アメリカのFRBが量的緩和の縮小を決めました。日銀は少なくとも当分の間は「(アメリカよりも)長く、強く」というシンプルな方針を堅持すると思われます。
そして、来年度予算の議論の中で今注目が集まっている診療報酬の改定において、安倍内閣が財政規律をしっかりと守る方向の結論を出すことが出来れば、すなわち、少なくとも全体で見たときのマイナス改定を医師会等の圧力に屈せずにきちんとすることが出来れば、来年度におけるプライマリーバランスの赤字幅のマイナスと相まって、安倍政権の財政再建への姿勢への信任を得ることが出来る。そうなれば、日本とアメリカの金利の状況から、結果として為替の状況なども日本経済にとっていい方向に進む可能性が出てくると思われます。
アジアの新興国市場もそれほど大きな反応は見せていないようですし、当面の下方リスクはコントロールできる範囲で収まる可能性が高くなります。
来年の4月に消費税の税率を5%から8%に引き上げる我が国としては、外的なリスク要因がなるべく少ないことが何よりも経済を上向かせるには重要ですから、その意味においては基本的にいい流れが続きつつあるともいえます。
あとは、この今の追い風に安住せずに、来る逆風の環境下でもきちんと耐えられるだけの経済の足腰の強さを作り上げることが必要です。そのためにも、農業分野や労働分野(女性)、TPPなど各部分部分で着実に進んではいる日本の改革の道筋をさらに一歩前に進めていくことが重要です。医療やコーポレートガバナンス、GPIF等々、課題は山積しています。
今週を終われば、年内は国会の周辺での動きは一段落しますが、来年一年がまさにその意味では正念場ですので、私も微力ながら頑張っていきたいと思います。
記事
- 2013年12月19日 16:01