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仮想通貨と国家の戦いが始まった! ビットコインは生き残れるか

中国当局の規制強化でインターネット上の仮想通貨ビットコインが暴落した18日、バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長は、新年から債券購入規模を月間850億ドルから750億ドルに減らすと発表した。

2008年のリーマンショック後、続けられてきた異例の金融緩和策を修正するもので、米国経済の回復と世界の基軸通貨ドル復活を改めて印象づけた。

欧州単一通貨ユーロ圏のキプロス金融危機、そして中国でのバブル発生で高騰したビットコインは12月初めに1単位当たり1240ドルという史上最高値を記録していたが、18日、一時455ドルまで下落した。

政府からも中央銀行からも自由な仮想通貨ビットコインと国家の第1ラウンドは、規制を打ち出した中国人民銀行(中央銀行)と異例の金融緩和策で金融危機を乗り切ったFRBに軍配が上がった格好だ。

中央銀行からの自由をセールスポイントとするビットコインの最大の弱点が、通貨の安定を守る中央銀行を持たないことだったというのは皮肉である。

しかし、ビットコイン取引の80%以上を手がける世界最大の取引所Mt.Gox(マウントゴックス、東京都)のホームページによると、18日、715ドルで始まった1単位当たりのビットコインは一時455ドルまで急落したが、599ドルで引けた。

ビットコインはこれまでにも何度か急落を経験しており、今回のチャイナショックから立ち直る可能性は十分に残っている。

ビットコインは2009年に誕生したインターネット上の仮想通貨で、流通量は2100万単位と限られ、これまでに1100万単位以上が流通している。

開発者はナゾに包まれ、日本人「中本哲史」か、または欧米のハッカー集団が開発したともいわれている。

定められたソフトを使ってビットコインをパソコン上で生成するのに約1年もかかるため、仮想通貨とはいえ、安倍晋三首相の経済政策アベノミクスのように景気良く「お札を刷りまくる」ことはできない。

さらにすべての取引記録はネット台帳で閲覧できる仕組みになっている。取引所での手数料はわずか0.6%。クレジットカード決済のような為替・事務手数料がかからないことから人気を集めていた。

政治や中央銀行から介入される恐れがなく、為替の手数料もかからないビットコインは、経済がこれだけグローバル化した現在、かなり魅力的な世界通貨になる可能性を秘めているのは間違いない。

中国やロシアなど政治リスクが大きい国の資産家が政府からの自由を求めて、ビットコインを通じて資産の海外移転をくわだてるというのは十分考えられるシナリオだ。

中国最大の取引所BTCチャイナでのビットコイン価格は13年1月から11月までの間に90倍以上も上昇。中国人民銀行は12月5日、中国国内の金融機関に対してビットコインを利用した金融サービスを禁止するとの通達を出した。

さらに、ネット上の第三者支払いサービス会社に適用範囲を広げたことがチャイナショックの引き金になった。

ビットコイン取引を規制した本当の理由はバブル懸念ではなく、人民元のコントロールが効かなくなるのを中国共産党が恐れたせいかもしれない。

ビットコインは「決済手段」としては極めて優れているが、これだけ価格が乱高下すると、「価値の尺度」「価値の保存」という通貨機能を欠いていたのは明らかだ。

その意味で、「ビットコインは通貨として認めることはできない。投資資産の1つだ」というノルウェー当局の見方は的を射ていた。

グリーンスパン前FRB議長は4日、ビットコインについて米ブルームバーグ・テレビジョンで「1年で90倍近く上昇した価格を維持するのは不可能だ。仮想通貨は通貨足り得ない」とバブル崩壊を予告。

金本位制の時代は金の保有量が通貨の信認を裏付け、現在は各国の財政や経済力が通貨の安定を支えている。ビットコインの場合、コンピューター・プログラムだけが信用の源泉になっている。

ただ、バーナンキ議長は、仮想通貨は効率性や安全性などが求められるとはいえ、長期的な価値があるとその将来性に言及していた。

確かにビットコインのコンセプトは、第二次大戦後、経済学者ケインズが提案した幻の国際共通通貨「バンコール」に似ている。しかし、バンコールを実現するには世界中央銀行のような国際機関が必要で、ビットコインが求める自由とは相容れない。

(おわり)

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