています。

 もしも現状とは逆に、人口増加が続いていたらどうでしょうか?例えば、日本の人口が2億人を超えているような状況だったとしたら、果たして、将来が明るい幸せな社会となっていたでしょうか?人口増加に伴い国内市場も拡大しますから、経済や産業の面では良いかもしれません。しかしその一方で、今でも決して広いとは言えない家や公園、学校等は一層手狭になり、住宅地等の確保のために環境破壊や自然災害の危険性をないがしろにして森林や田畑をつぶしたり、ゴミ問題が今以上に深刻化、食料やエネルギー自給率も更に低下…等々が起きていたのではないでしょうか。また、人口増加が止まる見込みがないということで、中国のような一人っ子政策の導入も検討されていたかもしれません。

 つまり、子供を沢山産みたくても産ませない社会になっていたかもしれないということです。極端な比較かもしれませんが、そんな人口増加社会と比べれば、私は人口減少社会の方が遥かに可能性やチャンスそして希望は大きいように思いますが、如何でしょうか。


人口減少・高齢化への備えが出来ていないことが危機:早急に取り組みを!

 このまま人口減少・高齢化社会に突入すれば、年金・医療・介護等の支出は増え続ける一方、それらの保険料収入は減り続けるために、一連の社会保障制度は成り立たなくなります。行政は、保険料を引き上げたり受給額を減らしたりしていますが、そうした小手先の改革だけではいずれ行き詰ります。制度としては抜本的な改革が必要ですし、また、社会の在り方として、「高齢化社会=負担増」という考え方や仕組みを変えるべきと考えます。言い換えれば、人口減少・高齢化への備えが出来ていないことが危機だということです。

 そもそも私は「高齢化社会=負担増」と考えることは高齢者の方に大変失礼だと日頃から思っています。例えば、死ぬ直前まで元気にいられるように社会全体で心掛けるようにし、元気な高齢者には出来る範囲で働き続けてもらえるようにしていけば、病院や年金ばかりに頼らなくても良くなります。また、「俺達が若者を、社会を支えてやる!」というくらいの気概のある元気な高齢者が沢山いるような社会を築くことができれば、高齢化社会も決して暗いものにはならないはずです。

 そうした取り組みを具体化することは簡単ではないでしょうが、自分も二十数年後には立派な高齢者。今から、自分自身の問題としても捉えながら、人口減少・高齢化社会を前提とした取り組みを進めていきたいと思っています。

 お読み下さり、ありがとうございます。

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