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東国原嫌いの人のための東国原講座(2)〜国政を担うものとして離党=辞職は当然

都知事選をめぐってTwitterで非難されている東国原英夫氏を、僕が脚を使って、あるいは本人から直接聞き出した内容をもとに「安心理論」でヨイショし、東国原のメディア的イメージを相対化するという作業を都合三回でお届けしている(最後にちょっとひっくり返しますが)。今回は③テレビ、とりわけバラエティに頻繁に出演して小銭を稼いだ、④衆議院議員になって間もないのに職を辞してしまった、の二つについてみていこう。

③バラエティに出演して宮崎を売る

知事就任時、確かに東国原はやたらとテレビに露出した。しかも報道ではなくバラエティに。しかし、これは本人も語っているのだが、宮崎を活性化するための確信犯的な戦略だった。バラエティは報道よりも露出時間が圧倒的に長い。東国原はこのメリットを利用したのだ。テレビに出演し、出ずっぱりになっているあいだに、ひたすら県産品を宣伝し続ける(前述の宮崎鶏はその典型。東国原+県産品というセットはほとんど毎回やっていた)。県産品の宣伝を報道でやることは出来ないのだから、これは効果的。しかも宣伝料は=広告費はタダというわけで、テレビの性質のスキマを利用した見事な作戦だった。で、宮崎鶏、マンゴー、焼酎、宮崎牛が全国に知れ渡ることになる。また、この四つの県産品に関する情報をテレビを利用して傾斜集中的に流すことで、その背後にある「宮崎」のイメージを全国に認知させることにも成功する。なんのことはない、宮城と宮崎を間違えたり、宮崎が日本のどこにあるのかわからなかったりする人間が格段に減ったのだ。

つまり、「あの東国原の、地鶏の、焼酎の、マンゴーの宮崎」というかたちで県のイメージを全国区にしていった。さらに、そうやって「全国区」になった宮崎を宮崎県民が中央メディア越しに確認することで、今度は県民アイデンティティが醸成されてもいったのだ。当然、東国原の人気は高まった。

ちなみに、テレビに出て「小銭を稼いだ」(この表現で相手を批判する場合、「小銭」といってもかなりの額になるのが一般的なモノのイイ)なんてのはまったく的が外れている。出演したのは県知事=政治家としてであり、こういった場合、タレントとは違ってギャラは格段に下がる。ヘタすれば桁が一つくらいは下がってしまうし、公人として出演した場合にはギャラはゼロである(たとえばスターだったプロスポーツ選手が引退した際には芸能プロダクションと契約するケースが多いことを考えれば、これはよくわかる。彼らは事務所に所属し「選手」ではなく「タレント」として登録されることでギャラを跳ね上げているというわけだ)。だから、東国原の場合には本当の意味での「小銭稼ぎ」、つまり「お駄賃」程度しかギャラをもらってはいないわけで(印税の方がはるかに高い)。これで私腹を肥やすなんてことは、はっきりいってムリ。つまり、東国原は小銭を稼ごうとしたのではなく、宮崎を効果的に宣伝しようと努めた。その結果としての戦略がバラエティへの頻繁な出演だったのだ。政治家のパフォーマンスとしてはとてもクリエイティブな、ファンタジスタ的なメディア利用であったといっていい。

④就任間もないにもかかわらず衆議院議員を辞めることは政治のルールに適っている

東国原は維新の会を離党すると同時に議員職も辞した。これは今回の争点にもなっているところで、東国原への批判は1.当選間もないのに辞めたこと、2.都知事のポストを睨んで辞めたのではないか?ということ、がポイントになる。要するに政治的に一貫性がなく、「イイカゲン」で「機を見るに敏」な政治「屋」というネガティブな、まとめてしまえば「腰が軽く」て「品がない」というイメージだ。

しかし、猪瀬の辞職=都知事選と東国原の議員辞職の動機を無関係として捉えると、評価はまったく反対になる。

東国原は比例区選出である。比例区はもともとは投票が拘束名簿式だった。つまり「個人名」ではなく「党名」を記入することになっていた。ところが2001年からは非拘束名簿式に変更され、「党名」「個人名」どちらでもよいということになった(だから、その後、浮動票を集めやすい有名人がどんどんリストアップされていったのだけれど)。

だが、この変更で選挙のシステムそれ自体が中途半端なことになる。本来、比例区は「個人」ではなく「政党」への支持票なのだが、それが個人の人気にも依存するということになってしまったからだ。しかし、「政党に投票する」という原則は相変わらず、ある部分では守られている。比例区の議員が何らかの場合に職を失った(逮捕や死亡など)場合、比例順で落選している候補の上位が繰り上げ当選となるのというのがそれ。

で、ここで問題が起こった。それがみんなの党の集団離党問題だ。ご存知のように江田憲司衆議院議員を中心に14名が離党したが、その内、なんと12名が比例区。比例区を拘束名簿式にした当時の理念に従えば、この12名は当然、自動的に議員職を退き、代わって比例順で下位のみんなの党の党員が繰り上げ当選になるはず。実際、その原則に基づいて党首の渡邊喜美は議席を返せと訴えている。ところが、この12名はなぜか「個人票」にプライオリティをおいて考えており、返上の意志がない。う~ん、なんて政治的に一貫性がなく、「イイカゲン」で「機を見るに敏」な「品のない」政治家たちなのだろう。

さて、東国原である。繰り返すが東国原は日本維新の会離党と同時に職を辞した。これは、要するに国会の理念に基づいた当然の行為であると考えれば、きわめて潔しと評価することが出来る。「政治理念を貫くからこそ、政治のルールの下でそれを貫徹する」という立ち位置が明確化する。だから職を辞するのは当然。東国原は「イイカゲン」でもなんでもない。国会を尊重しているだけだ。だから、みんなの党を離党しても議席にこだわる政治「屋」たちとは一線を画する、高潔な「腰の重い」「品のある」政治家ということになるのだ。

ちなみに東国原は記者会見で「議員辞職と都知事選を結びつけて報道されるのははなはだ迷惑」的なコメントをしている。

※おことわり:しつこいようですが、これはあくまで東国原に対する評価を相対化するための「安心理論」であることを踏まえて読んでくださいね(笑)。

次回は⑤オリンピック東京誘致に反対していたこと、⑥東国原の行政手腕について触れる予定。(続く)

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